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汝の目を信じよ! 統一ドイツ美術紀行
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汝の目を信じよ! 統一ドイツ美術紀行

徐京植【著】

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汝の目を信じよ! 統一ドイツ美術紀行

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2010/03/10
JAN 9784622075233

汝の目を信じよ!

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2011/01/08

『We』169号の「乱読大魔王日記」で、徐さんの『プリーモ・レーヴィへの旅』のことを書いたのは、いつもより反響があった。自分も昔レーヴィについて書いたことがと、書いたものを送ってくださった方もあった。そんなお一人から徐さんの『汝の目を信じよ!』を読んでいるところですとこの本を教え...

『We』169号の「乱読大魔王日記」で、徐さんの『プリーモ・レーヴィへの旅』のことを書いたのは、いつもより反響があった。自分も昔レーヴィについて書いたことがと、書いたものを送ってくださった方もあった。そんなお一人から徐さんの『汝の目を信じよ!』を読んでいるところですとこの本を教えられて、図書館にリクエストしていた。 昨年出たばかりの本だが、先日読んだ徐さんの『植民地主義の暴力』と同じくこの本も近所の図書館では購入見送りになったようで、ヨソの図書館から相貸できた。その点はひじょうに残念。 90年代の、徐さん自身が出遭った戦争と虐殺の時代を生きた画家たちの作品について書かれた本。そのなかには11月の終わりに伊丹でみたオットー・ディックスも含まれていて、表題作「汝の目を信じよ!」はオットー・ディックスとその時代を書いたテキストである。 第一次大戦でディックスが志願して兵士になった理由を書きとめた文章を、徐さんが引いている。 ▼私の隣で、ある者が突然倒れ、死に、弾丸が彼に命中するのを体験しなければならなかったのです。こうしたことすべてをまさに正確に体験しなければならなかったのです。私はそれを望んだのです。つまり、私はやはり平和主義者ではまったくないのです。…ご存じのように、私はレアリストであり、それがそうであったことを確かめるために、すべてを自分の目で見る必要があるのです。…あらゆる人生の浅はかさを自分で体験しなくてはならない。それゆえ私は戦争に出かけ、しかもそれゆえみずから志願までして出かけたのです。(p.108) また別のページでは、肖像画制作についてディックスが書いた文章が引かれている。その引用の最後はこうだ。 ▼…画家は「判断」せず「直視」する。私のモットーは、「汝の目を信じよ!」である。(p.124) 徐さんの本のタイトルになり、そして伊丹でのディックス展のタイトルになったのは、ここなのだと気づく。「汝の目を信じよ!」「直視せよ!」 この本は先に韓国版が出ている。ほぼ同じ内容だが、それぞれの版で、必要な加筆をしたので細部は違うのだという。巻末には、韓国版の序文がおさめられていて、そのなかの「美意識」のところがキモだと思った。 ▼「美意識」とは「きれいなものを好む意識」ではない。「何を美とし、何を醜とするか」という意識である。自分の「美意識」を再検討するということは、自分が何かを「きれいだ」と感じるとき、それを当然のこととして済ますのではなく、なぜそう感じるのか、そう感じていてよいのか、を問い返してみるということだ。そうすれば、私たちの美意識が実は歴史的・社会的につくられてきたものであることに気づくであろう。  近代国家は国民たちの「美意識」を統御し支配しようとする。何を美しいと感じ、何を醜いとすべきかを国家が決定し国民に押し付ける。ある特定の美意識を共有するものだけが同じ国民であるというイデオロギー、いわば美意識を通じた国民主義を実践するのである。…(pp.207-208) 徐さんの80年代の美術巡礼をまとめたという『私の西洋美術巡礼』もこんど読んでみたい(こっちは図書館に入っていた)。

Posted by ブクログ

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