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宙ごはん の商品レビュー

4.5

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    65

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

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2025/07/31

泣いた。話が進むうちに、登場人物の過去がみえ、印象が変わっていく。主人公と一緒に振り回される気分。何度も読み返したくなるお話だった。

Posted byブクログ

2025/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいる途中、なんか人間って不器用だなと急に思った。勝手に1人で抱え込んで、悩んで、簡単に駄目になってしまう。周りに助けを求められず、周りからの声に気がつかない。優しい人ほど不器用で、1人でなんとかしようとしてしまう。 愛し方も愛され方もわからないまま大人になるって哀しいことだ。愛を感じていても伝え方がわからず、誰かからの愛を受け止める方法もわからない。でも、愛なんて形のないもので、その人が持つ愛の大きさなんて誰にもわからない。愛をいっぱい注いでいるように見えても、愛がないように見えても、それがそのまま愛の大きさであるとは限らない。愛し方も愛され方もその人次第なのだろう。 登場人物はみんないろいろなものを抱えながら生きていて、この本では、それを知る前、必死に悩みまくる最中、乗り越えた後、彼らがどう生きているかを見られるところがとてもよかった。 謝罪は自己満足だと自覚したのは、大人になってからだった気がする。結局自分のために謝罪を押し付けて、勝手に終われた気持ちになってしまう。あと、宙の父親のいじめの話で、無邪気にそれを楽しんでしまう人がいるのだと知った。無邪気さと想像力のなさは近くにある。人間関係の中で想像力って本当に大切だなと改めて感じた。 人の成長は尊い。不器用ながらにもがいて生きていくしかない中で、人はどんどん変わっていく。良くも悪くも変化する。正しい生き方なんてわからないけど、試行錯誤していくしかない。いつか笑って生きていけたらいい。

Posted byブクログ

2025/07/27

宙ごはんというタイトルと、表紙の雰囲気からほっこりした物語なのかと思っていたら、全然違いました。町田さんの作品なのだから、そんな単純な物語なわけない事を忘れていました。 簡単に言えば身勝手な大人に振り回される子供たちの話ですが、その大人達も実は身勝手な大人に振り回された子供たち...

宙ごはんというタイトルと、表紙の雰囲気からほっこりした物語なのかと思っていたら、全然違いました。町田さんの作品なのだから、そんな単純な物語なわけない事を忘れていました。 簡単に言えば身勝手な大人に振り回される子供たちの話ですが、その大人達も実は身勝手な大人に振り回された子供たちだった。 でも美味しいごはんを食べて傷ついた身も心も少しずつ癒されていく。ほっとして、また次の話を読むともっと辛い出来事が起こって…の連続だったので、なかなか読んでいる方も辛かったです。 特に5話は、それぞれの登場人物の気持ちがよくわかるので、涙がこぼれてしまいました。 でも、各章もそして物語の最後もちゃんと救いがあって良かったです。

Posted byブクログ

2025/07/25

主人公の宙と破天荒に見える母親の花野を中心に展開する家族の物語。登場人物の多くが何かしらの傷を抱えているが、料理や周りの人たちの持つ力で再起していく。いわゆる「負の連鎖」が断ち切られるようで、心地よい読後感。最後に収録の掌編も良き。

Posted byブクログ

2025/07/20

私、正直町田その子って体に合わないんだと思ってた。 この本はドンピシャだった、というか佐伯がドンピシャだった。 佐伯がいなければこの物語は何一つうまくいかなかったと思う。 あと私自身も食べることに対してものすごく重いと思ってるからそれも刺さったのかも。 人生で誰かの佐伯になれる...

私、正直町田その子って体に合わないんだと思ってた。 この本はドンピシャだった、というか佐伯がドンピシャだった。 佐伯がいなければこの物語は何一つうまくいかなかったと思う。 あと私自身も食べることに対してものすごく重いと思ってるからそれも刺さったのかも。 人生で誰かの佐伯になれるように、頑張りたい。

Posted byブクログ

2025/07/18

すごい。町田そのこさんの作品は、キャラクターと会ったことがあるんじゃないかと思わされるくらい、鮮明にその人の身なりや状況を浮かべることができる。 物語も長い時の流れで描かれていく作品だったけど、時間の流れ方が繊細でなのにすごく長い時間、その人たちを見ているかのように引き込まれた...

