オール電化・雨月物語 の商品レビュー
変なタイトルと思ったけれど、“オール電化”して近未来SFになった“雨月物語”だった。表紙のネオン感がドンピシャ。なのに雨月物語の質感があるんだよね。前の短編にできたアイテムが再登場して面白い。お気に入りは教授の神隠し「アオズキン」かも。
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くもん出版の児童書、「マンガで先取り古典 雨月物語」をこの本を読む前に予習を兼ねて読んで見ました。「愛と怨念と憎悪の物語の短編集」と言う感じを抱いたのですが、この本は雨月物語の各章を近未来の電化製品を絡めてオマージュしたような作品、そして近未来でありながら怪異感満載。どの話もさら...
くもん出版の児童書、「マンガで先取り古典 雨月物語」をこの本を読む前に予習を兼ねて読んで見ました。「愛と怨念と憎悪の物語の短編集」と言う感じを抱いたのですが、この本は雨月物語の各章を近未来の電化製品を絡めてオマージュしたような作品、そして近未来でありながら怪異感満載。どの話もさらっと流して読むとミステリ仕立て、深く読み込むとまさに愛と怨念と憎悪、不思議と切なさと妖しさ、薄ら寒くなるような怖さ。短編集なので非常に読みやすくどれも面白かったのですが、最後の「アサヂが宿」お勧めというか最後ゾクッと来ました。
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「雨月物語」‥タイトルは聞いた事ある、コワイ話なんだろうな、ぐらいの認識で、読んだことはない。 でも、これを元にしてるのだったら読んだ方がいいでしょう、と思い、「雨月物語を一編」→それを元にした本書の一編」という感じで読むことにした。 「雨月物語」の話をベースに、時代は現代に置き換え、アレンジして、電化製品を必ず物語にからませる。アレンジはいいとして、何故電化製品を?このキテレツな設定は、普通は考えつかない。発想の勝利だと思う。 元々の話が、うすら怖い感じの怪談で、オール電化でも雰囲気はそのまま、うまく現代風にしてある。電化製品のからませ方も違和感なく、なるほど〜という感じ。だいたい、後味悪く終わる。 私がいいなと思ったのは、「菊花の約(ちぎり)」→「キッカの契り」。元は、友人との約束を守る為に自死を選ぶという、現代人からしたら「そこまでしなくても!」という話なのだが、これを、高校生が主役の甘酸っぱい話に仕上げてある。せつないラストなのは変わらないけど、いい話だった。 後は、「青頭巾」→「アオズキン」と、「貧福論」→「ヒンプク論」が、後味悪くない。 本書だけでも十分面白いのだけど、余裕があれば、「雨月物語」から読むことをお勧めしたい。この話が、こう来るかー、と、楽しめる。
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たまたま手に取った1冊。作家さんの名前もピンと来ないし、派手な表紙に謎のタイトル。 読み始めると、読みやすくて面白かった。 近未来の家電がリアルで。なるほどと人に話したくなる。それにホラーが合わさって、すごく面白かった。
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【収録作品】シラミネ/夢応のリギョ/ブッポーソウ/アオズキン/蛇性のイン/キッカの契り/ヒンプク論/キビツの釜/アサヂが宿 古典「雨月物語」を、近未来の怪談として書き換えた物語。 「シラミネ」 原典は「白峰」。化粧品メーカーの跡継ぎ問題。 「夢応のリギョ」 原典は「夢応の鯉魚」。遠隔手術システムの執刀医と患者の不思議な邂逅。 「ブッポーソウ」 原典は「仏法僧」。深夜のコインランドリーに現れる不思議な少女とその従者たち。女性Vtuber2人の友情と嫉妬、別れを描く。 「アオズキン」 原典は「青頭巾」。着用するだけで涼しくなる装置が「アオズキン」。その開発者の失踪事件。 「蛇性のイン」 原典は「蛇性の婬」。廃屋を潰れたラブホテル(inn)に置き換え、執念深い蛇に魅入られる怖さを描く。 「キッカの契り」 原典は「菊花の契り」バーチャル空間の友情。オンライン空間「Kikka」の中で出会ったアカナと共に、ゲームの世界大会を目指す祐介だが、アカナの死を知る。 「ヒンプク論」 原典は「貧福論」無人タクシーにお金の精が現れる。 「キビツの釜」 原典は「吉備津の釜」。鳴釜神事を、音を発する電気釜に変更。見合いの席で、正太郎は曰く付きの古めかしい炊飯器を見せられる。 「アサヂが宿」 原典は「浅茅が宿」。沖ノ鳥島に単身赴任中の妻と彼女を待つ夫の物語。 因果応報ともいうべき結末は納得。 「キッカの契り」はきれいに現代に置き換えられているが、切ない。
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雨月物語ってどんなのだったかしら…。知らなくても面白いが、知ってたら電化加減がもっと楽しめたのだろう。「菊花の契り」とか特に元ネタが気になる。
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上田秋成の古典怪談『雨月物語』をベースに、近未来の家電やデジタル技術を絡めて現代風にアレンジした9つの短編からなるホラー小説集。原作の『雨月物語』の9話それぞれをモチーフにしつつ、現代のテクノロジーや人間の業を巧みに織り交ぜたユニークな作品になってる。
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「シラミネ」 私利私欲のために。 いくら創業者の身内だからといって、こんな使い方をしていたら遠くない未来に破産するしかなくなるだろう。 「夢応のリギョ」 アリバイと目撃者。 どちらも話しているのが一人の人物だからこそ厄介ではあるが、調べていけば答えは見えてきそうな事件だな。 ...
「シラミネ」 私利私欲のために。 いくら創業者の身内だからといって、こんな使い方をしていたら遠くない未来に破産するしかなくなるだろう。 「夢応のリギョ」 アリバイと目撃者。 どちらも話しているのが一人の人物だからこそ厄介ではあるが、調べていけば答えは見えてきそうな事件だな。 「ブッポーソウ」 選ばれたのは相方。 先に作曲を始めたのが自分であったからこそ、余計に祝う気持ちよりも妬ましい思いが大きく育ったのだろう。 「アオズキン」 開発のために必要。 もしも世に流通させるほど生産できたら、すぐに売り切れが出そうなぐらい画期的な発明品になっていただろ。 「蛇性のイン」 人ならざるものは。 出会った時に魅入られてしまったのだろうが、重要な記憶だけが抜け落ちて繰り返す現実は精神が危ういだろ。 「キッカの契り」 成績があがった訳。 連れ去られた時点で母親が助けを求めていたのならば、見つかり辛い場所で隠れて暮らし続けていたのだろう。 「ヒンプク論」 節約をもっとうに。 厳しい生活をしなければいけない不満はあったとしても、必要な場面でなければ何もすることができないだろ。 「キビツの釜」 大きな音が鳴って。 信用できるものであったとしても、こんな単純なものに重要な選択を決めてもらうなんて普通はしないだろう。 「アサヂが宿」 意見が合わなくて。 拒み続けても話を聞いてくれないのであれば、説得を諦めて離婚して新たな生活を始めるのが一番だっただろ。
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雨月物語をもとに創作された電化製品が絡む怪奇現象がおきる9つの話。今まで読んだことのない感じ。原作を知らなくても問題なく楽しめる。怖いというより不気味で気味の悪い結末が多かった。
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最初は雨月物語も知らないし、話も微妙かも…って思いながら読んでたけど、どんどん話に引き込まれた。面白かった。
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