フロントライン の商品レビュー

増本淳(著者)

2025/06/24

ダイヤモンド・プリンセス号での出来事。
全く知らなかった。そして、この作品に出会わなければ、知らないままでいた。
それぞれの立場に正義があり、もちろん衝突はあるが、目的はただ一つ。人々の命を守ること。自らの命を削りながら闘っていた人たちがいたことを知ることができてよかった。

あたり前が根底から覆される激動の日々を過ごした私たちは、今、再びあたり前の中に溶け込んでいる。多くの制限を強いられたことも、人と会うことが許されなかったことも記憶から消えていくのだろう。しかし、生きていることはあたり前ではないということ。コロナから学んだこのことだけは忘れてはいけない。今、生かされている命に感謝したい。

本作は、私たちが忘れかけていた記憶を呼び覚ますとともに、大切なことを再認識させてくれた。私たちはこの事実を知っておきたいし、知るべきだと思う。多くの人に読んでほしい。

2025/06/21

読みやすい。
あの当時、自分もマスコミに踊らされた一人だったと思い知らされる。
あの時も、今もどこかで、自分の立場で頑張ってる人がいる。自分の立場だけで物事を見るのはやめようと思える一冊

2025/06/13

本日から風切りの映画『フロントライン』の原作本を映画鑑賞の前にあわせて読みました。（映画も本日鑑賞済み）

この物語は２０２０年２月、新型コロナウイルスの感染者のニュースが全世界を恐怖と絶望に陥れた発端とされる横浜に入港した『ダイヤモンドプリンセス』号の医療機関の方々の話。乗員・乗客およそ３７００人が罹患する可能性のある未知のウイルスに対し、治療にあたった医師たちがどのように対処していたのか…事実に基づく物語だ。

小説は昨日と今日の昼にかけ夢中で読破して、映画を見たが、映画は小説のダイジェストという形だった。ただ小説では表現しきれない部分が見事に臨場感と共に伝わってきた。

ストーリーはもしもこの状況下にいたらどうしたら良いか…答えはわからず誰もが責任を取らない…刻々と感染者が増加する…被害が拡大すると視聴率がとれるとほくそ笑むマスコミ…感染者の治療にあたった医師やその家族が差別される矛盾…そんな中で決断を迫られる緊急医療チーム、厚労省の若手役人、なかなか胃の痛くなる内容が次々に起こる。
乗客を全員下船させ、罹患者は病院に搬入、物語は終わる…

が、日本中がコロナ禍となり、毎日の感染者の増減が合言葉となる暗い時代はここから始まったのだ。

マスク着用、ワクチン接種、密、緊急事態宣言…毎日暗いニュースが続き、様々な飲食店も休業…。僕自身もコロナ罹患した際は、ひょっとしたらこのまま…と不安になったことを思い出す。

５年が経ち、元の生活に戻ったいまは、あの悪夢の連鎖が何だったのかと不思議な気持ちになる。（全てが安心というわけではないが）
もちろん映画や小説の中での医療従事者たちは献身的で美談に描かれており、何場面かでは目頭を熱くしたが、コロナ禍の中であちこちで起こったことは綺麗事だけではないことは誰もがわかっている。

しかしながら、未知なるウィルスに向かい立ち向かった方々の勇気ある行動が、こうして今の我々の生活の礎になっていることを忘れないためにも、映画化されてよかったと思う。日本人全員に鑑賞を義務付けてもいいかもしれない…

2025/06/13

新型コロナで2週間隔離状態となっていたダイヤモンド・プリンセス号で人命救助に奔走する医師を始めとする関係者達の奮闘記。マスコミや心無い動画投稿者により救助活動の足を引っ張られたり関係者の家族が差別にあったり、と実際にあった現場関係者の苦労や懊悩も含めた学びある本。国難に立ち向かった英雄達のエピソード。

2025/06/04

久々に小説を読んだけれど、感動したし、映画もきっと良いものなのだろうなと思わせる内容だった。コロナの担当をしていて、実際に対応した医療従事者は想像を絶するプレッシャーだったのだろうなと思い入れをしてしまった。読んで良かったと本当に思う。