エピクロスの処方箋 の商品レビュー
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フォローしている、にゃごさんの感想の中に「大賞かも」という一文を読んで、これは早めに読みたいと思い図書館リクエストを待ちきれず、買ってしまった一書。 そして、私も今年の大賞だと思いました!! それまで、朝井さんの『インザメガチャーチ』を推してましたが、『エピクロス』の方が希望と哲学がありました。今の時代や「今、この時」に受賞する意味や意義が大きい気がしました。 ひっそりと感謝しています。 『エピクロス』が面白くて、一章の途中から前作の『スピノザ』をオーディブルで聴読するという、同時進行中。 『スピノザ』はラストの4章に入りましたが、『エピクロス』から読んでも全然わかるし、シリーズ本なので、どちから読んでも絶対面白いと思う。 またオーディブルの朗読のおかげで、『エピクロス』の登場人物のセリフが、朗読の声で浮かび上がる感じがして、小説を聴くと読みやすくなりました。 またBSのテレビ東京の『あの本、読みました?』をTVerで昨年から追いかけているが、夏川さんが最近登場していて、現役医師が書いてるんだとか、昨年の『禁忌の子』の山口未桜さんのヒット作もあって、色々読みやすい下準備がありました。 なぜ大賞だと感じたかというと、1番の理由は、小説として成功していると感じたから。医師不足の問題、医師の倫理の問題、終末期医療、医療をするということ自体の大きな行為そのものこと(二元論も含めて)、など多岐に渡り、それを登場人物のやり取りですごく「そうだ、そうだ!」と思うセリフを言わせています。 番組で夏川さんのシーンを観ていたので、「普段感じているんだろうな」と凄く勉強にもなりました。そして『エピクロス』の方が、より言いたいことを言っている印象でした。 だからブクログでも『エピクロス』の方が点が高いのは、私も納得。どちらも面白いですよ!『スピノザ』の方が短いです。 そして『エピクロス』では、例えばAと Bの掛け合いで、 Bの行為や考え方が悪いことをAから言われたりして、 Bが悪い人物として物語が進むと思いきや、 Bと Cの掛け合いの中で、「なぜ Bがその行動や考えにいたったか」がわかり、必ずしも Bが悪くないなとすぐ修正できます。 つまり、小説の中に色んな意見が共生しながらも、それでも夏川さんの医療の考えが、主人公のマチ先生から語られる技法は、本当に面白くてすぐファンになりました。第三弾も期待。 『スピノザ』は映画化が決定してたので、とても楽しみ。 人を救うのは、医療ではなく、人。 「法自ずから弘まらず人法ともに尊し」という言葉があるが、それがまさに書かれている大好きな一書になりました。 『エピクロス』書いてくださり、ありがとうーーーー!!!と、読了後に心でシャウトしました笑 本屋大賞発表前に読めてよかった。今から発表前に予想できる時間もまた楽し。
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人が人を大切に思う優しさに、命の儚さと生きる強さに、じわーっと涙がでた。 「世の中には治せない病気が山のようにある。けれども癒せない哀しみはない」秋鹿先生ーー!! 努力によって変えられるほど脆弱ではない世界、理不尽で強固な世界のなかで、なにができるかと考え続ける。ちょっとした言葉...
人が人を大切に思う優しさに、命の儚さと生きる強さに、じわーっと涙がでた。 「世の中には治せない病気が山のようにある。けれども癒せない哀しみはない」秋鹿先生ーー!! 努力によって変えられるほど脆弱ではない世界、理不尽で強固な世界のなかで、なにができるかと考え続ける。ちょっとした言葉かけ、大変な時に気にかけること、暗闇に灯りをともすことで心が救われると感じる。 料亭「蛍屋」女将の鋭い機転と言葉の爆弾は京都ならではなのか。いろんなタイプの人がいて、お互いに関わりあっていて、この世の中はなんやかんやで苦しい中に楽しさがある。足下の花に目を向けること、大事。
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やっぱりいいねえ…! 命を扱う作品は重たくなりがちだけど、主人公をはじめ登場人物たちの人柄が素敵で、その生き様も自然と(厳しくもあるけど)ほんわかする。 医療倫理みたいなものは考えても考えても答えが出ないけど、読みながら2年前に祖父を自宅で看取った経験を想起させられて温かい気持ち...
やっぱりいいねえ…! 命を扱う作品は重たくなりがちだけど、主人公をはじめ登場人物たちの人柄が素敵で、その生き様も自然と(厳しくもあるけど)ほんわかする。 医療倫理みたいなものは考えても考えても答えが出ないけど、読みながら2年前に祖父を自宅で看取った経験を想起させられて温かい気持ちになったなあ〜
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自分も医療を齧っているため、それありきで読んだ。マチ先生を通して、人には様々な人生があるということ、無力は不幸ではないということ。いろんなことを教えてくれた。医療は絶対なのではなく、あくまで方法にすぎない。 登場人物が多く、誰が誰だかわからなかったが、物語が進むにつれて自然にわ...
自分も医療を齧っているため、それありきで読んだ。マチ先生を通して、人には様々な人生があるということ、無力は不幸ではないということ。いろんなことを教えてくれた。医療は絶対なのではなく、あくまで方法にすぎない。 登場人物が多く、誰が誰だかわからなかったが、物語が進むにつれて自然にわかるようになった。 今年の本屋大賞候補の中では一番面白いと思った。
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読み始めてすぐに穏やかな気持ちに包まれる。そうだった。この世界に戻ってこれた安心感。 マチ先生の言葉は難しいけれど、自分を否定されている感じは全くしない。 エピクロスの『快楽』は不快や不安を遠ざけた、快く安心できる状態でいわゆる『愉悦』ではないことだそう。 つい生活が充実していな...
