天安門文書

張良(編者), 山田耕介(訳者), 高岡正展(訳者), アンドリュー・J.ネイサン, ペリーリンク

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2001/11/30
• JAN: 9784163581309

商品レビュー

2019/11/14

香港の情勢もあって参考の為に落手。
かなり早い段階で武力鎮圧を決心していた勢力"江沢民など)がいて、それを党の意思決定まで持っていくプロセスが、実に生々しく描かれている。
今般の香港の情勢(2019年)と対比させると、北京はこの6月4日の教訓、そしてSNSなどによる情報拡散(天安門事件当時は無かった)に対して注意深くコントロールしようとしていることがわかる。
安田峰俊さんの「八九六四」と合わせて読みたい一冊。

2013/08/26

89年の天安門事件の裏幕を中国共産党内部文書がすっぱ抜かれたとして話題になった本。圧倒的な迫力で約２ヶ月の動きが描かれます。趙紫陽が次第に追いつめられていく様、学生運動の盛り上がりが異常な状態になっていく様子、政治局常務委員会のメンバー及び８人の長老たちの会議でのそれぞれの発言が興味深いです。鄧小平、楊尚昆らの発言は趙紫陽擁護から次第に焦り、怒りへ。判断を間違った場合の情勢が悪化していく様子は当社でも同じです。そして江沢民のシンデレラ・ボーイの如き登場の謎は陳雲、李先念らの推薦という背景もやりとりが面白いです。この文書の真偽については論争があるといいますが、リアリティーは凄いです。

2010/04/10

目次

序　　文　「六・四」の教訓

まえがき　『天安門文書』とその価値

序　章　1986年‐89年春　危機の芽
第１章　4月8日‐23日　　学生運動始まる
第２章　4月24日‐30日　 4月26日付「人民日報」社説
第３章　5月1日‐6日 歩み寄りの兆候
第４章　5月6日‐16日 ハンスト
第５章　5月16日‐19日 趙紫陽の失脚
第６章　5月19日‐22日 戒厳令の発令
第７章　5月23日‐25日 激化をたどる対立
第８章　5月26日‐28日 江沢民抜擢の「御前会議」
第９章　5月29日‐6月3日 広場の排除に備える
第10章　6月4日 「血の暗殺」

エピローグ　1989年6月以後　中国の未来

あとがき　真偽判定を考える