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私の小さな日本文学 の商品レビュー

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2025/10/26

このような本を届けてくれた夏葉社さんにありがたや、と感謝しながら。よい読書時間とはこのことだなあと、みずみずしい小品たちに包まれながら。手のひらサイズの美しい、心地よい、装丁に癒されながら。編者の、温かながら力強い想いに惹かれながら。各作品にそっと置かれている問いがまたとてもとて...

このような本を届けてくれた夏葉社さんにありがたや、と感謝しながら。よい読書時間とはこのことだなあと、みずみずしい小品たちに包まれながら。手のひらサイズの美しい、心地よい、装丁に癒されながら。編者の、温かながら力強い想いに惹かれながら。各作品にそっと置かれている問いがまたとてもとてもよい。一部抜粋。 いつ、大人になったと思うか。→『夏帽子』萩原朔太郎 春が来ると、なぜ悲しくなるのか。→『春の幻』豊島与志雄

Posted byブクログ

2025/05/13

 日本近代文学の掌篇集です。編者は90年生まれの翻訳家・作家のチェ・スミンさん。韓国でひとり出版社、24時間営業の独立書店の代表をつとめているそう。手のひらサイズで装幀も美しく(ブクログ本棚に書影が写らず残念)、夏葉社・島田さんの丁寧な仕事が光ります。  全16篇中3篇以外は、...

 日本近代文学の掌篇集です。編者は90年生まれの翻訳家・作家のチェ・スミンさん。韓国でひとり出版社、24時間営業の独立書店の代表をつとめているそう。手のひらサイズで装幀も美しく(ブクログ本棚に書影が写らず残念)、夏葉社・島田さんの丁寧な仕事が光ります。  全16篇中3篇以外は、チェ・スミンさん自身の翻訳により韓国で出版されており、本書のあとがきはチェ・スミンさんが日本語で書いています。特徴的なのが、全16篇の直前ページで、チェ・スミンさんが短い問いを発している点です。「他人の痛みに共感できるか」「私は私らしく生きているか」等々…  各掌篇と問いが呼応しているのは間違いありません。チェ・スミンさんが読後脳内に生まれたであろう問いで、読み手への想いや願いでもあるのかと気になり、思わず数篇読む途中であとがきを読んでしまいました。  素晴らしいあとがきでした。自問自答の原点は、大学の卒論だったのですね。そこからの生き方の模索、古い著作権フリーの文学、知られていない宝石のような作品の掘り起こし…。  確実に文学で過去と現在、人と人をつなげているチェ・スミンさん。まだ35歳とお若く、その姿勢に敬服し賛同する人は多いでしょう。  自分で問いを発し、自分なりの答えを求め考えることの意義と大切さを教えられました。そして何よりも、本書を手にしなければ一生読まなかったであろう作品との出会いに、感謝したいと思いました。

Posted byブクログ