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明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション 角川文庫
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明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション 角川文庫

山田風太郎【著】

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明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/角川グループパブリッシング
発売年月日 2012/06/22
JAN 9784041003428

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商品レビュー

4.6

16件のお客様レビュー

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2024/07/28

明治に復活した、役人の不正を糾す役目の弾正台。大巡察としてその任に当たる香月と川路が遭遇する数々の奇妙な事件を解決するのは、金髪碧眼のフランス人巫女・エスメラルダによる降霊術だった。レトロな雰囲気の中で斬新な謎が繰り広げられる連作ミステリです。 時代ものという雰囲気が強く、実在す...

明治に復活した、役人の不正を糾す役目の弾正台。大巡察としてその任に当たる香月と川路が遭遇する数々の奇妙な事件を解決するのは、金髪碧眼のフランス人巫女・エスメラルダによる降霊術だった。レトロな雰囲気の中で斬新な謎が繰り広げられる連作ミステリです。 時代ものという雰囲気が強く、実在するさまざまな人物が登場する歴史小説としても読めるのかと思ったら。謎解きシーンが降霊術って! なかなかにぶっとんだ設定なのですが、それが案外違和感もなく面白いのが凄いです。死者の魂に語らせる解決編はまさしく圧巻。派手なトリックも圧巻。そしてすべての事件を通じての仕掛けにもまた度肝を抜かれます。異色だけれど、ミステリとしてはしっかり本格でした。 やはり「怪談築地ホテル館」のトリックのインパクトが一番かな。恐ろしいような、ちょっと笑ってしまうようなトリックでした。「遠眼鏡足切絵図」は、実在のあの人が登場したあたりで真相の一部には気づくことができたものの、それでもこちらもインパクト大。どれもこれも凄まじいです。

Posted by ブクログ

2023/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分内の山田風太郎ブームでこれに手を出す。 作者本人のお気に入りだったとか。 舞台は明治のごくはじめ、維新から間も無く、まだ社会がしっちゃかめっちゃかだったころ。 薩長土肥が支配する政府の腐敗も進む頃。 それらをなんとかするべく、邏卒(警察)を整えつつある、のちの大警視・川路利良をサブ主人公にして、架空の人物で美形青年・香月経四郎(史実の佐賀藩士・江藤新平の愛弟子である香月経五郎の兄という設定)が、捕物をする連作。 古来の弾正台を復活させ、水干姿で魔を斬る香月と、政府にパイプを持ち真面目実直な川路のコンビ。 フランスから断頭台を持ち帰り、ついでに首切り一家サンソン家の娘、エスメラルダも連れ帰る香月。 エスメラルダがイタコをして、香月とともに解決をみせる不思議な形式。 (最近、泰三子先生のハコヅメではないほうの漫画「ダンどーん」でもイケてる主人公だった川路がここでも活躍。飛ぶが如くの冒頭でみんなの心に焼きついたオモシロ人物。川路好きだ。) 弾正台と断頭台の言葉遊び。 川路と香月、どちらが多く、市井のトラブルを推理解決できるか、とお題が登場し、連作で解決していく。 ここから始まる香月と川路のワクワク捕物勝負! …かと思いきや。 ええええーーー、終幕まで読んで仰天。 これはすごい。確かにすごい。 えっ、本当にこれ、このまま行くの?と何度も思った。 ◯◯たちが1人ずつ退場する様は、まるで90年代のアニメ、セーラームーンの無印の最終盤のセーラー戦士、死す…!の回を彷彿とさせる。 やーーーーばい。これはヤバい。 エスメラルダも気の毒だけど、縫さん可哀想すぎるよ。 駆け抜けて駆け抜けるラストに言葉も無かったです。押忍。 明治になったから、と言って、何が変わるわけでもない。 江戸は江戸だし、山田浅右衛門が小伝馬町で斬首して小塚原に骸を捨てる。 何より人の心はそう簡単には変わらない。 明治の、のちの西南戦争にむけて、いろんな人物の運命の糸がより合う示唆も劇的でいい。 幕末の動乱、その後の混乱もずっと続いていたんだなあと思う。 いろんな人物がちらほらと顔を出す本作、遊び心も満載で面白い。 明治に詳しい人なら、もっともっと楽しめただろうな。高橋お伝、二葉亭四迷、内村鑑三ほかにもたくさん出た中で、準レギュラーぽく活躍した岸田吟香が面白かったです。岸田劉生の父で、さまざまな事業を興した立志伝中の人らしい。 ところで、エスメラルダのセリフ、全面カタカナはやはり読みづらい。 大事な推理ものの披露シーンなのだから、漢字+カタカナがよかったなー。

Posted by ブクログ

2023/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明治を舞台に弾正台の役人である香月経四郎と川路利良が虚実混交で繰り広げられる連作短編ミステリ。各章がそれぞれ謎の提示→巫女による解決、と言う構造を取っていますが、ラストに各章其々をミステリとする構造です。 犯人は探偵役の香月の自作自演(エスメラルダを巫女として仕立てた)、と言うオチなのですが、当時は新鮮だったんだろうな、と。 それと、いわゆる"ハウダニット"を固定化させると言う手法も使われています。この人のミステリは矢張りイロイロ盛り込まれていて意欲的。 木田元さんと言う人が書いた解説が良かったです。理想主義(香月、江藤、西郷路線)と現実主義(大久保、川路路線)の対立。新政府は前者を採択し、本書は後者の儚い抵抗であった、と言う物語基軸です。

Posted by ブクログ

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