人と話すサル「カンジ」

スーサベージ・ランバウ(著者), ロジャールーウィン(著者), 石館康平(訳者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 1997/12/15
• JAN: 9784061542419

商品レビュー

2019/06/05

文字が小さくて読みにくく、分厚い本書。
これでも原書から1章丸々省いているっていう…

前置きが長くて要点が分かりにくい。
ボノボの研究に関する書籍は少ないだけにもったいない。

2017/01/14

類人猿言語研究の世界的リーダーたる著者が、ピグミーチンパンジー｢カンジ｣らの成長観察を通じ、類人猿の認知機構・コミュニケーションの有様から道具製作までを論じ、さらに、人類の言語・道具製作の知見を示そうとするもの。本書ではカンジらの知能や豊かなコミュニケーション能力が示され、特に、原初的な石器製作におけるカンジの創作力に私は驚かされた。一般に、1970年代中盤からは、類人猿の言語能力に否定的に見てきたが、これを一定程度覆す内容が示され、少なくとも、シンボル利用の意思疎通は類人猿でも可能と思われる。
ただし、｢カンジ｣らについて、やや擬人的な記述が見受けられるのは、少々残念。著者の解釈の押し付けは困惑するだけだからだ。むしろ、こういう場合、カンジの様子を撮影したＤＶＤを付録でつける方が読者の理解を得られるのではないか。
ただし、この本は、本当に面白いし、興味深い内容も含まれている。知的興奮も沸きあがってくる。また、特段の科学的な知識や数学的知識がなくても読める。多くの人にこのような本が読まれてほしいと、切に願う、