四維街一号に暮らす五人 の商品レビュー
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読んでいる時「チャーミング」な小説という言葉が浮かんだ。シェアハウスに住む台湾の学生と大家の人生の物語であり、台湾の様々な料理の話であり、百合小説でもあり、台湾の今の若者文化の話でもあり…戦前の日本文化とのかかわりが温かい筆致で描かれていることも見逃せない。 最後の章では台湾の政治的困難にも触れ、苦さと甘さが入り混じった筆致に魅了された。訳者の素晴らしさもあるのだと思う、 それにしてもブクログの中では、著者の楊双子ではなく、訳者の三浦裕子の名前で登録されているのはなぜなのでしょう。
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とてもよかった。 堂々たる四十路のおっさんである手前、百合な部分はどうぞどうぞご自由にということで、繊細な恋愛の機微も、友情の萌芽も、そんなものなんですねと受け止めつつ、、、 五人全員が魅力的なキャラクターだったが、それぞれがしっかりと、学問に身を置いた経験があるからこそ滲む、...
とてもよかった。 堂々たる四十路のおっさんである手前、百合な部分はどうぞどうぞご自由にということで、繊細な恋愛の機微も、友情の萌芽も、そんなものなんですねと受け止めつつ、、、 五人全員が魅力的なキャラクターだったが、それぞれがしっかりと、学問に身を置いた経験があるからこそ滲む、知性のようなものが見え隠れしてて、ただのイマドキな若者たちではない芯のようなものを感じて眩しかった。(全員が学部生ではなく、大学院生、または大学院経験者ってのがいいですよね) 個人的に、後書きに出てきた雲林科技大に仕事で訪れたことがあり、四人の通う大学って、などと想像したりしつつ、楽しかった。 きっとこれから、ドラマになったり、漫画になったり色々する気がするな。 前作の『台湾漫遊…』も読みましたが、 台湾の歴史や文化(食文化多め!笑)、政治を取り込みながら、何かを全肯定も全否定もしない、しかしながら、物語の背後にある著者のメッセージのようなものは確実に読者に届く、独特のバランスの物語。台湾文学の面白さが凝縮されたような作家だなと思いました。(エラそうにすみません)これからの作品も、できればこの五人の続編も!もっともっと読みたい。
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作者は文学で歴史を描く 複雑で多様な人びと 台湾という小さな国が何にさらされこうむってきたのかを 古い日本式住宅を舞台として 思いも寄らない過去をもち影響された人生を 登場人物の個性と心情が次々と あらわれる 台湾現代作家から目が離せない
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知衣と小鳳は良い百合 「台湾の少年」を読んだところだったので、外省人の家系は政権交代に対してああいう反応になることもあるのかと驚いてしまった。
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台湾台中市の路地"四維街一号"に佇む日式建築。台湾が日本帝国統治下にあった昔に建てられたこの建物には、今、大家の"安修儀"とともに近くの国立大の女子大学院生4人が住む。一階一〇一号室には、クールで浮世離れしたBL作家の"郭...
台湾台中市の路地"四維街一号"に佇む日式建築。台湾が日本帝国統治下にあった昔に建てられたこの建物には、今、大家の"安修儀"とともに近くの国立大の女子大学院生4人が住む。一階一〇一号室には、クールで浮世離れしたBL作家の"郭知衣"。一○二号室には、お嬢様育ちでありながら異性同性問わず複数のセックスフレンドを持つ奔放な"虞小鳳"。二階二○一号室は、貧しい身の上のためお金が無いことを気にするプライドの高い"徐家樺"。そして、二○二号室に、シャイで人付き合いの苦手な"瀟乃云"。 4人のシェアメイトと大家は、"四維街一号"の館の歴史にまつわる秘密に触れながら、互いの秘めた思いにも心を馳せていく…。 台湾の食べ物や文化がたくさん出てきて読んでいて面白かった。そして、お国柄なのか(単にこの小説に出てきた5人の特徴なのか)、この人たちは日本の若者とはまた違った感性や意識を持っているのだなと考えさせられた。 特に、"家樺"(家家)。貧しい苦学生は日本にもたくさんいそうだが、周りの人から助けられること、食べ物を分けてもらうことをこれだけ熱烈に嫌悪するプライドの高さをもった若者は日本には少ないのではないかと思えた。 他の女性も、自身に強い"誇り"のようなものを持っている。これはお国柄だろうか?
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漢方を普段から取り入れてたり(蟹は冷えるから酒蒸しにして温めたとか)、漢詩を諳んじたりしててすごすぎる 教養…! でも日本のアニメの話もしたり ほっこりするけどそれだけじゃなく複雑なところもあって、台湾の歴史のほうも本読まなきゃなって思った
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静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=eKuo%2Fx7zZV9fVmHBicegIw%3D%3D
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4人の入居者について楽しみながら読んで、大家さんのとこで、あっ、こんなのが最後に来るんだ、と。台湾への飛行機の中で読んで思いがけずも涙があふれた。 台湾のこと知りたいと思うと、どうしたって戦争や中国について知らなければ理解が深まらないだろう。 興味を外へも伸ばしていきたい。
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日本統治時代に建てられた屋敷を基にした女性専用シェアハウスで暮らす4人の大学院生の関係性と、統治時代のレシピ本の発掘から始まって次々と起こる謎が、やがて屋敷の主が抱える過去にも関わってくる。人間を成す食と友情、そして過去が浮かび上がるのが、過去の台湾に生きる人々の複雑さ。こういう...
日本統治時代に建てられた屋敷を基にした女性専用シェアハウスで暮らす4人の大学院生の関係性と、統治時代のレシピ本の発掘から始まって次々と起こる謎が、やがて屋敷の主が抱える過去にも関わってくる。人間を成す食と友情、そして過去が浮かび上がるのが、過去の台湾に生きる人々の複雑さ。こういう体験をさせてくれる小説は台湾好きには有り難い。
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同時期に読んだダガー賞受賞作のシスターフッドものがあまりにピンと来なかったことも影響しているのか、翻って、本作はものすごく良かった。ヤクザの世界を通して男性性をことさら強く意識付け、メインキャストの性を相対化させる件の作を評価した英国ミステリー界を全く理解できない我が身としては、...
同時期に読んだダガー賞受賞作のシスターフッドものがあまりにピンと来なかったことも影響しているのか、翻って、本作はものすごく良かった。ヤクザの世界を通して男性性をことさら強く意識付け、メインキャストの性を相対化させる件の作を評価した英国ミステリー界を全く理解できない我が身としては、多様性を一個性として認めながら人間同士の魂の交流、成長のあゆみをつぶさに描き出す本作、大衆百合文学こそを激推ししたい。メシもうまそうだし言うことない。肝はやはり「舞台裏」。政治的に無気力な自分は本作者のような熱量を物語にこめることは、不可能、なのだろうか。自らのアイデンティティを見つめ続ける姿勢に何よりの敬意を覚えた。
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