イオラと地上に散らばる光 の商品レビュー
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前作『ラブカは静かに弓を持つ』とは今回あらすじから毛色が違うなと思いつつも、前作がわたしは好きすぎるので期待して読んだ。 そう、期待しすぎた… ラブカはあんなに読了感も良くて、登場人物たちが魅力的で、文章もかみしめながら読みたくなるような、曇りない夜空のような作品だったのに、今作はぜんぜん違って安壇さんの引き出しの多さは素晴らしいんだけどまだラブカ読んだ時みたいな気持ちを味わえるのかと期待しただけに… アゴラという現実でいうXのようなSNSに対する社会派サスペンスのようなストーリーで、バズることに重きを置き過ぎた登場人物を見て自分自身も他人事とは思えず気持ち悪いような恐ろしいようなモヤモヤした気持ちになりながら読んだ。 でもイッセーも岩永も、Xに踊らされすぎみたいに描かれてたけどこれが仕事で毎日毎日それを考えなきゃいけないなら仕方ないよなあ。
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ワンオペ育児で追い詰められた母親が、赤ん坊を抱っこ紐で帯同したまま、夫の上司を刺した事件をWEB記事に載せたリスキー編集部の岩永。 事件の異常さと母親の名前にインパクトがあったせいか、イオラ事件としてSNS上でイオラ擁護派と否定派で論争が過熱する。 盛り上がりが続くよう新たなネ...
ワンオペ育児で追い詰められた母親が、赤ん坊を抱っこ紐で帯同したまま、夫の上司を刺した事件をWEB記事に載せたリスキー編集部の岩永。 事件の異常さと母親の名前にインパクトがあったせいか、イオラ事件としてSNS上でイオラ擁護派と否定派で論争が過熱する。 盛り上がりが続くよう新たなネタ探しに奔走する岩永だが…。 イオラ事件のことを詳細に突っ込んでいく内容かと思っていたが、岩永が家庭持ちで彼こそワンオペ育児に疲弊している妻を助けることが無いという、なんとも嫌な奴だった。 彼の最後を想像すると怖くなった。 WEB記事にも旬があり、次々と新しいネタが出てくるわけで、それは秒での戦いなのかもしれない。 現代にしかないSNSの情報の過多に惑わされてしまいがちだが、何が自分にとって必要なのか考えなければ無限ループの渦に巻き込まれてしまう。
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ワンオペ育児に疲れはてた母親が夫の上司を刺す。 なんて衝撃的な事件だろう。 ショッキングなニュースに沸くSNSが、今の時代を表していてなんだか切なくなった。 岩永の一見愛想のいい感じもすごく怖かったし、ウェブニュースの新鮮さにばかり追う姿も痛々しい。
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保険や年金の問題、イオラと不可思議な傷害事件、芸能ニュース。一見身近でセンセーショナルに見える事案が洪水のようにネット社会を流れていく、その中で見え隠れする狂気が語られたような物語だったと思います。日常の闇が精緻に描かれて、また、先を読ませない展開に好印象読了しました。私個人とし...
保険や年金の問題、イオラと不可思議な傷害事件、芸能ニュース。一見身近でセンセーショナルに見える事案が洪水のようにネット社会を流れていく、その中で見え隠れする狂気が語られたような物語だったと思います。日常の闇が精緻に描かれて、また、先を読ませない展開に好印象読了しました。私個人としては少し肩が凝ってしまったように感じましたが、面白い内容と思います。星3つといたしました。
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イオラの視点が何ひとつ描かれないまま終わり、それが今の世の中だということにちょっと目を背けたくなるけれども、よほど気をつけていないと誰でもイオラになりうるしイオラを生み出してしまいうる。
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ワンオペ育児に疲弊し追い詰められた母親萩尾威愛羅(イオラ)が自分の子どもを抱っこ紐で抱えたまま夫の上司を刺した。 この一文の前半部分はよく目にする状況だ。けれど、その後半の異常さと、そして容疑者の名前の異質さからネットで注目を集める。 ワンオペ状態に追い詰められた母親への擁護派の共感、と否定派の攻撃が論争を巻き起こす。 けれど、そもそもその論争を巻き起こした、最初の投稿は誰によるものなのか。 ネットでの炎上は日常茶飯。みな目を皿にして炎上ネタを探す。どこかに火種を見つけたらよってたかって油を注ぎまくる。そして燃え盛った途端、次のネタへと移っていく。けれど、油を注ぎ続ける者も、もしかすると明日燃やされる側になるかもしれない、というあやうさが常にあるのがネットというのの。 だれが、最初にネタを投げ込んだのか。それは根拠のあるものなのか。 イオラ事件を軸に、炎上を起こす者とそれに巻き込まれる者、そして明日の当事者をあぶりだす。
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現実としてある、現代社会そのものだと感じた。 他人に起きた出来事を娯楽として、ただただ消費する人々。どのような出来事でも、人々に注目されるのであれば、手段を選ばずコンテンツを制作する人々。 他人の投稿や動画を見て時間を消費する。無駄であることは理解していてもやめられない。刺激を求めている。バズっている出来事を知らずにはいられない。一瞬で変化する時代の流れに置いていかれたくない。 芸能ゴシップであっても、事件であっても、自分には無関係のことでも、何もかもが人々のたった少しの時間を消費し、脳に刺激を与えるためだけのコンテンツとなってしまう。きっとそれは事実でもそうでなくてもなんでもいい。拡散されていくうちに、いつの間にか勝手な物語が作られてしまい、人々の間には共感や分断、対立が生まれる。 この本はその恐ろしさを描いている。ただ、私も含め、多くの人は無自覚のうちにその世界の一部となる。そして、それが世界のすべてだと思ってしまう。何気なく呟いたたった一言。身内で楽しむためだけのコンテンツ。それがどれだけ大きな何かを生んでしまうのか。SNSの、そしてそれに操られる人間の怖さを実感する一冊。
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前作「ラブカは静かに弓を持つ」が本屋大賞2位そして新作、待ちに待ってました。今作は前作に比べてまったく違った趣きの作品だと思います。SNSを駆使した現代のミステリーと感じました。イオラが抱っこひも抱えたまま夫の上司を刺した。何ということであろうこれからの展開が気になってしょうがな...
前作「ラブカは静かに弓を持つ」が本屋大賞2位そして新作、待ちに待ってました。今作は前作に比べてまったく違った趣きの作品だと思います。SNSを駆使した現代のミステリーと感じました。イオラが抱っこひも抱えたまま夫の上司を刺した。何ということであろうこれからの展開が気になってしょうがない、テーマが現代社会の暗闇という感じがします。 あなたも読んでこの異色作を何か感じで下さい。
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