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地図と拳(上) の商品レビュー

3.9

27件のお客様レビュー

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2025/07/25

小川哲、『直木賞受賞作』 1899年、密偵として潜入する高木と通訳の細川。 測量隊として満州へ赴いたロシア人宣教師クラスニコフ。 孫悟空こと楊日網が牛耳る満州の李家鎮の地に。 主人公と思っていた高木が日露戦争で戦死… 『坂の上の雲』の世界が続くのかと思いきや… 孫悟空ももっと...

小川哲、『直木賞受賞作』 1899年、密偵として潜入する高木と通訳の細川。 測量隊として満州へ赴いたロシア人宣教師クラスニコフ。 孫悟空こと楊日網が牛耳る満州の李家鎮の地に。 主人公と思っていた高木が日露戦争で戦死… 『坂の上の雲』の世界が続くのかと思いきや… 孫悟空ももっと闘うのかと… イメージが違って、戸惑う… 下巻へ。

Posted byブクログ

2025/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

直木賞受賞した近代日本史ものという情報以外、なーんの予備知識もないまま読み始め。 それもあって、序盤〜中盤は作品の流れについていけなかった。 なんせ、時代はすぐに変わるし、登場人物やシーンもドンドン変わるし、メイン主人公だと思ってた高木は死んじゃうし、他にも色々死んじゃうし、脇役臭してた細川がメインキャラの一人になるし、孫丞琳と明男との絡みがあると思ったら何年もないし。 流れが読めずになかなか入り込めなかった。 途中、あ、これはこういう群像劇なんだ。と理解してからはドンドン面白くなってきた。こういう作品って、過剰に何かメッセージ的なのをメチャクチャ抽象的に書いて意味深にしてるケースが多い気がするけど(勝手な妄想で、私が深く読みきれないだけな気もするけど)、そんな部分も少なくとても入ってきやすいのも良かった。 早く下巻いきたい! こういう歴史物はある程度全体の結果を知ってるからどういうゴールになるんだろうという、想像をしながら読むのが楽しいね。 あと、多少脚色はあるんだろうけど、歴史の背景、状況など知るとてもいい機会にもなる。 下巻がとても楽しみ!

Posted byブクログ

2025/07/19

満州を巡る色んな人たちの思惑、夢。 スパイ、情報戦、地政、その辺の話が好きなので好きなタイプのお話だった。 「修行によって鋼の体になる」って設定がいかにも中華!って感じで、そこだけちょっとハマらない。 舞台が中国なので、一部の人物名や地名が漢語読み。 なかなか入ってこないので...

満州を巡る色んな人たちの思惑、夢。 スパイ、情報戦、地政、その辺の話が好きなので好きなタイプのお話だった。 「修行によって鋼の体になる」って設定がいかにも中華!って感じで、そこだけちょっとハマらない。 舞台が中国なので、一部の人物名や地名が漢語読み。 なかなか入ってこないので、つっかえながら読んだ。 物語は時系列で進んでいく。 1人好きな登場人物がいるんだけど、もう退場なのかな…。 下巻が楽しみ。早く読みたい。

Posted byブクログ

2025/07/18

参考文献の量もそうだけど、作家の頭脳の果てしなさを感じることができる。この人の作品は大体そうだけど。すごい。 SFのエッセンスの配分が絶妙。歴史物として冷めずに読める。マジで天才。

Posted byブクログ

2025/07/10

なんの予備知識もなく読み始めて、主人公だと思っていた人が途中で死んでしまい呆然。ちょっと調べてみたら、どうやら主人公は人ではなく、都市とのこと。また日露戦争以降の日本の近代が舞台だけど、自分があまりに歴史に疎く、どこまでが史実でどこからが創作なのかわからない。下巻まで読み終わった...

なんの予備知識もなく読み始めて、主人公だと思っていた人が途中で死んでしまい呆然。ちょっと調べてみたら、どうやら主人公は人ではなく、都市とのこと。また日露戦争以降の日本の近代が舞台だけど、自分があまりに歴史に疎く、どこまでが史実でどこからが創作なのかわからない。下巻まで読み終わったら、歴史を調べてみよう。

Posted byブクログ

2025/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近、ハマりまくってる作家の直木賞作品。 これは期待…!と思って読んでは見たものの、上巻では同著「ゲームの王国」を超えず。 舞台は満州で、現地人・日本人・ロシア人など様々な人種の思惑に揺れる不安定な情勢を描いたもの。 登場人物のキャラクターもなんとなく作者特有の感じがあり、万能感のある細川、超人的な能力の孫悟空、復讐心に燃える娘、温度と時間を言い当てる明男…とにかく「らしさ」が出ている作品。 個人的に「建築には歴史と思想が表れる」という言葉と人とはつまり「熱」と言い切るある種の思い切りの良さのような部分が好み。

Posted byブクログ

2025/07/03

小川哲『地図と拳 上』集英社文庫。 第168回直木賞受賞作、第13回山田風太郎賞受賞作と各界から絶賛された歴史空想小説。 物語はまるで地固めするように極めてゆっくり、じっくりと展開していく。せっかちな自分は冒頭から登場していた日本から満州に渡った密偵の高木が主人公だと思ってい...

小川哲『地図と拳 上』集英社文庫。 第168回直木賞受賞作、第13回山田風太郎賞受賞作と各界から絶賛された歴史空想小説。 物語はまるで地固めするように極めてゆっくり、じっくりと展開していく。せっかちな自分は冒頭から登場していた日本から満州に渡った密偵の高木が主人公だと思っていたら、早々に戦死してしまう。どうやら本当の主人公は高木に帯同し、通訳を務めていた細川と存在しないはずの青龍島を探して海を渡った須野なのだろう。 細川と須野以外にも、ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ、李家鎮という街を乗っ取り、仙桃城と名付けて支配する孫悟空、孫悟空の百八番目の娘、孫丞琳も物語では重要な鍵を握る。 読み応えは十分ある。上巻では、近代日本を産み出す切っ掛けとなった日露戦争から満州国を巡る一連の出来事が描かれる。 日本から満州へ秘密調査のために密偵として送り込まれた高木に通訳として帯同した細川は大陸で過ごすうちに少しずつ逞しく成長する。高木が戦死すると満州鉄道の一員となり、存在しないはずの青龍島を探して海を渡った須野という気象学者に満州という白紙の地図に夢を書き込むよう依頼する。 ロシアの鉄道網拡大のために李家鎮に派遣された神父クラスニコフは、様々な苦難を味わいながらも現地に留まり、教会を運営し続ける。 桃源郷の噂に騙されて李家鎮という街に移住した孫悟空は村を治めていた李大綱を殺害し、新たな頭首となり、日本とロシア、大陸との間で暗躍する。 本体価格830円 ★★★★★

Posted byブクログ