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今日は昨日のつづき どこからか言葉が の商品レビュー

4.2

12件のお客様レビュー

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2025/11/03

自分の中で起こっていること、世界を含む自分以外のところで起こっていることを、心の目を通して俯瞰で見ている。そこに諦観が加わってじわじわと言葉たちが心に沁みてくる。その言葉は決して難解なものではなく、普段私たちが遣う平易な言葉で深いところを探っている。「黙る」という詩は「生きる」を...

自分の中で起こっていること、世界を含む自分以外のところで起こっていることを、心の目を通して俯瞰で見ている。そこに諦観が加わってじわじわと言葉たちが心に沁みてくる。その言葉は決して難解なものではなく、普段私たちが遣う平易な言葉で深いところを探っている。「黙る」という詩は「生きる」をフォーマットにしていたのが印象的。歌人の俵万智さんが本作のことについて、谷川さんが亡くなった後に手元に届いて「ああ、まだ近くにいらっしゃるんだ」という思いを強くしたというようなことを語っていたが、身体は無くなっても言葉は残るのだということを本作を読んで改めて実感した。

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2025/10/28

「日々の生活から浮かんで来た言葉から詩が始まる。」 新聞の連載「どこからか言葉が」や、谷川俊太郎が最後に遺した「感謝」を含む47篇の詩集です。

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2025/11/26
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図書館の新刊コーナーでたまたま見つけて手に取った詩集。 p.24 「黙る」の一部 黙るということ 日々の暮らしの一々を 言挙げしないこと 心だけでなく体ぐるみ 明日を信ずること というフレーズがとても良かった。

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2025/10/02

宇宙だ……宇宙を感じる……。 谷川俊太郎を読むと、自分の貧弱な語彙力を実感して、なんか上手く言えないが……。 小さな日々にも宇宙規模の視点を持っているのが、詩人の嗜みなんかな…。

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2025/09/06

意味するところを問われたくないような印象を受けます。自然に聞こえ、感じたままに、書いて、少し世の中を憂い、朝目覚めて、生きているみたいだから、またモゾモゾ動きながら書いて…中断することはない連続する力を感じました。

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2025/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これほど詩を書き続けた詩人はいないだろうと思います。 これほど愛された詩人もいないでしょう。 たくさんの詩に感謝します。

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2025/07/27

谷川俊太郎さんが亡くなった、というニュースを目にしてから、よく考えると詩集などをしっかり読んだことがないことに気づいた。図書館で並べられていたのが目につき借りて読む。 生きているだけで素晴らしい、というメッセージがじんわりと伝わってくる詩集。ありふれたことの中に幸せがあることを改...

谷川俊太郎さんが亡くなった、というニュースを目にしてから、よく考えると詩集などをしっかり読んだことがないことに気づいた。図書館で並べられていたのが目につき借りて読む。 生きているだけで素晴らしい、というメッセージがじんわりと伝わってくる詩集。ありふれたことの中に幸せがあることを改めて教えてくれる。

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2025/07/21

朝日新聞に2021年月から2024年11月までに掲載された詩を集めた本です。谷川さんは2024年11月に亡くなったので、晩年の作品集になります。 本のタイトルは、最後の詩「感謝」の中のフレーズ「今日は昨日のつづき だけでいいと思う」から来ています。 詩集最初にある「おめでたい...

朝日新聞に2021年月から2024年11月までに掲載された詩を集めた本です。谷川さんは2024年11月に亡くなったので、晩年の作品集になります。 本のタイトルは、最後の詩「感謝」の中のフレーズ「今日は昨日のつづき だけでいいと思う」から来ています。 詩集最初にある「おめでたいマンネリズム」には「先に逝った親しい友人たちの目からすれば 平々凡々のこの今日もかけがえのない一日のはずだ」と強さが感じられるのに対して、中ほどの詩「いい天気」では「終わらない繰り返しに退屈しない自分が不思議」となり、「感謝」では「今日は昨日のつづき だけでいいと思う 何かをする気はない」、とトーンダウンしていくかのようで、詩人が生の終焉に向かうのが感じられます。 また、意味をめぐっての語りを読むと、語り得ないことは沈黙しなければならない、といった哲学者の言葉を思い出します。哲学者に対して、詩人は、語り得ないことそのものでなく、その周りを語ることによって「それ」を浮かび上がらせようと試みているかのようです。 さようなら、谷川さん。 この本は、夏の連休に読むのにぴったりの詩集だと思いました。ただし、ゆっくり死んでいく詩人が遺してくれた詩ですから、シニア向けかもしれません。 合唱コンサートが2026年3月22日に東京で予定されているらしいです。つやつやとした声でこの詩を歌うのでしょうか。聞きたくはあるけど、ちょっと心配です。

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2025/07/20

“黙るということ いま黙っているということ それは多数に耳をかさないこと 口をつぐみながら つぐむ自分を疑うこと 黙るということ ひとり黙っているということ 草木を味方にするということ 曇り空の下の小石とともに 世界の饒舌に耐えること” (p.24『沈黙』) “午後二時であ...

“黙るということ いま黙っているということ それは多数に耳をかさないこと 口をつぐみながら つぐむ自分を疑うこと 黙るということ ひとり黙っているということ 草木を味方にするということ 曇り空の下の小石とともに 世界の饒舌に耐えること” (p.24『沈黙』) “午後二時である ちょっと眠ろうと思う 雨がしとしと降っている 静かだ 静かはいい うるさいのは御免た” (p.90『昼寝』)

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2025/07/11

ページを捲る度に、段々と死に向かっていく谷川さんの姿が見えた。その事を、ご自身で予感していたのかもしれないとさえ思った。 最後の詩「感謝」が本当に素敵で、きっと私の五本の指に入ったままこの先も消える事はないだろうと思う。私の人生も、最後に「感謝」の念だけを残して幕を閉じられたら...

ページを捲る度に、段々と死に向かっていく谷川さんの姿が見えた。その事を、ご自身で予感していたのかもしれないとさえ思った。 最後の詩「感謝」が本当に素敵で、きっと私の五本の指に入ったままこの先も消える事はないだろうと思う。私の人生も、最後に「感謝」の念だけを残して幕を閉じられたら、と身が引き締まる。 例えもう姿が見えなくなっても、谷川さんが来る日も来る日も書き留めた詩が私たちの周りにあるから少しだけ寂しくない。 私が詩に出会うきっかけとなった方。心の底から敬愛していました。どうか天国で安らかに、どうか穏やかで良い旅をと、願ってやみません。

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