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戦国遺文(後北条氏編 第1巻)
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戦国遺文(後北条氏編 第1巻)

杉山博, 下山治久【編】

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戦国遺文(後北条氏編 第1巻)

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商品詳細

内容紹介 内容:明応4年(1495)~永禄7年(1564)
販売会社/発売会社 東京堂出版
発売年月日 1989/09/30
JAN 9784490304275

戦国遺文(後北条氏編 第1巻)

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2011/02/04

戦国遺文の刊行開始である後北条氏編第一巻である。戦国時代の幕開けとされる明応の政変に連動して、伊豆堀越公方茶々丸を攻めた北条早雲こと伊勢宗瑞。本巻の一号文書は残念ながら2年後の明応四年からだが、戦国遺文の開始としては誠に相応しい。 余談だが、寧楽、平安、鎌倉ときて、南北朝遺文刊行...

戦国遺文の刊行開始である後北条氏編第一巻である。戦国時代の幕開けとされる明応の政変に連動して、伊豆堀越公方茶々丸を攻めた北条早雲こと伊勢宗瑞。本巻の一号文書は残念ながら2年後の明応四年からだが、戦国遺文の開始としては誠に相応しい。 余談だが、寧楽、平安、鎌倉ときて、南北朝遺文刊行開始しばらくして本戦国遺文が開始されたのだが、鎌倉までが年別、南北朝からが地域別の年別となったのに対して、戦国は家わけの年別となり、しかも室町をスキップしての刊行である。これは文書の重複や網を抜ける可能性もあるためフライングではないかと思ったが(笑)、各シリーズの巻数が数倍づつ増加しているため、室町はゆうに百巻を超えると思われ、待ち切れなかったのでしょうね。(笑) 収録文書は第一巻で宗瑞(早雲)、氏綱、氏康晩年近くまであり、相変わらず戦国初期の古文書残存数は少ないようだ。 だが、内容としては興味深いものが揃っている。氏綱→長尾為景、氏康→伊達晴宗など遠交近攻を思わせる文書が多かったり、氏康→古河公方、氏康→太田資正など関東での微妙な政治関係を窺わせる文書もあったり、はたまた氏邦の「上杉憲政と長尾景虎を撃退しました」など勝利を語る書状をはじめ越後上杉謙信との一連の抗争を物語る文書があったりと大変面白い。 特に、氏康が織田信秀に送った書状では「今川義元と和議をしたけど、やっぱ信じられないよね」とあるのは本音か偽装かはわからないが戦国外交の一端が覗え興味深い。 また一般に名将・名政治家として知られる氏康だが、父親の氏綱が氏康へ贈る五箇条の訓戒が所収されていてこれもなかなか興味深い。 駿河に出陣した氏康に対し、今川後詰として武蔵・河越城を包囲した上杉憲政をはじめとする両上杉・古河公方連合軍。駿河から取って返し、見事、河越夜戦にて大勝利した氏康が、妹婿で主筋として持ち上げてきた古河公方・足利晴氏に対し、「君子が逆道をはたらくとは何事か!」と叱りつけているのは、苦しめられた氏康の心中が察せられるとともに、大いに面目を施し、政治的な関係を確認できる文書として一見の価値がある。 だが一番のお薦めは(笑)、超有名文書である早雲こと宗瑞が語る自らの出自であろう。お屋形様である今川氏親と三河に出陣した宗瑞。小笠原氏へ送った書状の中で、「お宅のところの関さんは実は同じ名字でして、伊勢国関というところにいたときは関と名乗っていたんですよね。いってみれば親戚なんですよ」と言っている。果たしてかつては下剋上の典型といわれた北条早雲はどこからきたのか?ってな話である。 本巻の巻頭には後北条氏の朱印で有名な虎の印「禄寿応穏」の写真付き。なかなかいいんだなあ。(笑) ところで戦国シリーズであるが、その後がなく、後北条氏編で終わりかい!?と思っていたら、またしばらくして、甲斐の武田氏編、古河公方編、近江の佐々木六角氏編が続々と刊行完結され、現在、房総編、今川氏編が刊行途中となっている。もうこうなったら次は土佐の長曾我部氏編とか伊勢の北畠氏編、公家編などを出して欲しい!どこまでもついていきます!(うそ!だって値段が高過ぎ!)(笑)

Posted by ブクログ

2004/11/04

鎌倉遺文・室町遺文に続く戦国遺文の第一弾は後北条氏編。後北条氏研究にはもちろん、関東戦国史、今川・武田・上杉氏などの研究にも欠かせません。

Posted by ブクログ