すごい。町田そのこさんの作品は、キャラクターと会ったことがあるんじゃないかと思わされるくらい、鮮明にその人の身なりや状況を浮かべることができる。 物語も長い時の流れで描かれていく作品だったけど、時間の流れ方が繊細でなのにすごく長い時間、その人たちを見ているかのように引き込まれた。 作中にもあったが、私もきっと小説を読む中で自分の中の答えや共感を求めているなあと感じた。 町田そのこさんの作品は、その答えや心の中のモヤモヤを素直に引き出してくれる。 今の私にとってピッタリな作品だった。 あったかい。 また読み返したい作品だった。

Posted byブクログ

2025/07/17

与えられたやさしさはきっと誰かに連鎖してその次の誰かに与えられる。 とてつもなく悲しいことや心が温まるような嬉しいこと、出会いと別れ、そんな全てを経験しながら変化して成長するのが生きることだと思った。

Posted byブクログ

2025/07/15

 2022年11月以来?の再読。  帯に特典収録ということで、2022年に読んだ中で今でも心に残っている作品で、町田そのこ先生作品との出会いでもある本作品。  単行本持ってるから良いかと思っていたのですが、特典と解説が寺地はるな先生ということで、文庫版で再読いたしました。 ...

 2022年11月以来?の再読。  帯に特典収録ということで、2022年に読んだ中で今でも心に残っている作品で、町田そのこ先生作品との出会いでもある本作品。  単行本持ってるから良いかと思っていたのですが、特典と解説が寺地はるな先生ということで、文庫版で再読いたしました。  物語は育ての母と生みの母の2人の母をもつ宙が小学生になって生みの母と一緒に生活をするというお話。  宙の産みの母がまぁまぁなダメ親で読み返してみても第1話目、第2話目は再読で先がわかっているとはいえ読むのが辛い。  でも、やっぱり家族って良いなと思わせてくれる作品だなと思います。  そんな私は初めて読んだ時は、家族っていろんな家族がいて、完璧な家族なんていない、だからあなたの家族観を押し付けるべきじゃなくてそれぞれの家族が自分として家族として長い時間かけて成長すればよいのだなということを知った作品でした。  そこから約3年の月日が経ち、私も家族のことでいろいろなことがあったというのもあるのですが、本作品は、読んでいて大切な家族のことを思い出して、自分は今、家族にどういうことをしたいのかあるいはしてほしいのかということを読みながら自分に問いかける。宙や生みの母親である花野、あるいは登場人物や登場人物の家族を通して、自分自身や自分の家族を思い浮かべることが多いなと感じました。  そして、私がやりたいことは、家族と一緒に夕ご飯を食べたり、家族と一緒に過ごす時間を増やしたいなと思いました。  家族との時間がとれないとか、家族と一緒に過ごしたい、もっといろいろな会話をしたいなど、やりたいことや最近の悩みはこれだなと気が付きました。  ただ、作中の登場人物たちの成長だけを描いているわけではなく、登場人物を通して、気が付けば大事な家族が頭に浮かんでくる。  本作品はそういう作品なのだなと思いました。

Posted byブクログ

2025/07/14

ほのぼのしたい時、読むと暖かい気持ち。全ての子供の周りには暖かい大人と温かいご飯があるといいなって思う。

Posted byブクログ

2025/07/10

優しい気持ちが溢れてくる作品 小学生の宙のあまりにも大人びた感情描写が違和感ありありでしたが… 読んでいて「エミリの小さな包丁」を思い出しましたよ。 「宙ごはん」ってタイトルなんだし、もっと料理を全面に出した方がよかったなぁ

Posted byブクログ