ラブカは静かに弓を持つ の商品レビュー
表紙とタイトルからライトノベルっぽい感じがするけど、とても素敵な面白い中身の濃い音楽小説です。音、音楽を言葉で表現するって難しいと思うけど紙面からチェロの響きが聴こえてきそうな素晴らしい文章。私もバッハ好きなので共感度も高かった。キャラクターも魅力的で会話のテンポも良く、企業スパ...
表紙とタイトルからライトノベルっぽい感じがするけど、とても素敵な面白い中身の濃い音楽小説です。音、音楽を言葉で表現するって難しいと思うけど紙面からチェロの響きが聴こえてきそうな素晴らしい文章。私もバッハ好きなので共感度も高かった。キャラクターも魅力的で会話のテンポも良く、企業スパイ業務を巡る緊張感とチェロの音色の美しさが交錯してイッキ読み。タイトルの意味も読んでいくと納得の物語で、声優さんの書いたあとがきまで読み応えがありずっと手元に置いておきたい本です。「蜜蜂と遠雷」以来の感動でした。
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こういう誰も死なないスパイ?ものってありそうでなかなかない 予想に反して面白かった スパイ?関連のところはボリュームあるけど、もうちょっと音楽の描写がほしかった。 やっぱ音楽題材にしてるものだとどうしても「蜜蜂と遠雷」を思い出してしまう。
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今期最高。嘘がバレないかのヒヤヒヤさもあるが音楽教室を通じて人間関係を築き青春も感じられて素敵であった、
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「おまえは自分から切り離してしまったものを、また手繰り寄せられるような人間じゃないと思ってた」 浅葉先生の言葉、沁みます。チェロ講師としての自分と企業サラリーマンとを比較している所や、自分自身もまた迷ったりしている一人であるという、とても人間らしい。 登場人物はどれも人間らしく...
「おまえは自分から切り離してしまったものを、また手繰り寄せられるような人間じゃないと思ってた」 浅葉先生の言葉、沁みます。チェロ講師としての自分と企業サラリーマンとを比較している所や、自分自身もまた迷ったりしている一人であるという、とても人間らしい。 登場人物はどれも人間らしく、組織や団体、個人としての顔があること。 物語としてとても魅力的であることに加え、どこか自己啓発を読んだ後の様な読了感。 実写、見たいけど、チェロ協奏曲を聴きながら読み進めた自分の体験止まりにしておきたい気もする。 "戦慄き"初めて読みました。
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じーんと癒されていく話だった。平凡過ぎる毎日で自分の人生なんてと思ってしまった時にはこの本を読みたい。話の最後の橘くんとチェロ講師の浅葉先生のやりとりは涙腺崩壊だった。
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音楽教室にスパイとして潜入し著作権侵害調査を行う橘とチェロ講師の浅葉の物語。この設定の時点で、いつ露見するのかが気になって加速気味に読了。チェロの音色をじっくり聴きたくなる作品。浅葉の懐の深さに脱帽です
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ハードボイルド作品に与えられることの多い大藪春彦賞を受賞したスパイ小説と聞き、007ばりに国家間の諜報戦が繰り広げられるのかと思ったら全然違ってた。馳星周が審査員だったら絶対賞は獲れなかっただろうなあと想像するけど、それはそれとして非常に現代的なスパイ小説といえる良作だと思う。 ...
ハードボイルド作品に与えられることの多い大藪春彦賞を受賞したスパイ小説と聞き、007ばりに国家間の諜報戦が繰り広げられるのかと思ったら全然違ってた。馳星周が審査員だったら絶対賞は獲れなかっただろうなあと想像するけど、それはそれとして非常に現代的なスパイ小説といえる良作だと思う。 なぜ現代の日本でスパイなのかという点に関しては、なかなか面白いアイデアだなと感心したし、言語化するのが難しいといわれる音楽の描写も素晴らしかった。 主人公とチェロ講師2人の青年の深層心理の描きこみは中盤まで薄味だけど、人間関係が表層的になってきている現代においては逆にリアリティを感じられる。 マイナスポイントはスパイ活動が露見してからの展開が予想通りでやや物足りなかった点ぐらい。本屋大賞2位も納得。 ところで本作、間違いなく映像向きの作品なのだが、果たしてJASRACに忖度せず映像化できるのだろうか。
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読みやすく、わかりやすい。主人公が楽器や人との関わりを通して、人生を楽しんでいけるようになる様子が面白い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
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