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西行巡礼 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2003/01/01 |
JAN | 9784101081212 |
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西行巡礼
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商品レビュー
3
3件のお客様レビュー
巡礼が昔からなぜ絶えず続けられているのか。古人に宗教に少しでも近づけられるのか。前半のいくつかの経験と後半の西行の話が今ひとつ結びつかずしっくりこなかったが、解説に得るところがあった。2022.5.22
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宗教学者 山折哲雄 「 西行 巡礼 」後半は西行論。西行の人物像や歌の背景が少し見えてきた。 白洲正子氏の色恋の西行像と異なり、出家を重視し、浄土信仰や地獄絵など 宗教的側面が強調されている。 西行は 何者にも なりたいと思っていない〜出家しても僧になりたくないし、本気で歌人...
宗教学者 山折哲雄 「 西行 巡礼 」後半は西行論。西行の人物像や歌の背景が少し見えてきた。 白洲正子氏の色恋の西行像と異なり、出家を重視し、浄土信仰や地獄絵など 宗教的側面が強調されている。 西行は 何者にも なりたいと思っていない〜出家しても僧になりたくないし、本気で歌人になりたいと思ってない」とした人物像は 白洲正子氏の虚空的な人物像と似ている。 白洲正子氏は、待賢門院を桜の花にたとえた恋愛歌としているが、著者は、桜の花は 心の不安と恍惚を示す対象としている。 連歌「地獄絵を見て」の解釈が面白い。白洲正子氏が「地獄絵を見て」を 西行の心の歴史としたのに対して、著者は 西行の地獄から浄土への過程としている。両者とも西行自身の地獄に落ちるだけの罪の存在を想像させる。他の西行論や小説が「地獄絵を見て」をどう解釈するのか知りたい。 西行の人物像 *何者にもならない〜僧にも歌人にもならない *待賢門院の記憶の中で生きる *花狂い〜心身の分離=桜の花から心の不安と恍惚を歌う *漂泊の旅 *浄土信仰〜山の端の月から西方浄土に惹かれる心 *地獄絵を見て自分の心を見下ろす 世の中を思へばなべて散る花の 我が身をさてもいづちかもせむ *世の中を思えば、散る花のようにはかない、その散る花のように はかない わが身をどうすればいいか 吉野山花の散りにしこのもとに とめし心はわれを待つらむ *吉野の桜を見た去年のことが今蘇る〜散った桜への惜別の思い *自分の心との対話 さかりなるこの山桜思ひおきて いづち心のまた浮かるらむ *満開の山桜を見て、心は再び漂泊の旅に出ようとしている→西行の遁世への想い *桜によって自分の心を凝視し、その心を通して花の千変万化に戯れる 見月思西と云ふ事を 山の端にかくるる月をながむれば われも心のにしにいるかな *見月=月を見ること、思西=浄土往生を願うこと *山の端の月を見ていると心も西方浄土に惹かれていく
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『巡礼の思想』(弘文堂、1995年)の改題版で、西行にかんするエッセイのみならず、著者自身が世界の聖地を訪れた経験にもとづくエッセイなどを収録しています。 西行にかんしては、浄土思想の影響を受け入れつつ密教に新しい展開をもたらした覚鑁に触れつつ、同時代の宗教的・思想的地盤が西行...
『巡礼の思想』(弘文堂、1995年)の改題版で、西行にかんするエッセイのみならず、著者自身が世界の聖地を訪れた経験にもとづくエッセイなどを収録しています。 西行にかんしては、浄土思想の影響を受け入れつつ密教に新しい展開をもたらした覚鑁に触れつつ、同時代の宗教的・思想的地盤が西行の生き方と考え方に影響をおよぼしたのではないかという著者の主張が示されています。こうした主張が実証的な裏づけを有するのかどうか、わたくし自身はつまびらかにしないのですが、西行という人物の生き方にせまる方法としては興味深く感じました。
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