まっとうな経済学

ティムハーフォード【著】, 遠藤真美【訳】

• 販売会社／発売会社: ランダムハウス講談社/ランダムハウス講談社
• 発売年月日: 2006/09/13
• JAN: 9784270001448

商品レビュー

2024/05/12

原題は『The Undercover Economist』、直訳すると『覆面経済学者』である。

身近に潜む事象を経済理論で解説していく本である。基本的な経済学の知識がないと難しいのではと思った。

2019/09/26

7年以上置いてあった書です。経済学総論として優れていると思いましたが、7年前なら理解できていたかどうか。

2014/09/01

第1章 希少性
縄張りとかが価格に与える影響について。競争を生み出さない仕組み作りが、価格を高く維持する。その意味で、SEは微妙。中国の日本語ができる優秀な人材が日本市場に入ってくれば、競争が発生し、単価が安くなるから。
但し、日本は人口減で、労働人口が減るから、その分希少性は高まるはず。移民受け入れは日本国民には辛いなあ。
第2章 価格弾力性
価格の変動に対して、鈍感な人と鋭敏な人がいる。土産物屋なんてまさにそうで、旅行に来た人用の価格が設定されている。地元の人は、割高だと知っているから、買わない。
仮に地元の人が買うような値段にしたら、高い値段設定はできないので、利益は減るかもしれない。どの層をターゲットにするか？そして、高い値段で買ってくれる人を如何にして、安い商品に流さないか。インターネットがある現在では、どこからでも安い商品は買えてしまう。
漏れ穴を防ぐために関税やらが存在し、利益の喪失を防いでもいる。
第4章
平均費用と限界費用と外部性費用。どのように課税を行えば、公平と言えるのかと言うのは、けっこう難しい問題。税金を課して税収が上がるとは言えず、購買意欲が下がることだって考えられる。
経済学とは、誰が何をどのような理由で手に入れるかを知るための学問。
第5章
内部情報。売り手と買い手では、情報量が異なるため、そこに市場は存在しないのではないかという。売り手が、レモンを売っているのか
ピーチを売っているのかわからないため、ピーチを売っているよっていうアピールのために、ショーをしたり店を荘厳な建物にしたりする。
第6章
株価。株価もまた、希少性に対してのみ、上昇の傾向を見せる。※鉄道には希少性はない。
第7章
企業は、安く原材料を仕入れたら、売値を安くはしない。できるだけ利益が出るように価格を設定する。希少性を発揮できる限界まで。
第8章
貧しさを妨げているものに、汚職が挙げられる。
教育水準を上げ、優秀な人材を育てても、その人が仕事につけなかったら、意味がない。
世界機構が資金援助し、ダムをつくっても、それを運用する仕組みがなければいけない。
貧困の敵には、現在の仕組みが挙げられる。
第9章
コーヒー農家が貧しい理由は、コーヒーには市場を揺るがす希少性がないからだ。
フェアトレードのような動きもあるけど、一部が富を得ても、貧しさはなくならない。ベースアップが必要。
第10章
関税は自国で産業を営む人が、利益を守るための施策。貿易は、比較優位論でもあるようにやるべきこと。ただ、自国の産業を守ることは、雇用を守ることだから、私腹を肥やす人がいたとしても悪いことではないか。途上国ではなく、日本ならだけど。