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ミス・サンシャイン の商品レビュー

3.7

22件のお客様レビュー

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2025/11/16

伝説的映画女優の生涯を描いたフィクション。 長崎の原爆を生き、戦後のスターダムを駆け上った。 なかなか語られない、"その時代"の話。 理不尽との隣り合わせ。 返せー!返せーーー!!! 読み進めるうちに、幾重にも重なっていく。 ドスンと落ちてくる。こみ上げ...

伝説的映画女優の生涯を描いたフィクション。 長崎の原爆を生き、戦後のスターダムを駆け上った。 なかなか語られない、"その時代"の話。 理不尽との隣り合わせ。 返せー!返せーーー!!! 読み進めるうちに、幾重にも重なっていく。 ドスンと落ちてくる。こみ上げる。 ふとした一人時間に、おすすめです。

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2025/11/12

切ないと言うかなんと言うかどう表現していいのか。とりあえす鈴さん素敵な歳の取り方してて羨ましい。#読了

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2025/11/11

男女の区別にやかましい昨今、俳優と呼ぶべきなんだろうが、和楽京子(鈴さん)のことは、あえて女優と呼びたい。 話の初っ端から鈴さんの魅力に圧倒される。誰をモデルに書いたんだろう。初めは「京」繋がりで京マチ子さんかと思ったが、文化勲章の話しが出てきたので森光子さん? 鈴さんといっくん...

男女の区別にやかましい昨今、俳優と呼ぶべきなんだろうが、和楽京子(鈴さん)のことは、あえて女優と呼びたい。 話の初っ端から鈴さんの魅力に圧倒される。誰をモデルに書いたんだろう。初めは「京」繋がりで京マチ子さんかと思ったが、文化勲章の話しが出てきたので森光子さん? 鈴さんといっくんの故郷、長崎の悲しい歴史と「ミス・サンシャイン」のネーミングの由来が、鈴さんのアカデミー賞のスピーチが実現しなかった理由なんだろうか。

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2025/10/13

ちょうど最近日本映画にハマっているところで読んだので、すごく心に沁みる。伝説の映画女優、和楽京子が出演したとされる小説上の映画作品は架空のものなのに実在していそうな感覚。桃ちゃんにも幸せになってほしい。

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2025/10/13

引退した昭和の大女優の倉庫の片付けのアルバイトをすることになった、大学院生の男の子。元女優の80代のおばあさんと、通いで来るそれよりは少し若いお手伝いさんと、なにとはない会話をしながら、女優の紹介、それから、男の子の恋愛の顛末を。男の子は、一度就職し、心を病んで辞めて、大学院に入...

引退した昭和の大女優の倉庫の片付けのアルバイトをすることになった、大学院生の男の子。元女優の80代のおばあさんと、通いで来るそれよりは少し若いお手伝いさんと、なにとはない会話をしながら、女優の紹介、それから、男の子の恋愛の顛末を。男の子は、一度就職し、心を病んで辞めて、大学院に入り直していた。カフェの女の子を好きになり、結ばれるが、女の子は別れた元彼を忘れられない。ラストは、数年が経って、家庭を持っている彼が、大女優の死を知るという構成。 女優には同郷の親友があり、むしろ彼女のほうが女優になるべきだったと思っている。二人とも長崎で被爆し、親友のほうはそれが原因で白血病になり、若くして死ぬ。男の子にも、妹が病気で子供の頃に亡くしていたという過去があった。どちらも言う。「(早く死ぬ)私のことを、不幸だとは思わないで。私は幸せだった」 女優の出演作とか本当にありそうで、結婚離婚の顛末もなんとなく頷けるもので、戦後、光を浴び、体を張って生きてきた、カリスマ性のある一人の女性の凛とした美しさが、リアルに伝わってきた。そして一時、その光に触れた男の子。彼が、自分の人生を平凡だと思うくだりがよかった。映像の世界に憧れたこともあったが、現在は不動産の営業をしている。どこにでもある住宅街に住み、妻と子がいる。そういう自分が幸せであると。それを知れたのは、大女優との時間があったからであると。 「和楽京子という伝説の大女優のそばで過ごした時間で一心が教えられたのは、どんなに特別な人も普通の人なのだという、至極当たりまえのことだった。逆に言えば、特別な人など、どこにも存在しないということだ。 言葉にすれば当りまえすぎることだが、この意味をきちんと理解できるようになった人だけが真実の幸福を知るのかもしれない。」

