もっとも虚しい仕事 ブラッディースクランブル カッパ・ノベルス

戸梶圭太【著】

• 販売会社／発売会社: 光文社/光文社
• 発売年月日: 2006/06/25
• JAN: 9784334076344

商品レビュー

2009/09/24

金に困った売れない役者の黒木は、大先輩の萩本から現金を強奪しようと画策するが…

「クールトラッシュ」「ビーストシェイク」に続く、クールな一匹狼の鉤崎が主人公のギャング小説。
現金強奪という出だしの展開はあっさり流れて、話は思いもよらない方向にズンズンズレて行く。

役者同士の嫉妬、不倫、ヤクザの見栄といった安い人間の感情をさらりと書きながら、テンパッてる拳銃ぶっぱし男や変態爆弾男など、癖のある登場人物がユニークなのは、前作と同様だ。
ど派手＆変態チックな最期はとっても強引で、シニカルに笑える。

他のトカジの小説では、どいつもこいつも安い変態野郎なのに、このシリーズの主役「鉤崎」だけは冷静沈着で感情を表に出さないクールなギャングに設定されている。
著者自身をクールな鉤崎に反映させているのか？

2007/05/09

押し込み強盗計画がきっかけで、過去の仲間の不始末に気づいた鉤崎。彼らを追ううち、無計画な犯罪者たちの思惑に再度巻き込まれていく。後始末という虚しい仕事に決着はつくのか? 痛快無類のパルプ・ノワール。

2007/02/13

以前読んだ同じ主人公の話が面白かったので、続編にもチャレンジ。
売れっ子俳優宅への押し込み強盗を計画した鉤崎。
しかし、その計画が頓挫したことにより、仲間が暴走し始める。
果たして彼は仲間の暴走を止められるのか。

クールで天才的な泥棒・鉤崎。
以前読んだ作品では、その鮮やかな仕事ぶりがかっこよくとても面白かっただけど、今作は無理矢理な展開が多すぎ。
街中で爆弾を使ったり、転んだり殴っただけで頭蓋骨陥没したり。
ここまで破綻していると、ばからしくて読むのが億劫でした。
もう少し、上質なクライムノベルを目指して欲しいもんです。