いなずま砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ 光文社時代小説文庫

都筑道夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 1988/07/01
• JAN: 9784334707781

商品レビュー

2021/07/26

「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズの第十弾。

第六話「根元あわ餅」と第七話「めんくらい凧」では、小動門之助（こゆるぎ・もんのすけ）という浪人が登場し、センセーとの出会いを契機として、彼の生きざまがえがかれることになります。第六話では、いつものセンセーの卓抜な推理によって事件が解決にみちびかれるのですが、動機の面ですこし弱いと感じさせるところがありました。その流れを受けて第七話では、門之助の運命に焦点をあてるかたちで、結末がつけられています。

どちらかというと、ミステリとしてよりも時代小説としてたのしめる内容になっているように感じました。

2010/01/21

なめくじ長屋捕物さわぎシリーズです。
江戸時代のミステリー的な感じです。
珍しく２話続きで登場人物が出て来ます。
ラストの話は絵描きのセンセーが元サムライらしい活躍で終わります。
このシリーズはどの巻から読んでも話が分かるのが良いですね。

2009/09/25

「なめくじ長屋シリーズ」第10段。

相変わらず、金になりそうな事件に首を突っ込んでは、センセーを中心に摩訶不思議な事件を解決してお金を稼ぐ、なめくじ連のお話。
知恵が有り余るほどある、というセンセーは浪人風ではあれ、腰に刀も差していない。それでもこれまで、強そうな片鱗を見せてはいたが、実際に刀をとることはほとんどなかった。
しかし、この「いなずま砂絵」では、サムライだった頃のセンセーを垣間見ることのできる貴重な短編がおさめられている。強いばかりではなく、厳しく、そして優しいセンセーは特にカッコよい。
これだけ続いても（シリーズは11巻、20年にわたって書き続けられた）飽きない「捕物さわぎ」、必見だ。