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木村敏著作集(2) 時間と他者、アンテ・フェストゥム論 木村敏著作集第2巻
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 弘文堂/ |
発売年月日 | 2001/05/30 |
JAN | 9784335610226 |
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木村敏著作集(2)
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『時間と自己』(1982年、中公新書)のほか、『自己・あいだ・時間』(1981年、弘文堂)や『分裂病と他者』(1990年、弘文堂)などに収録された論考12編を収めています。「自己」の根源にある時間構造を解明することによって、分裂病(統合失調症)、鬱病、癲癇および躁病という精神疾患...
『時間と自己』(1982年、中公新書)のほか、『自己・あいだ・時間』(1981年、弘文堂)や『分裂病と他者』(1990年、弘文堂)などに収録された論考12編を収めています。「自己」の根源にある時間構造を解明することによって、分裂病(統合失調症)、鬱病、癲癇および躁病という精神疾患の三つの類型を性格づける試みがなされています。 『時間と自己』において、著者はまず〈もの〉と〈こと〉を区別することから議論を開始します。〈もの〉として対象化される以前の〈こと〉は、排除しあうことなくわれわれの意識のなかでかさなりあっていると著者はいいます。つづいて著者は、時間の構造について考察をおこないベルクソンやハイデガーの時間論を参照しながら、時間は「……から……へ」という拡がりをもつ「あいだ」として理解されるといいます。そして、われわれの自己は、「今はもう……でない」および「今はまだ……でない」の両方向へと開かれています。こうした過去と未来の両方向へと向かってみずからを開く「あいだ」が、われわれの自己の根底にある時間の構造だという。こうした時間構造の理解にもとづいて、著者は分裂病、うつ病、癲癇を、「アンテ・フェストゥム」「ポスト・フェストゥム」「イントラ・フェストゥム」ということばで表現しています。 『自己・あいだ・時間』と『分裂病と他者』では、ハイデガーや西田幾多郎などの哲学者の思想を手がかりに、上述の議論を理論的に深化させています。著者は、「自己とは、ノエシス的な差異化のいとなみが、それ自身との差異の相関者としてのノエマ的客体を産出し、逆にこのノエマ的客体を媒介としてそれ自身をノエシス的自己として自己限定するという、差異の動的構造のことである」と定義します。さらに著者は、このような自己差異化の動的な働きが、自己と他者の根源的な関係をつくり出していると論じています。 ハイデガーのばあいには、形而上学の解体を通して存在論的差異の解明がなされており、デリダのばあいにも差延は形而上学の脱構築の実践と結びついているのに対し、著者における自己差異化の原理としての「あいだ=いま」は、臨床経験に裏打ちされたものとして提出されています。ただしそのために、あくまで精神病の理解のための理論的仮説という位置づけを出るものではないといわざるをえないように思います。
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『自己・あいだ・時間』まえがき 分裂病の時間論―非分裂病性妄想病との対比において 時間と自己・差異と同一性―分裂病論の基礎づけのために 思春期病理における自己と身体 存在論的差異と精神病 内因性精神病の人間学的理解―「内因性」の概念をめぐって 『時間と自己』 『分裂病と他者』序 ...
『自己・あいだ・時間』まえがき 分裂病の時間論―非分裂病性妄想病との対比において 時間と自己・差異と同一性―分裂病論の基礎づけのために 思春期病理における自己と身体 存在論的差異と精神病 内因性精神病の人間学的理解―「内因性」の概念をめぐって 『時間と自己』 『分裂病と他者』序 あいだと時間の病理としての分裂病 他者の主体性の問題 自己と他者 離人症における他者 自己の病理と「絶対の他」 現象学的精神病理学と“主体の死”―内因の概念をめぐって
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