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言の葉の樹 ハヤカワ文庫SF
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2002/06/30 |
JAN | 9784150114039 |
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言の葉の樹
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言の葉の樹
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商品レビュー
3.7
11件のお客様レビュー
表紙に一本の木が写っ…
表紙に一本の木が写っていて、意味が分からなかったけど、読み終われば理解できます。
文庫OFF
ゲド戦記から入った私はこれがル=グウィンの初SF体験でした。 SFはほとんど読まないので、ストーリーに入るのに少し時間がかかりましたが、読み進めていくとやはりル=グウィンらしさがあり、だんだんとのめり込みました。言葉を大切にするところやフェミニズムをしっかり入れてくるところなどゲ...
ゲド戦記から入った私はこれがル=グウィンの初SF体験でした。 SFはほとんど読まないので、ストーリーに入るのに少し時間がかかりましたが、読み進めていくとやはりル=グウィンらしさがあり、だんだんとのめり込みました。言葉を大切にするところやフェミニズムをしっかり入れてくるところなどゲド戦記に通じるものがありました。 SFは私にとってはやや読みにくいのですが、これをきっかけにル=グウィンのものから読んでみようかとも思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ここしばらく、ル・グィンを読み続けている。本書もハイニッシュ・ユニバース・シリーズの一冊。 エクーメン連合に新たに加わった惑星アカに派遣されたテラ(地球)出身のインド系女性のサティの物語。アカの政府は、エクーメン連合の影響を受け入れすべての文化を刷新しようとして、伝統的な書物を焚書し、言語も抑圧している。サティはテラでの自らの経験は逆であったこと、すなわちユニストと呼ばれる勢力が、エクーメンの影響を拒否し懐古的ではあるものの画一的な強制とテロで抵抗したことを記憶していた。サティはアカの実態を知ろうと地方への訪問をアカ政府に申請し認められるが、監視者ヤラに付きまとわれる。しかし、エクーメンから派遣された上司トングと連絡を取り、監視中止を求めて成功する。 訪問先で知り合った抑圧されていた人々の言語や文化を学び、かれらのシロング山への巡礼に同行する。シロングは、アカの政府から適しされている旧知識の聖地で、伝統的な書物が集められた大図書館であり、巡礼に来た人々は様々な知識をここから再構成しようとしていた。ところが、サティたち一行がシロングに到着直前、アカ政府のヘリコプターに襲われるが墜落し、唯一の生存者監視者ヤラを残のみであった。ヤラは人々の伝統的治療を受けていたが、本格的な冬が始まって、人々が山を下るさいに、同行は困難なようであった。 サティはヤラに話しかけ、次第に彼の素性を知るようになる。ヤラは、子供の頃、伝統的な生活をしている叔母により育てられたが、父親によって首都に連れて行かれアカ政府系学校に入れられて、アカ正統の役人となっていった。サティの監視を解除されたヤラは、それでもサティの追求をやめず、シロング山の秘密をアカ政府に報告するために、ヘリコプターに乗り込んでサティたち一行を追跡していたのだった。ヤラは次第に心をひらいていった。サティたちが下山のために小グループに別れて準備を始めた頃、ヤラは歩けないので這いずって崖の上から投身自殺を遂げたのだった。 下山したサティたち一行を待ち構えていたのはアカ政府の監視員たちだった。アカ政府の飛行機はサティたち一行を首都に連れて行く。サティはエクーメン連合がもたらした新しい知識がの対価として、シロング山の知識(書物や語り)を受け取ることを進言する。エクーメン連合は現地社会に新しい技術的知識を与えるが、その使用法については介入しないという政策をもっている。アカでは、エクーメンによるファーストコンタクトの後、サティたちがやってくるまでの間、テラのユニストたちの訪問団がやってきて、対エクーメン対策を伝授したようであった。その影響下に高圧的な伝統的文化の破壊を行っていた。現地社会への介入はエクーメンのポリシーに反することになるが、そもそも、新しい技術を持ち込み、エクーメン連合への参加を求めることは、事実上の介入でもある。物語は、アカ政府とエクーメン使節団との交渉に向かうところで終わる。 この作品を読んでいて、思い浮かべたのは、ひとつは明治維新であった。まさに、明治政府はアカ政府であった。明治維新以降、和魂洋才を唱えるものの、廃仏毀釈やざまざまな地方文化を破壊してきた日本の状況はこの物語を見るようでもある。また、もっと一般的には、欧米諸国による世界の植民地支配であった。日本は、欧米諸国の植民地主義を学び、周辺諸国への侵略を進めたのであった。
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