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ことばの履歴 岩波新書188
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1991/09/20 |
JAN | 9784004301882 |
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ことばの履歴
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最近今野真二さんの『消された漱石』という本を読んでいて、その中で漱石の使った「三馬」は決して漱石の編み出した当て字ではなく、江戸時代からの用法であることを山田俊雄さんが『詞林逍遙』の中で述べているとあったので、急に山田さんの本が読みたくなったが、買ってあったのは本書と『詞林閑話』...
最近今野真二さんの『消された漱石』という本を読んでいて、その中で漱石の使った「三馬」は決して漱石の編み出した当て字ではなく、江戸時代からの用法であることを山田俊雄さんが『詞林逍遙』の中で述べているとあったので、急に山田さんの本が読みたくなったが、買ってあったのは本書と『詞林閑話』だった。以前は拾い読みをしてもそんなに感動はしなかったが、今回読んでみて、一つ一つの話は短いものの、どれも蘊蓄が深く、考えさせられるものが多かった。その文体は決して易しいとはいえず、時に難解ではあるが、どれも味わい深い。たとえば、「停車場」は、ていしゃじょう、あるいはていしゃばと読まれており、当時「駅」はまだ宿場、駅馬車の駅のような意味だったとか、「町人」は現代ではちょうにんとしか読まないが、かつては「まちにん、まちうど」のような読みがあったとか、「粉薬」はかつては「こぐすり」と読んでいたとか(これはぼくも記憶がある)、言語の変化に対するするどい観察が全書を通して見られる。ぼくも、毎月辞書について書いているが、こんな味わい深い文を書けるようになりたいものだと思った。本書を読むのと平行して、山田さんの著書をまとめて買ってしまった。
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