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2025/10/12

吉田さんの小説は、観客席から舞台を観ているようだ。 それだけストーリー構成がきめ細やかで、頭の中に登場人物がそれぞれ浮かびあがり生き生きと動いている。 作者が長崎県出身であるからこそ、原爆犠牲者について反戦についての強いメッセージを感じたし、戦後の日本人の底力が作っていたパワーも...

吉田さんの小説は、観客席から舞台を観ているようだ。 それだけストーリー構成がきめ細やかで、頭の中に登場人物がそれぞれ浮かびあがり生き生きと動いている。 作者が長崎県出身であるからこそ、原爆犠牲者について反戦についての強いメッセージを感じたし、戦後の日本人の底力が作っていたパワーも1人の女優の人生を通して感じることも出来た。 ハリウッドでは「ミス•サンシャイン」と呼ばれ、それも原爆を連想させることから本人は納得いかなかった。 強くあるということは、美しい。 しかし辛くてさびしい時、「膻中」というツボを温めてゆっくりと押してみることも知っているから、更に美しいのだと思った。

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2025/10/08

■ストーリー 戦後の混乱期に「和楽京子」の名で銀幕に登場し、世界を魅了した女優 石田 鈴。華々しい経歴を残しながらも、今は静かに余生を送る老女。 その彼女が所有するマンションの一室にぎっしりと置かれた資料の整理役としてアルバイトに訪れた大学院生の岡田一心。 部屋いっぱいの段ボ...

■ストーリー 戦後の混乱期に「和楽京子」の名で銀幕に登場し、世界を魅了した女優 石田 鈴。華々しい経歴を残しながらも、今は静かに余生を送る老女。 その彼女が所有するマンションの一室にぎっしりと置かれた資料の整理役としてアルバイトに訪れた大学院生の岡田一心。 部屋いっぱいの段ボールを開ける度に蘇る往年のフィルム・手紙・スチール写真。鈴の傍らで長年支え続けた昌子とのやりとりを通じて、次第に鈴の栄光と痛み、愛と喪失の軌跡が浮かび上がっていく。 やがて、老女と青年のあいだに芽生える静かな心の交流が、過去と現在をつなぐ温かな余韻を生む…。 ■読みどころ この小説の魅力は、なんと言っても「銀幕(映画)」と「記憶」の重なり方にある。 吉田修一の筆は、時系列を巧みに交錯させながら、鈴の回想を“カット割り”のように切り替えながら、人生という長編映画を編集していく。 白眉は終盤。読み手の眼前に、サイレント映画のように音のない優しさが画面をたゆたう。 この小説の舞台となるのは、資料整理という地味な作業空間。しかし、そこから次々と蘇る“記録の断片”。それが読み手に対して、一本の映画を観ているような感覚を呼び起こす。 また、戦後の日本映画界の黄金期へのオマージュとしての側面もきっちり押さえられている。 読者の多くは、きっと「誰がモデルか?」と検索したに違いない…と思ってしまうぐらい、この構成は「虚」と「実」の境界をおぼろげにする効用をもたらし、戦後の日本映画史の裏側を覗き見るような知的興奮と愉しみを与えてくれる。 ■感想 『怒り』や『パレード』のように、吉田修一の作品には「人の優しさ」と「壊れゆく瞬間」の両方が描くことが多く、ストーリーが佳境に近づくにつれ、僕は決まって半身に構えを取ってしまう。ちなみに、亡くなられた山本文緒さんも同じ構造を持つ小説を書かれた。 しかし、本作は杞憂に終わり、エピローグまで“優しさの温度”が失われず、老女と青年という世代を超えた組み合わせの中に、〈過去の赦し〉と〈未来への継承〉が描かれ、安堵するとともに半身姿勢を解いた。 とりわけ、鈴が人生を回想する場面での抑制された筆致は吉田修一の凄味を物語り、思わず巧いなぁと唸ってしまった。 ■最後に 決して派手さはないのに、読後に残るのは「人が人を想う力」の確かさ。 タイトル〈ミス・サンシャイン〉が彼女の生涯を照らす最後のライトになる——老いと光が溶け合う、静かな映画のような小説。 映像のように鮮やかでありながら、文字の行間にだけ息づく温もりがある。小説という二次元だからこそ、味わえる豊かな“光と影の余韻”が心に残る。

