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黄金比の縁 の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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2025/07/11

主人公の、会社への復讐心には重さを感じず笑ってしまいました。 復讐のために会社に不利益になりそうな人間を採用する人事なんて! 恨みがすぎる。 しかし、強く共感してしまいます。 「分かる、分かるよ」と、読みながら何度も頷きました。

Posted byブクログ

2025/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社内のチャットボットがセクシー系の女性キャラであることをうっかり口外したことが原因で、会社を炎上させた人間として人事部に左遷された主人公が、さっさと転職していきそうな新卒を採用して会社に不利益を被らせるために、顔が黄金比に整っているかだけを採用基準にして採用試験を行っていく話。そんなコメディーのような話でありながら、「女性ならではの視点で」とか言われまくる昭和な会社のオヤジ発言とか、そもそも客観的で公正な判断なんて可能なのかとか、人は自分の判断で人の採用や退職を決めるには耐えられないから縁だとか人事部としての判断だとかに頼るのだとか、核心をつく話も出てきて深い。東工大卒で女性の筆者だからこその、尿素・アンモニアの専門的な話とか、女性がほとんどいない職場の実際とかがリアルに感じられた。最終的に、明らかに裏口入社の裏取引のにおいのする就活生を発見した小野は、結局自分の黄金比ルールに従って彼を選考突破させる。結局客観的でかつ正しい判断なんて人間にはできないのだから、迷ったら自分のルールに従って決めればいいのかもしれない。 結局、「黄金比」も「縁」も、よるべないこの世の、いかにも根拠がありそうに見えながらどれもテキトーであるところのもの、人生そのものの根拠のなさ、なのかもしれない。

Posted byブクログ

2025/07/08

この作品読みながら、遥か昔、新卒で入社した会社は、私のどこがよくて採用したのかなぁ、なんて考えてしまった。 人事課で新人研修した際に、棚をごそごそしていたら、なぜだか自分の採用時の書類が出てきて、思わずみてしまったことはあるけど。「採用範囲内」と書いてあった。 3年でやめました...

この作品読みながら、遥か昔、新卒で入社した会社は、私のどこがよくて採用したのかなぁ、なんて考えてしまった。 人事課で新人研修した際に、棚をごそごそしていたら、なぜだか自分の採用時の書類が出てきて、思わずみてしまったことはあるけど。「採用範囲内」と書いてあった。 3年でやめましたが。

Posted byブクログ

2025/07/06

お仕事小説・・というわけでもない。 カイシャ人事部の採用業務というものは、あれだけもったいぶって行われ、採用側も被採用側も、形式主義や茶番めいた儀式だということは分かったうえで、それを当事者として鹿爪らしく演じている。本当はいったいどういう意味があるのか・・というアイロニーに悩ま...

お仕事小説・・というわけでもない。 カイシャ人事部の採用業務というものは、あれだけもったいぶって行われ、採用側も被採用側も、形式主義や茶番めいた儀式だということは分かったうえで、それを当事者として鹿爪らしく演じている。本当はいったいどういう意味があるのか・・というアイロニーに悩まされだしたら、それこそ、やっちゃいられまい。

Posted byブクログ

2025/10/15

会社の不利益になる人間を採用する__ 人事部小田が仕掛けた会社への復讐とは 前向きになれるわけでもなく、仕事を頑張ろうと思えるわけでなく...異色の"お仕事小説"でした(笑) 話の切り口が斬新で、相変わらず石田さんのユーモアが冴え渡っていて、面白かった〜!!

Posted byブクログ

2025/07/01

とある出来事から一部上場企業の採用担当となった主人公が会社に対して復讐を実行していく話。 一見会社のためになっていそうな提案をしながら、会社への復讐として業務に取り組んでいるというシチュエーションが新鮮で面白かったです。 彼女の復讐がどうなるのか、もう少し最後まで見たかったです。...

とある出来事から一部上場企業の採用担当となった主人公が会社に対して復讐を実行していく話。 一見会社のためになっていそうな提案をしながら、会社への復讐として業務に取り組んでいるというシチュエーションが新鮮で面白かったです。 彼女の復讐がどうなるのか、もう少し最後まで見たかったです。 働くには誰もが避けて通れない採用活動の裏側を見られたのも新鮮でした。

Posted byブクログ

2025/06/28

石田夏穂さん、電書で『冷ややかな悪魔』を読んでいたので、本書で二作目。 ジャンルとしては、お仕事小説という分類になると思う。 主人公の小野は、エンジニアリング会社の花形部署から、とある事案で人事部に異動になる。そこで新卒採用を担当して十余年、独自の評価軸を編み出し、それは応募...

石田夏穂さん、電書で『冷ややかな悪魔』を読んでいたので、本書で二作目。 ジャンルとしては、お仕事小説という分類になると思う。 主人公の小野は、エンジニアリング会社の花形部署から、とある事案で人事部に異動になる。そこで新卒採用を担当して十余年、独自の評価軸を編み出し、それは応募者のとある「黄金比」なのだが…… 独自の評価軸も、その結論にいたる動機も、まじかよと思いながらも腑に落ちてしまう説得力がある。そして随所に効いている、「会社組織というもの」「採用」に対する軽妙な皮肉に、声を出して笑ってしまった。 就活生を主人公にした小説は数多あるイメージだが、採用をする企業側の視点で描かれたものは珍しいのではないか(わたしが知らないだけかも)。 人が人を選ぶということの曖昧さや、選ぶ側の苦悩など、新鮮さもあり面白かった。 そして、終盤に待ち受ける出来事を、小野はどう捌くのかという部分もハラハラした。 文庫版の朝井リョウの解説含めて、短いながら濃い物語が味わえた。

Posted byブクログ

2025/06/28

『私はこの微々たる権限でもって会社に最大限の復讐を果たす-。』 ある出来事を恨み、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う主人公の話。 終始ユーモア溢れる独特な文章でした! 慣れてないと少し読みにくかったですが、皮肉っぽい言い回しが面白かったです 顔の黄金比のみで新卒採用を決定...

『私はこの微々たる権限でもって会社に最大限の復讐を果たす-。』 ある出来事を恨み、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う主人公の話。 終始ユーモア溢れる独特な文章でした! 慣れてないと少し読みにくかったですが、皮肉っぽい言い回しが面白かったです 顔の黄金比のみで新卒採用を決定する…。いいのかと思ってしまう反面、履歴書と数十分の面接で分かることなんてすごく限られてしまうよなと思いました。

Posted byブクログ