もしロシアがウクライナに勝ったら の商品レビュー
これ迄のウクライナ侵攻や停戦に関する報道の度に感じている理不尽さ、無力感。あのトランプ氏のアメリカも「これほど多くの資金をなぜウクライナの軍事支援に投じなければならないのかアメリカ国民にこれ以上説明できない。同じ資金でグリーンランドを手に入れる方が投資対効果がずっといい」と考え、...
これ迄のウクライナ侵攻や停戦に関する報道の度に感じている理不尽さ、無力感。あのトランプ氏のアメリカも「これほど多くの資金をなぜウクライナの軍事支援に投じなければならないのかアメリカ国民にこれ以上説明できない。同じ資金でグリーンランドを手に入れる方が投資対効果がずっといい」と考え、その形の善し悪しは別にしても先ずは停戦を志向し動くも敢えなく頓挫。 本書が指摘する様に、ロシアの行う非人道的行為(一般人の死傷、ウクライナ人の子供をロシア人の養子に勝手にする等)は、国際社会の注目を殆ど集める事はなくなり、国連も報告を受けるのみで実効手段を持たない。こんな事は、直ぐにでも終わらなければならないと思う事は皆(少なくともリベラルな国際秩序をよしとする民主国家の国民なら)同じ筈だが、独裁者達はそうではない。 かつて中国をWTOに招き入れたときに犯した西側先進国の勘違い(いずれ中国も資本主義になると期待したこと)と同様、今回も見誤る(プーチンの野望は偉大なるロシアの再興と応酬の安全保障構造の破壊であるのに、その野心はウクライナの一部領土の奪取だけだとの幻想を抱いてしまう)事になってしまうのであろうか。
Posted by
タイトルの通りの状況から始まるif世界。全部ではないにしろ、いくつかのこと(あるいは多くのこと)はかなり蓋然性が高そうだ。アフリカでの異変は予想していなかったが、南シナ海での衝突のエスカレートはいつ起きてもおかしくない。そんな中、ロシアにとっては時間が経てば立つほど有利になる。本...
タイトルの通りの状況から始まるif世界。全部ではないにしろ、いくつかのこと(あるいは多くのこと)はかなり蓋然性が高そうだ。アフリカでの異変は予想していなかったが、南シナ海での衝突のエスカレートはいつ起きてもおかしくない。そんな中、ロシアにとっては時間が経てば立つほど有利になる。本書には出てこないけれど、中東の情勢は緊迫しているし、東南アジアの国々同士もきな臭い。この混沌とした世界での勝者は中国ということになってしまうのだろうか。
Posted by
タイトルの通り、ロシアがウクライナとの戦争後にどう欧州に侵略するのか、ひとつのシナリオを提示している。 読み物としてとても面白い。 現実にならないことを祈る。 また、日本も知らないうちに工作によって分断されているのだと思った
Posted by
ドイツの軍事と国際政治の専門家(ミュンヘン連邦軍大学国際政治学教授)が、ロシアのウクライナ侵略が成功した場合、どのような未来を見ることになるのか、いくら説明してもご理解いただけないようなので、わかりやすく小説(仮想戦記)の形で世に出したもの。 バッドエンドである。 ウクライナは...
ドイツの軍事と国際政治の専門家(ミュンヘン連邦軍大学国際政治学教授)が、ロシアのウクライナ侵略が成功した場合、どのような未来を見ることになるのか、いくら説明してもご理解いただけないようなので、わかりやすく小説(仮想戦記)の形で世に出したもの。 バッドエンドである。 ウクライナは事実上消滅し、NATOの集団防衛はバルト三国に適用されず、中国は東アジアでフリーハンドを得る。 こうならないように世界各国は尽力しないとあかんよという本。
Posted by
あとがきに書かれているとおり、ウクライナ-ロシア戦争終結後の仮想シナリオを小説のような体裁を取って描く仮想戦記。ロシアの政治目標の分析や内部決定をあまりにも単純に描いているように感じた。中国やアフリカでの偽装や陽動はあり得るシチュエーションとは思いつつも、裏付ける事実の補強が薄く...
