ファウ・ファウ物語(上) 角川スニーカー文庫

富野由悠季(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 1986/08/01
• JAN: 9784044101107

商品レビュー

2019/09/30

直前にクレヨン王国を読んでいたからでしょうか。
すごくクレヨン王国の雰囲気が漂います。
富野節がちょいちょい入るクレヨン王国…みたいな。
でも、舞台は異世界じゃなくて現実世界、迷い込んできたのはフェラリオのファウ・ファウの方です。
それにしても、先生たちのひどさが際立つ…。

2017/01/23

　ＴＶアニメ「聖戦士ダンバイン」で描かれた異世界バイストン・ウェル。そこに生きる妖精ミ・フェラリオの少女ファウ・ファウ。偶々地上で生まれ出た彼女と地上人の少女らの交流を描く本書。本編「東京上空編」で描く戦闘の最中とは違い、本書は平和な現代日本における、家庭と学校空間等における彼らのディスコミを切り取って見せる。平和故に浮かび上がる像は異種・特殊な存在への日本人特有の排斥行動。見えぬものは存在しないもの、混乱なければ何でも良しとする学校空間が特に印象深い。ファンタジーの仮面を被りつつ描くべきは現代日本なのだ。
ただ、ファウ・ファウについて、金髪・ウェーブがかった長髪とあるのに、チャム・ファウの如きイラストで見せるのは疑問だ。１９８６年刊行。

2015/05/17

絶版富野小説の一つ。バイストウェル物の一つだが、現実の東京が舞台となっている。
富野さんらしい、直球なようで遠回しな社会批判がちりばめられているが、上巻は主人公の女の子エミコとファウファウの出会いと友情の芽生えまでが基軸となって進む。
大きな事件が起きる訳でもなく、だけど子供には大きすぎる出来事が起こって、対処しきれないながらもエミコの気転とファウファウの元気さで乗り越えていく。
児童書だけあって富野さんにしては分かりやすい内容だが、児童に読ませられるかといえば首を傾げる一冊。大人にこそ読んでほしい。