20世紀名住宅選集 CD-ROM付

C.デイヴィース(著者), 八木幸二(著者)

• 内容紹介: //付属品～CD-ROM1枚付
• 販売会社／発売会社: 丸善
• 発売年月日: 2007/06/13
• JAN: 9784621078440

商品レビュー

2011/03/22

20世紀の住宅建築の歩みを俯瞰するには最適だと思います。あくまでもモダニズムに関連する住宅が中心のため、一般住宅のトレンドは全く把握できませんが。

これを見ると、20世紀はやはりモダニズムの100年だったのは否めないですが、今そのモダニズムの代表作を見ると、正直古さを感じてしまいます。やはり従来の住宅を現代的に塗り替えたという点では重要なムーブメントだったのだとは思いますが、普遍的なデザインを創り出す才能を持った建築家がどれだけいたのか、多少疑問に感じます。コルビジエの作品が8点もありますが、どれもその後の建築家に多大な影響を与えていると同時に、非常に時代遅れな印象を持ってしまいます。

ライトのプレーリーハウスの最後の作品であるロビー邸（1909年）の次の作品が8年後のコルビジエのシュウォブ邸（1917年）で、これはまだモダニズムにはなっていない。その後はライトの影響が大なへニー邸（1919年）、ライトのバーンズドール邸（1921年）、エニス邸（1923年）と続き、やっとモダニズムが完璧に反映されているシュレーダー邸（1924年）、ラ・ロッシュ＝ジャンヌレ邸（1925年）、エスプリ・ヌーヴォー館（1925年）が登場する。1910年代の作品が3件だけなのに対し、1920年代は16件もあります。これからも、1910年代はライトにとって失われた年代だっただけではなく、建築界全体にとっても空白の時代、またはライトの影響が他の建築家に浸透するまでの蓄積の時代だったのでは？と感じます。（贔屓しすぎでしょうか？）

個人的には1920年代から1940年代のモダニズムよりも、モダニズム前の作品と、ウガルデ邸（1952年）以降の、モダニズムの影響を受けながらも、より地域的なデザインを受け入れている建築の方が好きです。そういう点では、未だにコンクリートうちっぱなしやミニマリズムを追求している日本の建築家は世界からは評価を得ているが、袋小路にはまっている様な印象を持ってしまいます。

2007/10/13

２７歳のときに建築の教材として買った本。
有名な建築（住宅）のインデックスとして利用するには充分　解りやすいし、CD付きでお得♪