きりぎりす の商品レビュー
独白。女々しくなくさっぱりしてた。 素敵な女性だなぁと思った。 男性一人称のはかなり女々しく感じるけど、女性一人称のは相手の男性が悪く見える。やはり太宰治の作品の男性登場人物はクズっぽい。
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太宰治の凄さかな。今読んでも古びれず。清貧な心と愛情深い人。価値観の相違は、如何ともし難いか。夫婦間で、この真逆もありかも。それは、見合いでは、見抜け辛いであろう。いやはや…。
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これは何とも…奥さまの心が美しすぎる。 裕福=幸せではないこと。 人間として忘れてはならないことがあるということ。 奥さまの心が最後まで人間として描かれていのが何とも切ない。 絵も儚い感じがしてとても合っている。
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乙女の本棚シリーズの一冊。このシリーズを読むのは、これで12冊目だが、今のところ乙女でない自分にとっては、これがベスト。文章と絵のバランスがいい。太宰のこの告白体は、名人芸。絵も抑制が効いている。初老にはこれくらいがいいのだが、乙女には物足りないのだろうか。
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読み終わって、ほおっと嘆息が漏れました。 これは、19歳で風采の上がらない貧しい画家に嫁ぎ、5年間の結婚生活を経て、夫となった男の本性が少しずつ露わになる中で、その違和感に苦しんだ挙句に、別れを告げることを決意した妻が、夫にしたためた手紙です。 「おわかれ致します。あな...
読み終わって、ほおっと嘆息が漏れました。 これは、19歳で風采の上がらない貧しい画家に嫁ぎ、5年間の結婚生活を経て、夫となった男の本性が少しずつ露わになる中で、その違和感に苦しんだ挙句に、別れを告げることを決意した妻が、夫にしたためた手紙です。 「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。」で始まる太宰独特の語り口は、淡々と、しかし、ひりひりと妻の心情を伝えます。 本の帯に書かれた「小説としても 画集としても 楽しめる 魅惑の1冊」という言葉そのままに、しまざきジョゼさん書き下ろしのイラストは、読解を助けるとともに、作品の風情を視覚化して空気感を画にしているかのようです。 しっとりした雰囲気は、雲一つない青空を見上げて読むよりも、雨がそぼ降る少し肌寒い昼下がりに静かにページを繰るほうが似合うと思います。 士族の出、華族の出という言葉がでてくる時代背景の中、妻の和服姿の佇まいは美しくて切なさすら漂います。 「乙女の本棚」シリーズ第46弾の本作は、画家の話ということも相まって、画集のように本棚に置いて時折手にとるのに相応しい作品です。 タイトルの「きりぎりす」は、なぜこのタイトルなのか不思議に思うころに出てきます。表紙の意味が分かる瞬間です。 キィキィといった心細げな鳴き声と、痩せた(でも凛としている)キリギリスといったイメージが脳裏に浮かび上がることでしょう。おたのしみに♡ 今の乙女とかつての乙女の皆様におすすめいたします♡
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※このレビューにはネタバレを含みます
「乙女の本棚」シリーズ、太宰治・きりぎりす。19歳の私はとある画家の作品に魅力を感じ、この画家と結婚したいという願望に溢れる。この画家は家族の評判は悪く、身内から愛想を尽かされ、酒におぼれ、展覧会に画を出さない、左翼らしい、美術学校を本当に出ているのか?私は貧乏であるが、生活を楽しめた。しかし、夫が偉く、有名になり、人の悪口を言うようになる。妻はそんな夫と別れる決意をする。この作品は太宰自身への戒めの作品なんだろう、すなわち、清貧で、憂愁で、孤高を保ちながら創作していくことへの決意だったんだろうか。⑤
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