読み始めてすぐに穏やかな気持ちに包まれる。そうだった。この世界に戻ってこれた安心感。 マチ先生の言葉は難しいけれど、自分を否定されている感じは全くしない。 エピクロスの『快楽』は不快や不安を遠ざけた、快く安心できる状態でいわゆる『愉悦』ではないことだそう。 つい生活が充実していなければ、とかイベントを作って交友関係を楽しまなければ、自分は足りないのではないか⋯とか焦ってしまうこともあるけれど、それよりも『安定』に心を向けると、自分の状態も違って見えてくる。 それがマチ先生からもらえた処方箋なのかも。 登場人物がみんな魅力的で、京都の街並みも出てくる人たちも美しい。特に御鎌餅のエピソードが良かった。そんなふうに人を思いやる心を遺したい。
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読み進めるうちに、驚くほど心が洗われていくのを感じた。 人は生きている限り、いつどこで予期せぬ不幸に見舞われるか分からない。そんな理不尽を前にした時、人間がいかに脆い存在であるかを痛感させられる。しかし、その弱さを抱えたまま絶望しなくていいのだと、この本は優しく語りかけてく...
読み進めるうちに、驚くほど心が洗われていくのを感じた。 人は生きている限り、いつどこで予期せぬ不幸に見舞われるか分からない。そんな理不尽を前にした時、人間がいかに脆い存在であるかを痛感させられる。しかし、その弱さを抱えたまま絶望しなくていいのだと、この本は優しく語りかけてくれる。 本作の魅力は、安易な解決策を示すのではなく、迷いの中にいる読者を包み込んでくれるような、温かさがある点だ。辛いことがあっても、再び前を向いて歩き出すための「心の持ちよう」を、物語がそっと支えてくれる。 登場人物たちも非常に魅力的で、それぞれの意志を持って生きる姿に深く没入できた。これから先の人生で困難に直面したとき、ふと思い出したくなるような、文句なしに素晴らしい一冊だ。
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スピノザの診察室の続き! 相変わらず素敵な物語の世界だった! 登場人物や物語の世界がすごく想像できた そして雄町先生も花垣先生もそれぞれ素敵な人柄、考え方で惹きつけられた スピノザの診察室から実写化して欲しい やっぱり夏川草介先生の本タイプ! 新しくタイプの作家さんを発見できて嬉...
スピノザの診察室の続き! 相変わらず素敵な物語の世界だった! 登場人物や物語の世界がすごく想像できた そして雄町先生も花垣先生もそれぞれ素敵な人柄、考え方で惹きつけられた スピノザの診察室から実写化して欲しい やっぱり夏川草介先生の本タイプ! 新しくタイプの作家さんを発見できて嬉しい☺️
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京都の風景が見えてくるよう。 龍之介君、素直にまっすぐ成長していた。 変わらず マチ先生 いいな。 先日、地域医療に力を注いでいる この地域のDr.と言えば!という先生の講演会に参加してきた。私が想像するマチ先生とは違う雰囲気の先生でしたが、心強いなと思わせる先生でした。 患者様にとって、Dr.との出会いは 命を預ける身 人生を変えかえないものですが、 Dr.にとっても 忘れられない出会いだったり 学びやDr.として人としてのその後を変える出会いだったからするのだろうと思った。 p251の西島へマチ先生が語る言葉とp291の言葉が感動というか納得というかマチ先生を好きだな尊敬するなと思う部分。 またまた続編ないかな〜 期待したい!
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『スピノザの診察室』の続編です。 甥っ子の龍之介くんは中学生になっており、作中での月日の経過を感じますが、マチ先生が原田病院で多忙な日々を送りながらも患者一人ひとりと真摯に向き合う姿を見て、 「マチ先生、全然変わってないなぁ」と何だかほっとしました。 どれだけ医療が高度に発達...
『スピノザの診察室』の続編です。 甥っ子の龍之介くんは中学生になっており、作中での月日の経過を感じますが、マチ先生が原田病院で多忙な日々を送りながらも患者一人ひとりと真摯に向き合う姿を見て、 「マチ先生、全然変わってないなぁ」と何だかほっとしました。 どれだけ医療が高度に発達しても、治せない病気は少なからず存在するでしょうし、人は誰でも最後には死を迎えます。 それでも、目の前にいる人が今を笑顔で過ごせるために医者は何ができるのかー。 様々な命の在り方と出会うなかで、マチ先生はその答えをずっと探しているのかもしれません。 『人を救うのは、医療ではない。人なんだ。』 偶然にも私自身が今、とある治療のため病院に通っているところなのですが、マチ先生の優しい思考に触れて深く考えさせられました。 治療がうまく実らず悲観することもありますが、希望を忘れずに前を向いて過ごしていきたいなと思います。
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しんしんと心に染み渡るように響く本。 2作目となってマチ先生以外のメンバもより魅力的に映ります。おっと敵なのかな?と思ってた西島さんすら憎めなくなる。いいとこあるじゃん! それぞれの医療への向かい方。責任感。 マチ先生への人の生死に対する思い。人は何もできないかもしれない、でもで...
しんしんと心に染み渡るように響く本。 2作目となってマチ先生以外のメンバもより魅力的に映ります。おっと敵なのかな?と思ってた西島さんすら憎めなくなる。いいとこあるじゃん! それぞれの医療への向かい方。責任感。 マチ先生への人の生死に対する思い。人は何もできないかもしれない、でもできることはあるはずだ。 心静かに感動する。 ハードカバーでも続きを買って読みたい本です。
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