創発人材をさがせ イノベーションを興す

村井啓一【著】

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞出版社
• 発売年月日: 2011/06/08
• JAN: 9784532317034

商品レビュー

2019/08/15

”タイトルにふられた「創発（はぐれ）人材」のルビが気になって読んだ。イノベーションが生まれる３つの条件＝創発リーダー、創発組織風土、創発人材。

＜読書メモ＞
・本書ではイノベーションを生む人材（イノベーター）を「創発人材」と呼んでいます。（p.4）
・イノベーション25戦略会議の座長を務めた黒川清氏は、「イノベーターは結果として破壊者ですから、既存勢力を壊してしまう。創造的破壊をするためには、まず破壊しなければいけません。……いくつも失敗をする。多くの障害を越えていく。それでも、これをやるんだ、という熱い思いと志、フロネシスを持ってやる人がイノベーターなんです。反逆児的な『世間の常識』を破る人たち、そういう人をたくさん作ることが大切です。反逆児といってもただ壊すだけでなくて、より高い目標のためにやるのが大事なことです」と述べています。（p.23）
・リーダーは、創発人材が表に出て活躍することを阻害しないマネジメントをすること、そして創発人材が自律的に活動できる組織風土を醸成することが不可欠です。さらに若手人材が持つ創発人材としての素質を殺すのではなくて、育成する教育とOJTを行うことが重要です。（p.43）
★創発人材を組織が目的とする方向性に導くために、創発リーダーは不断にビジョンを明確に口に出してメンバーに語り続けることが必要です。（p.53）
・“しくみ”にはイノベーションを牽引できる創発リーダーとそのリーダーが情勢した創発組織風土、そして、イノベーションを生みだす創発人材の三つの条件が存在します。（p.58）
★イノベーションを牽引できるリーダーに必要な人間力としての資質を列挙してみます。
　?危機感を常に持ち、将来のニーズを洞察、そして熱くビジョンを語ることができる。
　?リーダーシップとマネジメントの違いを理解し、組織を運営し牽引することができる。
　?カオスと秩序が両立し、自律した、創発組織風土を醸成できる。
　?創発人材の重要性を理解していて、周囲の人材と創発人材を活かすことができる。
　?打たれ強い精神的な強さを持ち、懐が広く、厳しくも温かい、かつ人格的に優れている。
　?一貫して考え抜き、困難を乗り越えていく突破力と、研究・開発・生産、そして事業化までの企業家精神とプロジェクト推進力を持つ。（pp.62-63）
・創発リーダーは、スーパーマンになる必要はないので、創発活動にかかわる人材が、最大限に活躍できるように、ビジョンを明確にして、時には微調整をしながら、モチベーションを向上させ、自分自身も変わり続け、マネジメント改革をしながら、そして最終的な責任をとればよいのです。（p.72）
・組織的知識創造を促進する五つの要件を考察しています。それは、第一に目標への思いとしての組織の意図を明確にすること、第二に自律性、第三にゆらぎと創造的なカオス、第四に冗長性、第五に最少有効多様性の存在が必要であることを考察しています。（p.p.224-225）

＜きっかけ＞
　タイトルにふられた「創発（はぐれ）人材」のルビが気になって。”

2018/12/18

イノベーションを生むのに必要な三要素
・イノベーションを牽引できる創発リーダー(管理マネジメントではない、牽引)
・創発組織風土
・イノベーションを生む創発人材

・創発リーダーはスーパーマンである必要はない。創発活動に関わる人材が最大限に活躍できるようにビジョンを明確にし、モチベーションを向上させ、自分自身も変わり続け、マネジメント改革をしながら、最終的な責任を取ればいい。リーダー自身も変わり続ける。

・自立型マネジメントが有効、自由奔放、勝手気ままにする状態ではな。
個人の活動が全体的な組織活動の中で最大限に活かされ、非常に微妙で壊れやすい発想や思いを表出することが容易で、周囲の関係者と積極的に議論されて、目的に向かって進める自律した状態

2012/05/16

イノベーションを求めるなら、どの組織にでもいる変わったやつを生かせ。そのためのマネジメント、組織のあり方は、管理型のマネジメントではない。キャノンでインクジェットプリンターの開発に携わった筆者が、イノベーションを呼ぶ研究開発の姿を語る。