有夫恋 おっとあるおんなのこい

時実新子【著】

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞社
• 発売年月日: 1987/12/15
• JAN: 9784022557971

商品レビュー

2023/08/17

川柳を学びはじめてひと月が過ぎ、やっと読めた一作。
先生の先生の本。
最初の教室で薦められて、探していた本。
当たり前だけれど、短い言葉を選びに選んで書かれた一場面がひたすらに並ぶ。
それがさり気無い場面であるのに深く日常に根差す憎しみや憐憫に溢れた描写だったり、どこか不思議な風景のなかにとりかえしのつかない（手の届かないところに投げるよう）心の在りようを描いていたり。
読んでいるとひたすらひとりの女の凛々しく悲しくつよい背中が見える。
読みえ終えるのに時間がかかるのも仕方ないほどの濃い一冊で、何度も読み返す句がいくつもいくつも。
図書館で借りたのだけれど、これは読み返すように一冊買おうとこころに決めました。

2019/11/17

おんな笑む不倫だから恋がある
【内容】
川柳の与謝野晶子と呼ばれることもあるらしい作家の、年代に沿った選句集。
【感想】
これは凄い。いい句あったら書き抜こうとか思ってんやけど本を入手した方が早い。ほとんどすべての句が傑作やと思う。CMとか映画のキャッチコピーとかに使えそう。常に読み返す愛読書にする人も多そうだ。
この人つねにひりひりしたもんがほしいんやろなと感じる。川柳だけに軽さもありつつ怖さもある。凄いよね「男の洗う女の墓が炎えてくる」。
上下上下と読んでくのが普通かなとおもうけど上だけ下だけと読んでみるとちょっと印象が違うような気もする。気のせいに違いないが下だけの方が不吉な気分もしないでもない。
好きか嫌いかと言えばそう好きでもないと答えると思うけど凄さが減じるわけではない。

2017/08/25

川柳に対するイメージが覆った作品。衝撃的でした。「なまごろしのわたくしが生きて万才」「凶暴な愛が欲しいの煙突よ」