じゃないほうの歌いかた の商品レビュー
図書館本。先月の朝日新聞の書評で紹介されていたので読んでみました。 タイトルが秀逸。読む前はどんな話なのか気になりましたし、読んだ後はピッタリなタイトルだと思いました。じゃないほうが主人公の短編集。 連作短編集で短編5話とエピローグという構成なのですが、前半の3話が凄く良かっ...
図書館本。先月の朝日新聞の書評で紹介されていたので読んでみました。 タイトルが秀逸。読む前はどんな話なのか気になりましたし、読んだ後はピッタリなタイトルだと思いました。じゃないほうが主人公の短編集。 連作短編集で短編5話とエピローグという構成なのですが、前半の3話が凄く良かったです。どの話も読み終える頃には、登場人物たちが好きになってました。 一番感情移入できたのは「君の知らないあの佐藤」。待男にも感情移入できたし、娘の春果にも感情移入できました。イヤだけど嫌いなわけじゃないんだよな多分。 後半2話とエピローグもいい話だとはおもったけど、なんか入り込めなかったんだよな〜。連作短編として成り立たせようという感じが出過ぎているというか。もっとスマートでいいのにと思ってしまいました。前半が素晴らしかっただけに、余計にそう感じてしまったのかもしれません。 後半2話も自分好みの話だったら文句なし星5だったのになあ。なんだか悔しい気分。でもこれはこれでいい読書体験になったかも。 以下付箋貼った所(ネタバレ含みます) P48 思い出す。自分に元気がなかったせいで、伝えそびれてきたありがとうが、わたしにはいくつもあったこと。 P49 今わたしは元気になりたい、強くなりたい、元気になって欲しくて作られたものから、ちゃんと素直に元気をもらえる人になりたい。小さなものから大きなものまで、恥ずかしがらずに勇気とか元気とか全部受け取って、未来と書いて「わたし」と読むくらいに強くなりたい。 P88 加賀に会ってから思うんだけど。この人のことはずっと忘れないだろうって心から信じられるくらいに、ばかになるくらいに人を好きになるのって、けっこう幸運で、誰にでもあることじゃなくて、胸を張って良いことじゃないかと思うんだ。ある種の才能がなくちゃできない。加賀もわたしも、たぶん、人をばかみたいに愛する才能は、ある。 P115 こんなことは、なんでもない。今までの四十数年、たくさん人に見下されたり、笑われたり、雑に扱われたり、してきた。慣れている。なのにどうして今回は笑い飛ばせないのだろう。 P128 最終的にそれにならなかった人ぜんぶを「夢を諦めた人」って言うのは、違うんだなって。 P130 似てるけど、似ていないところも、たくさんあるから。
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まず目を引くこのタイトル! 知らない作家さんだけど? 当たり本の予感… キタ〜!!発掘:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎ ☆8くらいあげたい♡ 連作短編は結構読んだことあるけど 笑ってホッコリしてこれほど気持ちよく繋がった連作は初めてかもしれない! なんて短編の完成度でしょうか...
まず目を引くこのタイトル! 知らない作家さんだけど? 当たり本の予感… キタ〜!!発掘:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎ ☆8くらいあげたい♡ 連作短編は結構読んだことあるけど 笑ってホッコリしてこれほど気持ちよく繋がった連作は初めてかもしれない! なんて短編の完成度でしょうか!! ちょっとレトロなチェーン店じゃないカラオケ店 が話の舞台です。 《登場人物》 カラオケのイメージ映像に出ていそうな女・池田 音が出せないトランペッター・加賀 その恋敵・サナ 反抗期の娘と暮らす元俳優・佐藤待男 74歳にしてカラオケ店でアルバイトする謎の老人・石崎さんと石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野 E.YAZAWAのステッカーを集め続ける売れない作家・染井暖 この登場人物達とカラオケ店で選曲される楽曲がもう最高╰(*´︶`*)╯♡ 筋肉少女帯の「香菜、頭をよくしてあげよう」なんて知らないからYouTubeで観ちゃったし笑 74歳のアルバイト石崎さんがとにかく笑える! ラストでぐる〜っと繋がる快感を味わって欲しい! あなたのカラオケ十八番は何ですか? みなさんに聞いてみたいです(●︎´艸`) 高得点狙うなら…タッチですかね 酔いしれるなら…天城越え笑笑 この作品はブク友・ゆーき本さんに読んで欲しい笑
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「池田の走馬灯はださい」 「加賀はとっても頭がいい」 「君の知らないあの佐藤」 「石崎IS NOT DEAD」 「矢沢じゃなくても」 落合南長崎の独立系カラオケ店『BIG NECO』を舞台にした5話収録の連作短編集。 登場人物はどこにでもいそうな市井の人々。 他人から見れば些...
