本が読めない33歳が国語の教科書を読む の商品レビュー
みくのしんさんの瑞々しい感性を通して、今まで気付かなかった作品の良さを味わった気がする。これまで読書でわからないことがあっても流してしまっていたが、彼の一語一語を味わう読書によって、想像しきれなかった景色が見えた。それに著者の描写がこんなにも美しいものだったかと感動した。 「や...
みくのしんさんの瑞々しい感性を通して、今まで気付かなかった作品の良さを味わった気がする。これまで読書でわからないことがあっても流してしまっていたが、彼の一語一語を味わう読書によって、想像しきれなかった景色が見えた。それに著者の描写がこんなにも美しいものだったかと感動した。 「やまなし」のクラムボン、「少年の日の思い出」のエーミールはとても有名だが、私はたぶん読んだことがない。たぶん。忘れたのでなければ。かなり印象に残る話だから忘れていないと思うのだけど……。 だからこの本でこの内容に触れて、よく聞くエーミールやクラムボンの元ネタはこれだったかと思った。そしてみくのしんさんのスピードに乗って読むことで、自分が水中に潜り込んだような情景に息を飲み、心臓が締め付けられるような焦燥感を味わった。 「山月記」に至っては教科書で繰り返し読み過ぎて麻痺してしまい、心が動くようなことがなかったのだけど、初めて読むような気持ちで読んだ。それに学生のころからかなり経ち、李徴の発狂について、私も身に覚えがあると感じるようになった。虎の種は私の中にもある。本の中で「人生のステージが変わると読書も変わる」というようなことが書いてあったが、子どもでなくなって様々な(不要な)経験をした中年には刺さる描写がたくさんあった。 そして「枕草子」、私は古典が大嫌いだ。苦手だったから。だけどこの本を読んで、面白そう、読んでみようかな、と思った。なんて美しくて味わい深いんだろう、私も「をかし」「あはれ」を感じたい。 みくのしんさんの読書の様子を見ていると、すごく楽しそうで贅沢な時間だ、私もこんな読書体験をしてみたいって思う。それを見守り時に助言する(押し付けない)かまどさんの姿勢もとても心地いい。 みくのしんさんとかまどさんのあとがきを読んで、子どもの頃の記憶が蘇るようだった。私は浮いた子どもで、お二人と似た体験から羞恥で泣きそうになり、周りから浮かないよう、無難な解答を探そうと、普通を装っていたが装いきれていなかった。そういうことがよくあった。 でも教科書の選書も注も、作り手が考え抜いた工夫があるとも感じて、私と国語教育は噛み合わないところもあったけど国語って結構よかったよねと思った。
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大人になってから教科書に載っている小説を読めるのはとてもいい機会でした。 みくのしんさん、かまどさんの感想も楽しい。
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一作目も本当に面白くて、その後もインターネットの記事の方でも楽しませていただいておりました! 二作目も良かった!子どもがもうすぐで中学生になることもあり、小学校で習う国語や中学校で習う国語が出てきているのも、子どもにオススメしたくなる! 本当にこんなに人それぞれ読書の仕方、考え方...
一作目も本当に面白くて、その後もインターネットの記事の方でも楽しませていただいておりました! 二作目も良かった!子どもがもうすぐで中学生になることもあり、小学校で習う国語や中学校で習う国語が出てきているのも、子どもにオススメしたくなる! 本当にこんなに人それぞれ読書の仕方、考え方が違うのだな〜と改めて感動。
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オモコロで前の本にも載っているメロス編を見てからみくのしん&かまどの虜に。 みくのしんの感受性が豊かなのは当たり前だが、かまどのツッコミや感想が面白い。かまどにも共感できる部分がたくさんあるので、みくのしんの考え方・読み方が新鮮で刺さる。
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「本を読んだことがない」を卒業したら、その次には、当然「本が読める」、とはならないようで、その2つの間には大きな隔たりがあるそうです。 この本は、国語の教科書を読むことを通して、その隔たりを超えようと試行錯誤した日々の記録です。 1冊目 宮沢賢治「やまなし」 2冊目 ...
