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司馬遼太郎の「跫音」 の商品レビュー

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2025/06/21

最近、関川夏央の本が新たに発行されることが多い。岩波からは、2025年になって、2月に本書、そして3月に「文庫からはじまる」が出版されている。昨年から今年にかけては、中公文庫から「私説昭和史」と副題のつけられた3冊がシリーズで発行されている。 関川夏央は、まだ書いているが、194...

最近、関川夏央の本が新たに発行されることが多い。岩波からは、2025年になって、2月に本書、そして3月に「文庫からはじまる」が出版されている。昨年から今年にかけては、中公文庫から「私説昭和史」と副題のつけられた3冊がシリーズで発行されている。 関川夏央は、まだ書いているが、1949年の生まれ、今年は76歳になる年であり、若い頃ほど、多くを書いていないはずである。ことしから昨年にかけて新たに発行されたものは、本書を含めて、これまでに発表されているものを編集し直したものである。 本書は司馬遼太郎についてのものである。本書を読めば、司馬遼太郎がとんでもない知識人であったことが理解できるし、同時に、関川夏央もたいした人であることが分かる。関川夏央の本を多く読んでいる人であれば分かると思うが、関川夏央はどちらかと言えば、「偽悪化」であり、自分が努力してきたこと、勉強を尋常ではなくしてきたことを、ことさらに隠したがる。しかし、岩波からもう1冊、ほぼ同時期に発行されている「文庫からはじまる」や、本書を読めば、それが照れ隠しであることがよく分かると思う。

Posted byブクログ