現代教育批判 現代教育101選36

斎藤喜博【著】

• 販売会社／発売会社: 国土社/
• 発売年月日: 1991/02/15
• JAN: 9784337659360

商品レビュー

2014/03/22

　タイトルが「批判」というくらいですから当然なのかもしれませんが、ここまで正面から、執拗に教育を批判している本も珍しいですね。所謂評論家や大学の先生のように現場を持たない人間ならいざ知らず、現職の校長でここまで言い切ったのは立派です。

　雑誌の連載や単発の原稿を集めて本にしたせいか、同じような言い回し、批判が繰り返し何度も出てくる印象があります。中には受け取った手紙を全文引用したり、今時であればホームページやブログで展開されるであろうことを、思いっ切り書籍の中でやってしまっているのは、絶賛と同時に反発も相当あったのではないかと想像されます。（1966年3月10日初版発行）

　私が気に入ったのは、この一節。
　p.146　「（略）いま学校教育に必要なことは、教科や教材内容の精選をはかることである。もっと教科や教材内容を精選し、単純化をはかり、重要な原則的なものだけを扱うようにすることだけだである。」

　まさにその通り。21世紀の現代に通じる名言です。

　p.118　「いまの時点のなかで、早急につくり出さなければならない二番目の問題は、教授学および授業展開の一般的法則をつくり出すことである。」

　う～ん、この部分が、斎藤先生のもっとも嫌うところの形式的に引き継がれてしまったんだなあ。残念。