「本を読んだことがない」を卒業したら、その次には、当然「本が読める」、とはならないようで、その2つの間には大きな隔たりがあるそうです。 この本は、国語の教科書を読むことを通して、その隔たりを超えようと試行錯誤した日々の記録です。 1冊目 宮沢賢治「やまなし」 2冊目 ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」 3冊目 中島敦「山月記」 4冊目 清少納言「枕草子」 4冊の本が本を読むのが苦手な「みくのしん」くんと、彼が本を読むのを手伝う「かまど」さんによって読み進められ、実況中継されています。 本を読むときのハードルとして、まず語彙があります。知らない言葉が文章のキーワードになっているとき、文章の意味がとれません。そもそも、読みがなを振っていない知らない漢字は読めません。漢字が読めないと挫折の原因になります。 また、文脈が分からないとやはり文章の意味はとれません。そういう点で1冊目の「やまなし」は難しいです。 「クラムボンは笑ったよ。」「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。」 唐突に現れる「クラムボン」、そして宮沢賢治流のオノマトペ「かぷかぷ」と笑う。 よくよく考えると、この作品が小学6年生の国語の教科書で取り上げられているのはスゴイことだと思います。 案の定、みくのしんくんの最初の反応は、「???」でした。。。 でも、みくのしんくんは、だんだん宮沢賢治のオノマトペにも慣れていき、詩情あふれる散文を楽しく読みこなしていきました。 川の中の世界を自由な世界だと捉えて、最後は「ありがとう!めっちゃいい話でした!」と言って読了します♪ 2冊目以降も、みくのしんくんは、文章の中の喜怒哀楽を独自の素直さで捉え、興奮して大きな声を出したり、感極まって涙したりします。 実況中継を見ている(読んでいる)わたしたちも教科書に出てくる作品を一緒に楽しめて、改めて感激しました♪ みくのしんくんは、「あとがき」の中でこう言っています。 ・「「読書」とは違う「勉強」としての本。あの頃はそれが嫌でしょうがなかったけど、今読むと、誰かが誰かのために、読んでほしくて選んだことが分かる気がしました。」 ・「枕草子は1000年前の作品らしい。嘘みたいだけど本当らしい。それがそのまま、2025年を生きる僕に届いたんだ。すごすぎるって。 ~中略~ 大袈裟だけど、まるで人が命を繋いでいくような。当たり前のようですごいことというか。」 本を読んだことのなかったみくのしんくんの進歩、素晴らしいです♡ 読書が彼の生活の楽しみになると良いですね♡
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みくのしんさんとかまどさんの「本を読めない〜」シリーズ第二弾。相変わらず、大きな声とオーバーアクションで読書をするみくのしんさんに付き合うかまどさん、というスタイル。みくのしんさんの、主人公にべったり寄り添いすぎるかと思えば、言葉の表現について作者に嫉妬する様子などを味わい深く読...
みくのしんさんとかまどさんの「本を読めない〜」シリーズ第二弾。相変わらず、大きな声とオーバーアクションで読書をするみくのしんさんに付き合うかまどさん、というスタイル。みくのしんさんの、主人公にべったり寄り添いすぎるかと思えば、言葉の表現について作者に嫉妬する様子などを味わい深く読んだ。 それにしても、山月記で見せたみくのしんさんの暗い(?)過去の姿から、この人はただただ純真無垢な人じゃないんだ、と感じたり、見どころが多かった。それにしても、『枕草子』の山際と山の端の違いとか、すごい考察力だ!と脱帽しました。
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エミール、クラムボン、山月記。懐かしい。なるほどー、そういう風に感じるのかー!というのもあったし、自分自身10年以上ぶりにこれらの物語を読んで純粋に面白かった。
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今作もありがとう!!!!この一言です。 当時、私は国語の授業はわりと嫌いではなかったので国語の読み合わせ時間(物語を一回全文読んでみましょう、みたいな時間があった)に他の物語すらも全部読もうとするくらいには好きの部類でした。でも理解してたわけじゃない。読み終わってあーおもしろって...
今作もありがとう!!!!この一言です。 当時、私は国語の授業はわりと嫌いではなかったので国語の読み合わせ時間(物語を一回全文読んでみましょう、みたいな時間があった)に他の物語すらも全部読もうとするくらいには好きの部類でした。でも理解してたわけじゃない。読み終わってあーおもしろって思うけど、じゃあどう言う意味?って言われるとちょっと悩むくらいには適当に読んでたなと思いました。かまみくの読書をよんで痛感しました。やまなしをそんなにしっかり情景まで膨らませて読んでないし山月記もかまみくの記事を読むまで内容忘れてたし。どうして教科書に載せられているのか、みくのしんの読書を通じてなんとなくわかる気がした。読書の最初の一歩、じゃないけどこんなに本を読むって面白いんだよ!ってことを教えてるのかなって。そんなことをかまみく読書を通じて感じました。 長々と書いたけど、本当に今作も面白かった。クスッと笑えて感動もあって。ニシダさんの本も読んでみたいと思いました。
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とっても面白かったんですが、何というか、完成度が高すぎというか、狙いすぎな感じがして、前作ほど素直に感動は出来なかったな… みくのしんさんの感性も、かまどさんとの関係性も素晴らしいなと思うのですが、なんていうか型破りさが薄くなって、クライマックスに古典で上手くまとまって、後書きで...
とっても面白かったんですが、何というか、完成度が高すぎというか、狙いすぎな感じがして、前作ほど素直に感動は出来なかったな… みくのしんさんの感性も、かまどさんとの関係性も素晴らしいなと思うのですが、なんていうか型破りさが薄くなって、クライマックスに古典で上手くまとまって、後書きで背景とか語り出されると…すごく「創作」感があってちょっと淋しさをかんじてしまう。 ドラマ化とかしたいのかな…
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