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覇権争奪の世界史 の商品レビュー

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2025/06/26

 この本は、人類の歴史を従来と異なった視点から分類して世界を支配している覇権国がどうしてその覇権を握ることができたのかそしてそれから転落した理由はなになのかを明らかにしようとしている。イギリスとアメリカが覇権国家になったのは、いずれも経済のプラットフォームの形成にあることはこの著...

 この本は、人類の歴史を従来と異なった視点から分類して世界を支配している覇権国がどうしてその覇権を握ることができたのかそしてそれから転落した理由はなになのかを明らかにしようとしている。イギリスとアメリカが覇権国家になったのは、いずれも経済のプラットフォームの形成にあることはこの著者に限らず主張されている。  ポルトガルやスペインやオランダが一時的ではあっても、世界経済で覇権国家的な役割を演じられた理由についてはイマイチ漠然としていたのであるが、この本はその背景についてズバリ説明してくれているので気持ちがいい。350年間にわたってアフリカの黒人奴隷は1250万人以上取引されてきたわけであるが、これを輸送した国別と受け入れた地域別に明らかにしており、その半分はポルトガルがブラジルに送った奴隷であったのだ。  オランダの覇権について言えば、当時のアムステルダムにどのような国からどういう人が移民してきたかというデータも具体的に載っている。歴史がどうして動いたのかということについてとても突っ込んだ記述があるのでとてもいい本であると思いました。

Posted byブクログ