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見えない橋 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | 見えない橋. 都会. 漁火. 消えた町. 夜光虫. 時間. 夜の道 |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2005/07/07 |
JAN | 9784167169435 |
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
今回も吉村昭さん独特の静謐さや視点が、心に染み入ってくる短編集でした。 特に社会的弱者と死が関わってくる短編が印象に残っています。 再犯を繰り返してきた初老の男と保護司の交流を描く表題作「見えない橋」 ホームレスと町内会会長の交流を描く「都会」 ドラマチックな展開はないけど、...
今回も吉村昭さん独特の静謐さや視点が、心に染み入ってくる短編集でした。 特に社会的弱者と死が関わってくる短編が印象に残っています。 再犯を繰り返してきた初老の男と保護司の交流を描く表題作「見えない橋」 ホームレスと町内会会長の交流を描く「都会」 ドラマチックな展開はないけど、情景や行間を想像させる奥行きのある作品でした。前科のある老人、ホームレス。社会からはつまはじきにされそうな人たちの最期を、周りの人の優しさや、心配りを描くことで、哀しくも淡く美しく、日常の一片として描く。 劇的なドラマ性はなくても、丹念な描写と文章力、そして日常や弱者に対する優しい視点が高レベルで併存すれば、物語はいくらでも輝きが増すということがよくわかる作品だったと思います。 著者唯一の私小説「夜の道」も素晴らしい完成度の短編でした。 母の病気の発症、そして死を冷徹に見つめ、そして母をめぐっての家族の微妙な変化もあまさず描く。そうして描写の細やかさ、表現の巧みさもさることがながら、ラストのシャワーシーンが圧巻だった。 どこか冷静に外から俯瞰的に母の死と家族の変化を語っていた「わたし」の感情が、最後に激しく揺らぐ。それを直接的な言葉は控えて、情景や描写で描くからさらに想像力を掻き立てられ、わたしの感情が読者である自分にシンクロしていく。 職人技というしかない文章術。さらにあとがきによると「夜の道」の原型は、大学時代に書かれていたらしく、そのことにも驚きました。大学時分でここまで死や家族を見つめられるのか、と改めて吉村昭という作家の底知れなさを見た気がします。
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「人の死」を見つめ続けてきた【吉村昭】の静かな余韻が残る短編集です。刑務所から釈放された身寄りのない高齢者が、生活保護を受け乍らも自立できるまでの間、精神的な支えとなって保護観察にあたる担当者の細やかな心情を綴った表題作『見えない橋』。都会の公園の片隅で寝泊まりする中年のホ-ムレ...
「人の死」を見つめ続けてきた【吉村昭】の静かな余韻が残る短編集です。刑務所から釈放された身寄りのない高齢者が、生活保護を受け乍らも自立できるまでの間、精神的な支えとなって保護観察にあたる担当者の細やかな心情を綴った表題作『見えない橋』。都会の公園の片隅で寝泊まりする中年のホ-ムレスが、毎朝付近の清掃を行ってから街の残飯で食いつなぐも、行旅死亡人として葬られていく世情を綴った『都会』。大東亜戦争開戦秘話にまつわる未亡人を語った『時間』。著者が療養先で知った母親の死を綴った私小説『夜の道』など全7篇。
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死者たちが渡っていった橋のたもとに私がいる。 そんな気分になる。 向こうにあるものをみてみたくもあり、怖くもあり。
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