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2025/10/08

「国宝」の映画を見た後で、吉田修一さんのこの書物に出会ったのは良かった。知らず知らず胸が熱くなり、透き通った川のように新鮮な思いが涌いてきました。

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2025/10/03

吉田修一さんの「ミス・サンシャイン」 文春文庫にて発売されたので、買い求めて読んだ。 文庫帯に書いてある"最高に泣ける吉田修一" この文句のとおり、感動巨篇の名に相応しい小説。 ((作品紹介)) 心に傷を負った大学院生・岡田一心は伝説の映画女優・和楽京子こ...

吉田修一さんの「ミス・サンシャイン」 文春文庫にて発売されたので、買い求めて読んだ。 文庫帯に書いてある"最高に泣ける吉田修一" この文句のとおり、感動巨篇の名に相応しい小説。 ((作品紹介)) 心に傷を負った大学院生・岡田一心は伝説の映画女優・和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。引退した今なお美しい鈴さんの胸に秘められていた波乱万丈な映画人生、原爆が奪った運命と大切な人たち――その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。清冽な感動に包まれる島清恋愛文学賞受賞の傑作長篇 古い日本映画好きの自分には、和楽京子ってどうみても京マチ子?って思ってしまいますね。 京マチ子は、正に豊満な肉体を(ひとつの)武器に、戦後の日本映画黄金期を駆け抜けていった大女優でした。 その京さんのように、戦後のアプレ女優、肉体派女優で一世を風靡する和楽京子。 その彼女の代表作のひとつが「洲崎の闘牛」 これまた日本映画好きなら応えられない すぐに川島雄三の名作「洲崎パラダイス 赤信号」を想起しますが、洲崎の闘牛は、これに溝口の「赤線地帯」が混ざってきます 赤線地帯の若尾文子のように、次から次へと男を手玉に取っていく、そんな映画のようなのです。 実際、観てみたくなるんですよ、これ。 架空の映画なんですけれどね.... 和楽京子の神秘のヴェールに隠された生涯が明かされると共に、もうひとりの主人公・岡田一心の秘められた過去、苦悩する恋愛模様が交差して、実に読みごたえがある小説です。 一心が桃ちゃんとの恋愛に四苦八苦している様は、なかなかツラいです。 それは、読み手の自分にも同じようなことがあったなあ、と思わせるからです.... 吉田さんは、「怒り」「国宝」と読ませていただきましたが、登場人物たちの人物造形、特にその内面の彫りが深いんです。 それは、今作もおんなじでした。 ちと、ルビッチの「天国は待ってくれる」を観終わったあとの気分に似ています。 すっかり吉田ワールドにはまってしまいました。 次は「悪人」を読んでみます。

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2025/09/18

『サンシャイン』という呼び方が読了後には印象が変わる。苛烈な時代を過ごしてきた女優の辛さも思い出も想像を超えていた。 読後はじんわりと暖かくなる。 大学院生いっくんも、良き大人になっていた。 現代と過去の出来事を思い出話のように展開してゆき、想像の中の会話も出てくるのに戸惑うこ...

『サンシャイン』という呼び方が読了後には印象が変わる。苛烈な時代を過ごしてきた女優の辛さも思い出も想像を超えていた。 読後はじんわりと暖かくなる。 大学院生いっくんも、良き大人になっていた。 現代と過去の出来事を思い出話のように展開してゆき、想像の中の会話も出てくるのに戸惑うことなくスルスルと読めてしまった。

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