1,800円以上の注文で送料無料

川のほとりに立つ者は の商品レビュー

4

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/12/03

解説まで読み終わって、あぁ読んでよかった〜って 思いました! 登場人物たちと同じような人生を辿ってなくても これは確かに他人事ではない、共感もするし どこか自分と通ずる…とも思って。 あと私、いい時の自分が自分らしい!と前は思ってたけど、わるいときだってある、それも自分。と少...

解説まで読み終わって、あぁ読んでよかった〜って 思いました! 登場人物たちと同じような人生を辿ってなくても これは確かに他人事ではない、共感もするし どこか自分と通ずる…とも思って。 あと私、いい時の自分が自分らしい!と前は思ってたけど、わるいときだってある、それも自分。と少しずつ受け入れられるようになってきているかもしれないことに、読んでいて気がついた。

Posted byブクログ

2025/12/02

カフェの若き店長・原田清瀬は、 ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。 松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、 恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに。 乱暴な言い方をすれば、誇大妄想に近い勘違いとすれ違いの話。 ...

カフェの若き店長・原田清瀬は、 ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。 松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、 恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに。 乱暴な言い方をすれば、誇大妄想に近い勘違いとすれ違いの話。 正直、登場する人物の大半に感情移入できない。 それはきっと自分の中で勝手に「正解」を決めてしまっているからだ。 その自分の中で勝手に決めた「正解」にどの人物も当てはまらない。 だから、感情移入することができないのであろう。 つまり、それだけ自分が誰かを知らずに傷つけているということだ。 ある一点の見方も角度を変えれば違ったものに見える。 まさにそのことを思い知らされる作品。 無知は一番の罪だとよく言う。 だがそれは、本当に無知だからという理由だけなのだろうか。 この作品に込められた深みが、とことん胸を突き刺してきた。 勧善懲悪を求めている人にはお勧めできない作品かもしれない。

Posted byブクログ

2025/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帯を見て興味を引かれて手に取りましたが、想像とは違った物語が拡がっていました。 私たちは"無知"な事で他者を傷つけたり、あるいは歩み寄ってあげたいという"善意"で相手を理解したつもりになっている事があるのだと改めて感じました。 ひとつの視点から見たことだけを鵜呑みにせず、その時の状況等により人が見せる表情や感情は様々であるし、タイミングによっては自身の介入がより相手を苦しめてしまわぬよう心がけていきたいと思いました。 どうか皆さんにとって明日がよい日でありますように。

Posted byブクログ

2025/11/29

大切なのは、相手を理解しようとする気持ちと想像力だと改めて感じた作品でした。 しかしそれが、自分の経験や価値観、尺度だけで推し量ろうすると却って相手を尊重できていないという難しさがあるのですが。 川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ないー 人間関係で摩擦が生じたとき、...

大切なのは、相手を理解しようとする気持ちと想像力だと改めて感じた作品でした。 しかしそれが、自分の経験や価値観、尺度だけで推し量ろうすると却って相手を尊重できていないという難しさがあるのですが。 川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ないー 人間関係で摩擦が生じたとき、もしかしたら今自分は川のほとりに立つ者なのではないかという心を持っていきたいです。 助けられなかったと思う人がいるとき、救いの手を差し出した気になってもいい結果を生まなかったときには、それでもせめて、あなたの明日が、良い日でありますように。と祈れる人になりたいです。

Posted byブクログ

2025/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

篠ちゃんの読書感想がわかりみしかなかった笑 また、「いい部分と悪い部分がその時のコンディションによって濃くなったり薄くなったりする」という表現が、言い得て妙だと思った。 発達障害とかの人に対する考え方は人それぞれだと思う。寄り添えられるのが理想なんだろうけど、周りの人の精神的な負担については誰が寄り添ってくれるんだろう…。 ただ、「普通」の基準も人それぞれだと認識しておくのは必要かも。忘れがちだけど。 それにしてもマオは無理。人として無理。 樹のディスレクシアの事を知らずに詰った小学校の同級生以上に下衆だと思った。

Posted byブクログ

2025/11/23

読み終わった後、視野が広がるような作品だった。 文章がとても読みやすく、一気読みできた。 私達は自分の知っている範囲でしか世界を見ることができない。だからこそ、それを自覚して相手を理解しようと努力することが大切なのかなぁと思った。 人生のヒントになる様な言葉がたくさんあったの...

