I の商品レビュー

道尾秀介(著者)

2025/12/08

　帯に挙げられた『N』は、全六章をどの順で読んでもよいというコンセプトだったが、6!=720通りのうち1通りしか読んでいない。本作『I』は、全二章をどの順で読むかによって結末が変わるという。読み方はたった2通りしかない。

　本作は、二つの章が上下逆転して印刷されており、どちらの章も本のほぼ中央から読み始めることになる。そのため、巻頭に置かれた約束事を読んでおらず、読み終えた後に早とちりしてしまった。約束事に注意して、読み返してみると…。

　二つの章は、それぞれ物語として完結しているし、どちらも重い。ネット上にネタバレを公開しないようにとのお願いが載っているが、自分が読んだのは多くの人が命を失う順番だったことは書いてもよいだろう。なかなかきつい後味だった。

　自分は読み終えた直後、どちらから読んでも結果は同じなのではないか？？？　と思ってしまったが、読み返すうちに巻頭の約束事を事後に見つけた次第である。そして該当箇所を発見したが、これは正直気づきにくいのではないか？

　最初に巻頭の約束事に目を通し、なおかつ理解が早い読者ならば、読み終えて驚愕できるのかもしれない。自分のようなそそっかしい読者が、最初に巻頭の約束事に目を通していたとしても、やっぱり驚愕はできなかった気がする。

　とはいえ、このような仕掛けを思いつき、実践したことは称賛に値する。誰もがスマホを手放せない現代。『いけない』シリーズでは画像を、『きこえる』では音声を活用し、本作では紙の本ならではの挑戦をした作家、道尾秀介さんに拍手を。

　中年読者が鈍った頭なりに考えた結果、おそらくこういうからくりかなあという結論に至ったが、ここに書くわけにはいかない。ちなみに、自分が検索した限り、ネタバレ考察は見かけなかったので、皆様真面目に守っているようである。

　今後の文庫化も考えれば、当分自由なディスカッションはできないか。『いけない』シリーズのネタバレ考察も、本当はしてほしくなかったかもしれないが。

2025/12/08

久々にしっかり頭使って読んだ。読み終わってから今一度メモᝰ✍︎꙳⋆して声出た！
わたしは沢山人殺した方でした。
面白かった。色んな人と話したい笑

2025/12/07

ところどころの仕掛けやキーワードのつながりを理解したとき、なるほどなぁと声をあげた。ちなみに私が読んだ順番だと、絶望的な終わり方だった。どっちの話も暗いのだけど、仕掛けを抜きにして、どっちの話もそもそも面白く、単体でミステリーとしてよくできているため、夢中になって読んだ。
しかし2作目を読むと、どう繋がるのか考えながら読むので、立体的な面白さが出来上がる。『N』は実は未読で、読んでみたいのだけど、この本は中編2作なのがとっつきやすい。
もしかしたらまだ気づいていない仕掛けがあるのかも…。本にしかできない楽しみだと思う。

2025/12/07

ネタバレなしに感想を書くのが難しい…
私が読んだ読み方は比較的明るい終わり方だった。

これって、反対に読むと、時系列とかまた変わって感じられるのかな？

色んな意味で面白いけど、道尾らしく、そこはかとなく暗い話だった。

2025/12/08

道尾秀介さんの作品は初めて読みましたが
こんな小説もあるのかと驚きました。
冒頭にネタバレ禁止ともとれる文が書かれているので
どこがどうとは言えないですが読む順番はもちろんの事、
人によって読了後の感想が変わってきそうです。
『N』も読んでみたくなりました。

2025/12/07

2日で読了
全てが繋がっていて、面白い。
少ししたら、こんどはこちらから読もう。
でも色々考えすぎて時間軸分からなくなった(笑)

2025/12/07

読み終わったあと、えっ？どういうこと？？となり、自分の頭を整理してノートに書いたり、読み返してみたら意味が分かりました。なるほど、よくできてる！道尾さん頭良すぎません？

読んだ人と感想語り合いたいタイプの本ですね。すごく面白かった！

仕掛けもいいですが、話自体が暗いけど好きです。久々にがっつり頭を使って読書しました。

2025/12/07

10円玉で削って出た方から読み始めました。どっちでも成り立つようにしてあるため、難しいところがあるけど、よくできてるなあと思いました。
上手い！！

2025/12/05

読む手が止まらず面白い作品だった
赤い傘がトリガーになる
ゲオスミン
ペトリコール
ちゃんと意味があって雨の匂いと降った後の匂い
そして雨はやまないと降らない
これが物語がどちらから読んで良い意味とかけてある
私はこの作品のIがシンメトリーになっていて素敵な作品と感じた

2025/12/05

すごい衝撃を受けた読書体験でした。
正直ずっと帯にある自分は殺す側になるのか救う側になるのか分からず、不安な気持ちにもなりましたし、展開が読めない中でずっと読んでいました。
｢N｣も凄かったけど、｢I｣も衝撃的でした。