女性たちの大学院 社会人が大学院の門をくぐる時

須藤八千代, 渋谷典子【編】

• 販売会社／発売会社: 生活書院
• 発売年月日: 2009/10/25
• JAN: 9784903690469

商品レビュー

2018/04/14

私の大学の先生も書いていらっしゃったので、読んだ。どんな思いで社会人として大学院に進学されていたのか、知ることができた。

2014/03/04

今春から大学に入り直し修士課程に挑戦するため、モチベーションを高めるために手に取りました。

仕事を辞めるまでは大学院進学に迷いはなかったし、周りに迷惑がかかることも承知だった。
ただ、いざ何もなくなると自分の決断について改めて考えてしまい、これが最良の手段だったのかと問いたくなる。
この本を読んで、正解などどこにもなく、「学びたい」という気持ちを素直に大事にしようと思いました。
社会に役立てたいとプレッシャーもありましたが、まずは正直に勉強し邁進したいと思います。

2012/01/31

まさに私は、社会人で女性で大学院に行きたいヒトである。だから大変私にとっては切実な本なのである。

１８で大学に入り、卒業して就職。→働きながら他専攻の短大へ入学→卒業して継続勤務するも退職。→療養の傍ら大学に編入するが、あえなく挫折→フリーで働きながら再入学の準備を大学院進学もアタマに置きながら進行中。

というヒトなので。

でも、鼓舞されるより、私はリアルに悩んだ。

「学費…キツいな。」

そう、手堅い仕事があるか、家族に理解がないと就学は難しい。さて…私は？？というわけだ。漠然と憧れているだけでは、ダメなのである。

それに、ちょうどこの本を読んでいる時恩師から電話があった。再学したい旨を話したら、励まされもしたが鋭い声で

「大学院に行って何がしたい？」
「そう。じゃあそのあと、あなたはどうする？学校に行ってそれで終わり？」

そうなのである。

就職があればいいが、このご時勢、私を非常勤でいいから使ってくれるかどうかなんて、今、保証はないのだ。

でも…内容の充実した研究が出来れば、一本でも論文が発表できるかもしれない。

不遇なにするものぞ。
その積み重ねが明日の私を先に進めるだろう。
そう、答えた。

あなたが生きる上で不可欠だから学ぶのです。
あなたの中にある考えを言挙げしなさい。

と答えて下さった。ありがたかった。

しかし、皆が皆ではないが、ジェンダー論に触発されて学んだ方が多かった。私も大きな影響は受けたが、一番身近な（はずの）ある男性に

「私が女性学の方に進んだらどうだろう？」

と投げかけたら、彼は何とも複雑で、嫌なものを見る（意外だったが）眼差しで

「ジェンダーやってるひとは偏っているから。」

とポツリと言った。

「そこを超えた研究がしたいの。文学を男女どちらからも違う地平のジェンダー論から読んでみたい。」

という私の言葉は、ついに言葉として発することはなかった。言わなくても彼は知っていたろうが、拒絶された？と感じた私の戸惑いはこの本を読んで、逆にカタチになった。

おそらく、誰からも理解をされることのない孤独な戦いになる。そして、ただ大学院に行っただけではだめなのだ。

栄誉も、もしかしたら金銭も伴わなくとも、研究者としては現役であり続ける勇気が無くては。院に行く前に、私は打ちのめされて何かを諦めることになると、認めざるを得なかった。

私は、どうする？その問いが、本を閉じてなお、谺して止まない。