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紙の空から
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 晶文社/晶文社 |
発売年月日 | 2006/11/30 |
JAN | 9784794967046 |
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紙の空から
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商品レビュー
4.1
8件のお客様レビュー
2007年10月購入。 柴田先生のファンになり、買ったのですが、1本目のブレシアの飛行機の設定がいまいちわからず、何度もトライと中断を繰り返し15年半…ようやく読みきりました! 短編小説を読み慣れてきたせいもありますが、どれもよかったです。特に「道順」「すすり泣く子ども」「恐しい...
2007年10月購入。 柴田先生のファンになり、買ったのですが、1本目のブレシアの飛行機の設定がいまいちわからず、何度もトライと中断を繰り返し15年半…ようやく読みきりました! 短編小説を読み慣れてきたせいもありますが、どれもよかったです。特に「道順」「すすり泣く子ども」「恐しい楽園」「夜走る人々」「アメリカン・ドリームズ」が心に残りました。 長編とは違い、登場人物の背景の説明は限られているのですが、読み手の想像力をかきたててくれるのが、短編のよさかなと感じています。 柴田先生の編訳短編集は、他にもいろいろあり、少しずつ読み進めているところですが、死ぬまでに読み尽くせるのか…できるだけがんばりたいです!
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※このレビューにはネタバレを含みます
「すべての物語は何らかの意味で旅の物語であり、どんなに現実的で日常的な情景が描かれていようと、それはいわゆる現実や日常とはどこか違った<もう一つの国>なのだし、そもそも読み手にしてみれば、物語を読むという営み自体、どんな物語であれ、一種旅に出るようなものだと言うことができるだろう。」 「訳者あとがき」からの引用だが、あらためて言われるまでもなく、私たちは書斎の中であれ、移動中の電車の中であれ、物語を読んでいるときは、現実に自分が生きている世界とは違った時間、違った場所に生きている。問題は文句なしに別世界に行ける作品と、そうすんなりとは行かしてくれない作品があって、私たちは、どうにかして、今まで見たこともないような<もう一つの国>にまちがいなく行ける切符を手にする機会はないものかとつねに本屋や図書館の棚、ウェブサイトの中をうろつき回っているということなのだ。 手がかりになるのは読み巧者が見つけてくる情報なのだが、外国文学の場合、翻訳者が水先案内人であることが多い。優れた訳者は下手な作家より、よっぽど鋭い感性を持っている。そういう翻訳者を何人か知っていれば、見知らぬ国の作家が描き出す<もう一つの国>への切符はなかば手に入ったようなものだ。柴田元幸氏は、その中でも第一人者である。 いつの頃よりか、これはと思った外国文学の訳者が多く柴田氏であることに気がついた。それからは、訳者が柴田氏であれば、作家の名前は知らなくとも、まずは読んでみることにしている。そして、ほとんど期待が裏切られたことはない。今回の作品は英語で書かれた旅にまつわる短編小説のアンソロジーである。 冒頭に置かれた「ブレシアの飛行機」はガイ・ダヴェンポートの作品。友人のマックス・ブロートとイタリアの航空ショーを見に行った事実をカフカが書いた短い文章をもとにした同名の架空の旅行記である。現実と虚構が綯い交ぜになった記述に眩暈に似た感覚を覚えるが、その裡に知らぬ間に別世界に飛ばされてしまっている自分に気がつく。 訳者お気に入りのスティーヴン・ミルハウザーの手になる「空飛ぶ絨毯」は、子どもの頃の夏休みに寄せる思い、少年の成長と引き替えにもたらされる喪失感を、独特の超現実主義的技巧でもって鮮やかに描ききった佳作。まさに紙上フライトの感あり。 50年代のシカゴの下町を描かせたらこの人の右に出る者はいないというスチュアート・ダイベックが書いたのは、「パラツキーマン」。パラツキーとは、ウェハース二枚を蜂蜜で貼り合わせたもの。屑拾いや行商人の後をつけたがる子どもは洋の東西を問わず多いらしい。異世界への通り道を見つけてしまった兄弟の不思議な体験を描いた幻想的な作品。 影の薄い町の住人が、丘の上に買った敷地に塀を建て始めた。中国人の職人を使い、その中で何をやっているのか町の人たちはいぶかしがるが、やがて当人は死ぬ。未亡人が指揮して塀を取り壊すとそこには…。アイロニーに満ちた奇妙な味わいを漂わせる、ピーター・ケアリーによる「アメリカン・ドリームズ」。 ほかに、『コーネルの箱』で知られるジョゼフ・コーネルの作品に霊感を受けて書かれたというロバート・クーヴァーの「グランドホテル夜の旅」、「グランドホテル・ペニーアーケード」。ハワード・ネメロフの「夢博物館」は自分の夢を蒐集した博物館を建てた男の話。掉尾を飾るカズオ・イシグロの「日の暮れた村」など。どれも瞬時の裡に<もう一つの国>にあなたを連れ去ってくれることまちがいなしの逸品ぞろい。できれば、夜更け、静かな部屋で独り読んでいただきたい。
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アメリカ文学翻訳者である「柴田元幸」氏が選んだ、旅にまつわる海外短編を集めたアンソロジー。 スティーブンミルハウザー、バリーユアグロー、スチュアートダイベック、カズオイシグロなど錚々たるメンツの短編が、きれいな挿絵とともにおしげもなく盛り込まれている。 個人的には既読の短編も...
アメリカ文学翻訳者である「柴田元幸」氏が選んだ、旅にまつわる海外短編を集めたアンソロジー。 スティーブンミルハウザー、バリーユアグロー、スチュアートダイベック、カズオイシグロなど錚々たるメンツの短編が、きれいな挿絵とともにおしげもなく盛り込まれている。 個人的には既読の短編もあったため、少し物足りない感はあるものの、海外短編好きにはたまらない内容になっていると思う。
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