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逆軍の旗 藤沢周平珠玉選6
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逆軍の旗 藤沢周平珠玉選6

藤沢周平(著者)

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逆軍の旗 藤沢周平珠玉選6

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商品詳細

内容紹介 内容:逆軍の旗.上意改まる.二人の失踪人.幻にあらず
販売会社/発売会社 青樹社
発売年月日 1994/05/10
JAN 9784791308224

逆軍の旗

¥220

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2011/06/23

短編集だが比較的一話一話が長く、四話収録されている。 「逆軍の旗」と題された話しは、明智光秀が織田信長を本能寺にて撃ち果たす、その前後の彼の心理描写を極めて繊細に綴った話しである。 また、四話目に入っている「幻にあらず」は、上杉領が米沢に移ってからの困窮にあえぐ藩財政をなんとか立...

短編集だが比較的一話一話が長く、四話収録されている。 「逆軍の旗」と題された話しは、明智光秀が織田信長を本能寺にて撃ち果たす、その前後の彼の心理描写を極めて繊細に綴った話しである。 また、四話目に入っている「幻にあらず」は、上杉領が米沢に移ってからの困窮にあえぐ藩財政をなんとか立て直そうとする家臣・主君奮闘の物語だ。 この四話目の「幻にあらず」が素晴らしかった。 苦渋の決断の末新しい城主を迎えた後、古い体制に拘る家臣たちとの確執、何度も金策に追われながらも、藩建て直しに頑張り続けるが・・・ そうした中で何度も挫折や失望を味わううち、弱さと疲れに果ててゆく人間の。 最後、悲しいほど共感できる自分に驚いた(汗)。 もう、それらがたった80ページくらいの中に凝縮されていて、読み終わって感想はただ一言 「すごい・・・。」 以前「歴史秘話ヒストリア」(NHK番組)で、逼迫した藩建て直しをやってのけた君主のことを取り上げていたが、あぁこのひとのことだったのか、と思った。 この物語ではその傍に仕える優秀な家臣のことが良く描かれており、君主と手を携えて知恵を絞り、修羅場を渡ってゆくのである。 藤沢周平の書く話しは、今まで読んでいて地味でぱっとしないものが多いという印象だった。 だが、一つの物語を通して、ここまで人間の弱さや醜さ、強さも優しさも含めて読者自らが納得できる(まるで我がことのように、)身近に感じる人間像を描いてみせるというのは凄いと思った。 いやー「幻にあらず」、凄い。

Posted by ブクログ

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