赤い紙

ミゲルデリーベス(著者), 岩根圀和(訳者)

• 販売会社／発売会社: 彩流社/
• 発売年月日: 1994/01/15
• JAN: 9784882022824

商品レビュー

2019/10/25

☆☆☆2019年10月☆☆☆

定年退職したエロイ老人と、女中デシーととの日々を描いた物語。以前読んだ短編にしてもそうだが、スペイン文学は以外と悲哀を描いた小説が多い気がする。
この物語も、いつも「温もり」を求めていたのに一人、また一人と大事な人をなくしていく老人の悲しみが伝わってくる。デシーも、貧しい村に生まれ育ち都会に出てきた少女で悲しみを背負っている。
バリャドリードと思しき街が舞台。時代背景はスペイン内戦前後かな？国王の名がしきりに出てくるから内戦前だろう。

2007/05/06

わたしにはタバコの巻き紙に赤印が出たんだ。わたしの人生は残り5枚…。
カスティーリャの小都市を舞台に、妻と死別し、友人にも先立たれた、定年
退職後のエロイ老人の孤独感を、お手伝いの娘デシーとの日常生活を通じて
描く。