「池田の走馬灯はださい」 「加賀はとっても頭がいい」 「君の知らないあの佐藤」 「石崎IS NOT DEAD」 「矢沢じゃなくても」 落合南長崎の独立系カラオケ店『BIG NECO』を舞台にした5話収録の連作短編集。 登場人物はどこにでもいそうな市井の人々。 他人から見れば些末な事でも、本人にとっては切実な悩みを抱えていたりする。 みんな生きるのが上手じゃなくて、それでもちゃんと頑張っている。 読みながら彼らへの愛おしさが募っていった。 何者かになんてならなくていい。 じゃないほうの一員として、彼らの未来を応援するしかない。
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夢を掴みきれない、思い通りの人生を送れていない人たちの、ちょっと切ない日常を描いた物語だった。それぞれの人物はどこかでへんてこりんで、孤独感を抱えながら自分のままならない人生に何とか折り合いをつけながら生きている。そんな誰かの生きづらさが、別の誰かを支えていたりして、彼らが相手に...
夢を掴みきれない、思い通りの人生を送れていない人たちの、ちょっと切ない日常を描いた物語だった。それぞれの人物はどこかでへんてこりんで、孤独感を抱えながら自分のままならない人生に何とか折り合いをつけながら生きている。そんな誰かの生きづらさが、別の誰かを支えていたりして、彼らが相手にかける言葉、自分自身を鼓舞する言葉は、なかなか滋味深くて印象に残る短編集だった。
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著者初読み。 さわや書店ポッドキャストで、タイトルと「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と言われて・・・の件に惹かれて。 連作短編。 至るところに、クスッと笑える楽しさを隠している。 石崎さんと小野さん、いい味出してます。 小説をドラマ化するのは好きではないけれど、なんだか...
著者初読み。 さわや書店ポッドキャストで、タイトルと「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と言われて・・・の件に惹かれて。 連作短編。 至るところに、クスッと笑える楽しさを隠している。 石崎さんと小野さん、いい味出してます。 小説をドラマ化するのは好きではないけれど、なんだか自分脚本家になったように映像が生まれます。 じゃないほう・・・そう普通の人はみんなそうして生きています。
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心が痛くなった そして読了後に温かい気持ちになった 世の中、意地悪い人ばかりではないと 思ったからで この本に出てきたみんなが 必死に生きていたから。 ありがとう
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カラオケ店で起こる奇跡の物語。 しかし奇跡といっても、ものすごく壮大で感動するような奇跡ではない。日常の中のちょっとした、でもやっぱり嬉しい奇跡。 人生を大きく変えてくれるのではなく、すこし方向転換させてくれるような奇跡。 そんな奇跡の積み重ねで人々は前へ進んでいるのだと思いました。
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矢沢ステッカーを持っていると幸運になるとテキトーに言って彼女に渡しそれが一つの物語となって巡る。そして昭和の香りをふんだんに撒き散らしながら物語は進んでその繋がりにまた後戻りしながらこう繋がるのかと2度読みする。出てくる人みんな救われるわけでもない切り取られた何気ない日常だけどこ...
矢沢ステッカーを持っていると幸運になるとテキトーに言って彼女に渡しそれが一つの物語となって巡る。そして昭和の香りをふんだんに撒き散らしながら物語は進んでその繋がりにまた後戻りしながらこう繋がるのかと2度読みする。出てくる人みんな救われるわけでもない切り取られた何気ない日常だけどこの人たちは一生懸命に生活しているんだなぁ。そしてほとんどの人はこういう日常を送って自分だけが疎外感を持たなくていいと後ろ向きな励ましを感じられた。
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チェーン店ではないカラオケ店NECOで繋がる人間模様。短編あまり好きでないけど、これは繋がりを感じるそれぞれの物語だった。
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収録されている五篇はいずれもちょっとコミカル&キュートで、私がこの著者の小説を好きな理由がつまっているなぁと思わせてくれる短編集だった。 やや寂れた印象のカラオケ店に集う、脇役的な人生を送る人たちの悲喜交々。 連作の種明かし的な立ち位置となる最後の『矢沢じゃなくても』にある文章が胸に響いた、というかグサグサ刺さった。 〈「自分でも、ほんとうはわかっているはずだよ。あなたはそれをしていないといけない、才能がなくても」〉 〈おれが書かなくても誰も困らない。だけど、おれは困るのだ。大切な誰かを思ってやっと作ることのできた噓は、ずっと先の自分のことを励ましてくれることもあって、おれみたいなやつは、それでやっと生きていこうと、生きていけるかもしれないと、思うのだ。〉 人生はそうでなくちゃな。 それと、チェーン店じゃないカラオケ店はやっぱり味があってよい。パサパサで前髪が長いうつむき加減の店員が、小さな声でやる気なげに接客していてほしい。それで、簡素なメニューにある唐揚げとかがやたら美味しくあってほしい。 ひとりカラオケしたくなってきた。
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