インコは戻ってきたか

篠田節子(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社/
• 発売年月日: 2001/06/30
• JAN: 9784087745399

商品レビュー

2016/08/21

女性誌の編集者がキプロスに取材に行くが、同行のカメラマンが交代、おしゃれな旅の取材のはずが、トルコ系とギリシア系の住民の対立に…

総合職が始まった時期に総合職、というか、男性と同等の仕事を求められる職に就き、ロールモデルのないまま、『協力的な姑や夫に恵まれて』働き続け、甘えられる場所がない、ないと思っている人。なかなかしんどいよね。

2012/08/19

響子の日常への不満について引っ張り過ぎ。
樋山と打ち解けたくない状態を引っ張り過ぎ。
前半からガツンと入り込める作品ではなかった。
後半はテンポよく進んだが、まーどこにでもある話で、それをそれ以上に展開出来ていない感じ。
最後までキプロスやら地中海の地域に興味持てず。
個人的に篠田作品には期待値が高い為ガッカリ感で読了。

2011/01/28

タイトルではどんな内容かわからなかったが、これは弥勒、コンタクトゾーン、の系列に属する篠田作品であった。
いわゆる普通の日本人が、外国の紛争に巻き込まれる話。
前記の２作もそうだが、日本人には理解しがたい民族紛争をモチーフに小説を描くのはかなり困難であると思う。そういう意味ではとてもチャレンジングな作品だと思う。
しかしそれだけに、どこか紛争の経緯や人物説明に多くを費やさざる負えず、読むほうもやや、辟易してしまった。
個人的には好きな部類のジャンルであるし、前半から中盤ことさらゆっくりと流れる展開が不気味で、いまかいまかと緊迫感を孕ませながら、進めるところはさすがである。
物語的にはやはり、自分的傑作「弥勒」と比べてしまうのでイマイチかな。こういった作品を読むと、今まさに世界のどこかで起きている、国同士の紛争と、それに巻き込まれる一般の人々に注意が向く。まさにそういった意志をもった小説である。