世界はきみが思うより の商品レビュー
ある理由で他人が作った料理を受け付けられない高校生の冬真は、近所に住む同級生の時枝くんと、とある出来事をきっかけに仲良くなる。 一方、国際交流プラザで働く紗里は、「太ることへの嫌悪感」を抱えていた。自分がスマホで撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、マッチング...
ある理由で他人が作った料理を受け付けられない高校生の冬真は、近所に住む同級生の時枝くんと、とある出来事をきっかけに仲良くなる。 一方、国際交流プラザで働く紗里は、「太ることへの嫌悪感」を抱えていた。自分がスマホで撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、マッチングアプリで会社員の水田と出会い…。 寺地さんの作品を2冊ほど飛ばしてしまい、久しぶりの寺地作品。 私の好きな『ほたるいしマジカルランド』が出てきたり、美味しそうな料理が出てきて頰がゆるんでホッコリしたり、冬馬や紗理などの若者たちを応援したくなったり、彼らの親たちにイライラしたり、ココロがいろいろな感情でいっぱいになった。 最後は前途多難な気はするが、羽ばたく冬馬と時折くんに幸あれと温かな気分で終わった。
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高校生の香川冬馬(とうま)は、特別仲の良い友人がいるわけでもなく、周囲に溢れる多様性への寛容さや垣間見える排他的な空気に馴染めないでいます。そんな彼が同級生の時枝くんとその妹に出会います。食べることをキーワードに、関係する人々とのやりとりを通じて考え成長する物語だってと思います。...
高校生の香川冬馬(とうま)は、特別仲の良い友人がいるわけでもなく、周囲に溢れる多様性への寛容さや垣間見える排他的な空気に馴染めないでいます。そんな彼が同級生の時枝くんとその妹に出会います。食べることをキーワードに、関係する人々とのやりとりを通じて考え成長する物語だってと思います。十代の人達にも、その親世代にも、読んで面白い内容と感じました。ちょっと良い話すぎるなとも感じてしまい、星3つといたしました。
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人が作った料理を食べれれなくなった冬真。きっかけは父親だった。 いつも寺地はるなの作品に対して心があたたまる、泣いた、といったとても良いレビューが多いのにそう感じられない自分が冷たい人間に思える。私が捻くれてるだけで、いい作品だと思う…
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最後のページを読んで、涙が出た。 不安なような寂しいような、けどほんのりと幸せなような。 『世界は、きみやわたしが思っているより、悪くないのかもしれないよ。」 ほんとうにそう思えるお話だった。
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久しぶりに本を読んで泣いた。誰を好きとか、誰が大事とか、どう生きるとか本当はもっと単純で簡単なことなのかも知れないけど、それでも難しいと思い生きづらさを感じる人もいる。人の感情や気持ちってその時々でも、相手や場面でも違うからひとつには括れないのに。時枝くんの両親も冬馬の父も酷いと...
久しぶりに本を読んで泣いた。誰を好きとか、誰が大事とか、どう生きるとか本当はもっと単純で簡単なことなのかも知れないけど、それでも難しいと思い生きづらさを感じる人もいる。人の感情や気持ちってその時々でも、相手や場面でも違うからひとつには括れないのに。時枝くんの両親も冬馬の父も酷いと思う。例えそう言う風にしか生きられなくても。冬馬の母の言葉と愛情にほんとに泣けた。大事な存在だからこそ唯一の生きがいにしたりしがみついたりしちゃいけない、正にそう。みんなの見上げる空が美しく、気持ちのいい風が吹いていることを願う。
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ハートウォーミングな寺地さんの世界。心に抱える迷いや悩みそしてさまざまな生き方を描く連作短編。ふとした出来事や理由で世界に対する信頼を失った彼たちが、大事な人とともに前を向いて歩いていく。世の中の普通とは違っても今を大事に刻む清々しさを感じた。親が子に対する思いにはじわっと泣きそ...
ハートウォーミングな寺地さんの世界。心に抱える迷いや悩みそしてさまざまな生き方を描く連作短編。ふとした出来事や理由で世界に対する信頼を失った彼たちが、大事な人とともに前を向いて歩いていく。世の中の普通とは違っても今を大事に刻む清々しさを感じた。親が子に対する思いにはじわっと泣きそうになった。良い作品だった。
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とても良かった。みんな少し難しい人生なのだけれども、恋人や子供を大事に思う気持ちは誰もが一緒で本当に優しくて、あたたかい気持ちになった。
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「オムレツ、あるいは」 「木曜日のサンデー」 「プウンドケーキ」 「恋とレモネード」 「チョコレートサンドイッチと未来」 「ピクニックバスケットの歌」 6話収録の連作短編集。 切なくて苦しくて、でも愛を感じる作品だった。 父親がとったある行動のせいで、他人が作った料理を受け付...
「オムレツ、あるいは」 「木曜日のサンデー」 「プウンドケーキ」 「恋とレモネード」 「チョコレートサンドイッチと未来」 「ピクニックバスケットの歌」 6話収録の連作短編集。 切なくて苦しくて、でも愛を感じる作品だった。 父親がとったある行動のせいで、他人が作った料理を受け付けなくなった高校生の冬真。 両親と別々に住み難病の妹と叔母と三人で暮らす時枝くん。 マッチングアプリで知り合った水田と紗里。 登場人物は皆、心に空洞を抱えている。 世の中は時に残酷だが彼等が彼等の心に従って前へ進めた事に安堵する。 この世界はきっと少し優しい。
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寺地先生の作品、やっぱり素敵ですね。 それぞれ悩み生きづらさを抱えながらも、日常を乗り越えて行こうとする登場人物達が、現実に隣にいる人のように感じました。私も自分の事を大事にしながら明日からも頑張るよ、と伝えたくなります。 ほたるいしマジカルランドが出てきたりと小技も効いていま...
寺地先生の作品、やっぱり素敵ですね。 それぞれ悩み生きづらさを抱えながらも、日常を乗り越えて行こうとする登場人物達が、現実に隣にいる人のように感じました。私も自分の事を大事にしながら明日からも頑張るよ、と伝えたくなります。 ほたるいしマジカルランドが出てきたりと小技も効いています。装丁のイラストのモノ達にも笑顔になりました。 一気読みでしたが、また必ず読みかえす1冊です。
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多様性の時代とは言うけど、まだまだ世界は等しく優しいわけではない。期待すれば傷つく、ならばと信じることを諦めた。その経験が自分にもあるから、あるセリフがとても刺さる...涙。 1人なのか誰かと築くのかは分からないけど、自分の周りの小さな世界。それをゆるやかに愛せたならいいなと思っ...
多様性の時代とは言うけど、まだまだ世界は等しく優しいわけではない。期待すれば傷つく、ならばと信じることを諦めた。その経験が自分にもあるから、あるセリフがとても刺さる...涙。 1人なのか誰かと築くのかは分からないけど、自分の周りの小さな世界。それをゆるやかに愛せたならいいなと思った。 先の未来は分からないけど、明日の天気は晴れだよ青い空が広がってるよ というような寄り添い過ぎず、過剰でなく、少しの希望を見せてくれる寺地さんの作品が好きだ。
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