内なる目 意識の進化論 科学選書16

ニコラスハンフリー【著】, メルコールマン【絵】, 垂水雄二【訳】

• 販売会社／発売会社: 紀伊國屋書店
• 発売年月日: 1993/11/10
• JAN: 9784314006040

商品レビュー

2017/12/24

”内なる目”とは、自意識であり、他人の感情を類推することが人間の唯一の能力とする。
農耕の定着以来、共同体を築く人間にとっては、社会生活を営む上で進化せざるを得ない能力であった。
ただし、その類推能力も現代においては意識・無意識を問わず麻痺さ（せら）れる事が多く、他人と自分を隔てる文化がより広がりつつある。

なるほど、確かに意識を持ってる生き物は多いだろうが、他人の感情の類推というのは一部の霊長類のみが持つ能力かもしれない。
しかし、AIが進化しつつある時代において、まさしくAIが目指しているのはその”類推能力”だから、急激に人間とAIの境目が無くなりつつあるのかもしれない。
この本が書かれたころはまだ想像もできない進歩であろう。

文章が訳の問題だけでなく、2重否定や3重否定のような長い文章が多く読みにくいのが残念。面白いのだけど。