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かんにんして 京母娘と家庭教師 フランス書院文庫
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かんにんして 京母娘と家庭教師 フランス書院文庫

宇治薫【著】

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かんにんして 京母娘と家庭教師 フランス書院文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2010/06/25
JAN 9784829617229

かんにんして

¥440

商品レビュー

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2010/07/16

読み方によって表情を変える作品

36歳の義母と16歳の娘(夫の実娘)が主に暮らす家が舞台。娘の家庭教師として訪れる主人公と義母は最初からデキており、娘の帰宅前に戯れる関係。娘は主人公に恋心を抱いている。義母の夫は健在だが関係は冷えており、作中に登場するのも名前だけ……全体の設定から記したのは、この作品が読み方と...

36歳の義母と16歳の娘(夫の実娘)が主に暮らす家が舞台。娘の家庭教師として訪れる主人公と義母は最初からデキており、娘の帰宅前に戯れる関係。娘は主人公に恋心を抱いている。義母の夫は健在だが関係は冷えており、作中に登場するのも名前だけ……全体の設定から記したのは、この作品が読み方というか誰に肩入れするかで評価を大きく分けると思ったからである。最初は義母との艶っぽい描写で始まるのだが、途中から訳あって娘とも関係を持つようになる。当然ながら義母は気が気でない。娘も元より憎からず想っていたので主人公にメロメロとなっていく。要するに典型的な三角関係である。特に義母の「静かな嫉妬」が前面に描かれているが、義母と娘のシーンがほぼ同等(娘とは戯れが多い)に描かれているため、どちらかに肩入れすれば他方が邪魔に思えてくるものの、高みの見物と決め込めば違った面白味が出てくる作風である。年上の人妻と年下の娘、艶のある交わりと生娘のウブな交わり。こうした好対照な情交描写が随所に出てくる。ただ、義母が妖艶に主人公を誘うのではなく、娘に取られる思いから必死に懇願するような形に変わっていくために、誘惑系としては若干重たい雰囲気を纏っているのと、キス(本作では「接吻」という表現を多用)の描写が多くて時に物足りなく、これらもまた好き嫌いの分かれることに繋がるかもしれない。娘にも想いを傾けたかのように振る舞い始める主人公の言動もこれを助長する。そして、最後はなかなか意味深な結末へと向かっていくのだが、後の顛末については読者に委ねつつ「これって、10年くらい前までだったら包丁持ってたよね」と思えなくもないダークなものとなっている。明るく乱入する可能性も否定できないが、作品のテイストがそれを強く思わせないところもあって何とも悩ましい。

DSK