あとがきに書かれているとおり、ウクライナ-ロシア戦争終結後の仮想シナリオを小説のような体裁を取って描く仮想戦記。ロシアの政治目標の分析や内部決定をあまりにも単純に描いているように感じた。中国やアフリカでの偽装や陽動はあり得るシチュエーションとは思いつつも、裏付ける事実の補強が薄く、あえて学者サイドとしての鋭い指摘や特にサムシングニューな分析はない。どちらかというと本当に小説と期待して読んだ方がいいかもしれない。
Posted by
フィクションであれば破滅的な大戦やハッピーエンドを志向してしまうが、これは国際秩序の根底の破壊というシナリオで恐怖。軍事的に占領された地域はわずか小さな都市かもしれないが、それによって破壊された集団安全保障体制や自由民主主義理念といった社会的な影響は計り知れないという恐怖がひしひ...
フィクションであれば破滅的な大戦やハッピーエンドを志向してしまうが、これは国際秩序の根底の破壊というシナリオで恐怖。軍事的に占領された地域はわずか小さな都市かもしれないが、それによって破壊された集団安全保障体制や自由民主主義理念といった社会的な影響は計り知れないという恐怖がひしひしと感じる。
Posted by
本当に有り得そう、、、と思い込ませるような迫力だった。全てはウクライナで起きているこの紛争の結果如何によるのだろう。 一方で、ヨーロッパのブレーンには著者のような、ロシアを見くびっていない人達がいる。本作ではロシアは「西洋はロシアを頭脳的な打算なく衝動的に動く存在として見ている...
本当に有り得そう、、、と思い込ませるような迫力だった。全てはウクライナで起きているこの紛争の結果如何によるのだろう。 一方で、ヨーロッパのブレーンには著者のような、ロシアを見くびっていない人達がいる。本作ではロシアは「西洋はロシアを頭脳的な打算なく衝動的に動く存在として見ている」と考える事で、思いのままにアメリカもヨーロッパも操っていた。 だが、権威あるドイツの学者による、この本の出版そのものがロシアにそういう思考をもたせることを許さない。大衆にワーストシナリオへの警鐘を引き起こすと共に、ロシア陣営に対しては牽制するような、何ともソフトパワーに詰まったような本だった。
Posted by
中々リアルなストーリーだけど、そうはならないと思いつつも、若干の可能性も感じるなど。 ろしあ、中国、北朝鮮に囲まれた日本の将来が、本当に心配。
Posted by
2025年9月11日号「週刊文春」で中村逸郎が 書評をしていた。 「なんとも衝撃的なタイトルだ」 「後進性に裏打ちされた凶暴性と予測不能性こそが、 ロシアの真髄なのだ。悪意によって歴史が歪められ、 約束が簡単に裏切られる」 ちょうど8月23日の朝日新聞で 「忘れられた日ソ戦争」と...
2025年9月11日号「週刊文春」で中村逸郎が 書評をしていた。 「なんとも衝撃的なタイトルだ」 「後進性に裏打ちされた凶暴性と予測不能性こそが、 ロシアの真髄なのだ。悪意によって歴史が歪められ、 約束が簡単に裏切られる」 ちょうど8月23日の朝日新聞で 「忘れられた日ソ戦争」として歴史学者・麻田雅文 のインタビューを読んでいたので 他人事じゃなかった。 麻田によると今でもロシアの教科書には、 北海道は80年前アメリカとの合意でロシア領、 とあるそうなのだ。やばいだろう。 P6 シナリオの基底となる仮説は、侵略行為を通して 得をした侵略者は、それで満足するどころか、 その逆で、ここぞとばかりに本気で触手を 伸ばし始めるというものだ。 P14 シナリオの考察は、原則として、そこに描かれた 未来が起こらないようにするために行う。
Posted by
ウクライナは領土の20%を失って停戦。米欧の支援疲れ。野心を抱くロシアはNATO同盟国エストニアに軍事侵攻。核の脅威に怯えるNATOは集団自衛権条項を発動できず、機能を喪失。背筋が寒くなるが、認識すべきシナリオ
Posted by
- 1
- 2