読み終わった後、視野が広がるような作品だった。 文章がとても読みやすく、一気読みできた。 私達は自分の知っている範囲でしか世界を見ることができない。だからこそ、それを自覚して相手を理解しようと努力することが大切なのかなぁと思った。 人生のヒントになる様な言葉がたくさんあったので、メモしながら読んでみた。 また時間をあけて読みたい。

Posted byブクログ

2025/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この物語には様々な問題を抱える人物がたくさん登場する。 中でも特に印象的だったのは品川さんだ。 始めは品川さんはなんらかの障害を持っているが、それがわからずに大人になった人なのかと思っていたが、実は自分の障害を隠して懸命に働いている人だった。 障害があるとわかると障害を持っている人という括りで見られて自分を見てくれない。 障害に対する配慮が逆に障害を持っている人を苦しめていることもあるのだ。 普通はこうだよね、など何気なく発する言葉、でも普通とは一体何なのか。 自分にとっては普通なことでも他の人にとってはそうではないかもしれない。 自分の価値観を押し付けてきたことはなかったか。 そんな風に色々と考えさせられる物語だった。

Posted byブクログ

2025/11/19

優しくなる一冊 清瀬の松木への不信感が しかし松木は意識不明の重体に その原因と真相、そして自分への戒めに ADHD(注意欠如・多動症) ディスレクシア(読字障害)にも焦点あて、自分の誤った見方もあるのでは思わせる場面も そして読んでいて、登場人物に裏切られた憤りも感じたが清瀬は...

優しくなる一冊 清瀬の松木への不信感が しかし松木は意識不明の重体に その原因と真相、そして自分への戒めに ADHD(注意欠如・多動症) ディスレクシア(読字障害)にも焦点あて、自分の誤った見方もあるのでは思わせる場面も そして読んでいて、登場人物に裏切られた憤りも感じたが清瀬はそれをも受け留められるように! 「大吉が当たりますように」

Posted byブクログ

2025/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

偏見は常に誰しものそばにあるし、何かが極端に不得手な人が手を抜いてそうであるとは限らない。そしてそれが分かったからといって必ず理解できるものとも限らない。理解できると思ってはいけないなと思う。だって自分にはそれができてしまうのだから。できる人にできない人の気持ちを理解することはできない。精々できる精一杯が、寄り添うことなんだと思う。無知は罪。でも相手が素直に教えてくれるとも限らない。だから想像する。想像力を持って、仮説を立てて、でも分かった気になってはいけない。 川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知りえない。

Posted byブクログ

2025/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あらすじを読んで気になっていた作品だが、朝井リョウさんの『正欲』を読んだ時と近しい心境になった。 身近な人であっても、全てをさらけ出すことは難しい。そうわかっているつもりでも、自分が清瀬の立場なら、絶対同じような思い違いをしてしまう自信がある。 今でこそ様々な障害の存在が周知されてきたが、若者の部類に入るいっちゃんが適切なケアや指導を受けられずに大人になってしまったことがショックだった。母親が障害の可能性を考えておらず、本人の能力や努力不足と認識されてきたことがしんどい。 一番この作品を象徴していると思ったのは、篠ちゃんの「ほんとうの自分とか、そんな確固たるもん、誰も持ってないもん。」という言葉。 コンディション次第でいい部分と悪い部分の濃さが変わるという考え方は、持っていると少し肩の力が抜けるし、救われる。何より、行動で示せば、ほんの僅かでも相手に伝わることがある、といういっちゃんから天音への想いの帰結に繋がっていると感じた。

Posted byブクログ