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いえ の商品レビュー

4.1

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    10

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2025/05/30

小野寺さんのこのシリーズは心が温かくなるので好みの小説です。 これまでのシリーズの登場人物が何気なく登場ししていて世界観がこれまでの延長線にあることがとても素敵に感じられます。 主人公の傑と妹の若緒、そして父、母、どの人物も感情が繊細に描かれておりリアルでした。

Posted byブクログ

2025/05/22
  • ネタバレ

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何もかもに敏感になって心が尖っていた傑が、少しずつ柔らかくなって周りを受け入れて許せるようになっていくのがよかった。特に泉田さんの件で、最終的に家族のことまで話を聞けて打ち解けられたのがすごく嬉しかった。 それから単純に若緒は大人だなと思った。自分が同じ立場だったら彼氏を恨むかもとか。でもきっとこの話が始まるより前に、事故にあったその時からたくさん考えて悩んで今の状態まで気持ちを持ってこられたのかもしれないな。

Posted byブクログ

2025/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回は早々におかずの田野倉が登場。前回の「まち」では後半だっただけに、前半の50ページで登場につい微笑んでしまう。 それに江藤くんも登場するからその後も分かる。 いえの次はあるのかな?

Posted byブクログ

2025/05/10

「ひと」「まち」に続いてこちらも読みました。 相変わらずの淡々とした文章。なのに、情景や心情が滲み出る。 今回は家族にあった出来事を軸に、主人公の心情の変化が描かれています。 何か決定的なことがあったわけではないですが、時の流れや、出会った人、身近な人の言葉や関わりが主人公の気...

「ひと」「まち」に続いてこちらも読みました。 相変わらずの淡々とした文章。なのに、情景や心情が滲み出る。 今回は家族にあった出来事を軸に、主人公の心情の変化が描かれています。 何か決定的なことがあったわけではないですが、時の流れや、出会った人、身近な人の言葉や関わりが主人公の気持ちを少しずつほぐしていったのかな、と思います。 そしてそれは、妹の若緒もそうだったのだと思います。 当然、彼女の気持ちは兄である主人公も、読み手にもわかりません。どこかさっぱりと、泰然としているような。でもきっと、苦しんで折り合いをつけていったのかな、と。 もしかしたら、彼女からは兄もそう見えていたのかな、と思わせられます。 登場人物の色々な気持ちを考えて読むとまた違った味わいになりそう。 時間とかかわり... 起こったことは変えられないけど、感じ方は変えられるのかも、とそう思いました。

Posted byブクログ

2025/05/09

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01437755

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2025/04/29
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ひと、いえは前に読んだことがあって好きな作品なので今回のいえも読む前からワクワクしました! 今回の「いえ」もやはり人と人とが実際にしそうな会話や出来事を読みやすく書いているなと感じます。 生きていると色々な人と出会いますが人間関係は楽しい事も辛い時もある事を分かりやすく教えてくれる本です。 家族、恋人、友達、仕事等で悩みがある主人公が終盤には気持ちを整理してわだかまりを無くして綺麗な終わり方をするのが読んでいて清々しかったです。

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2025/04/26

ちょっと衝撃だった 平凡な家庭に起きた悲しい事故 リアルに想像できるので、たちまち感情移入し 胸が痛んだ 自分の家族に不幸をもたらした人がいたら その人を恨んだり憎んだり罵ったりして 人は心の均衡を保つのかもしれない それができなかった時 胸の内で膨らんだ負の感情がちょっと...

ちょっと衝撃だった 平凡な家庭に起きた悲しい事故 リアルに想像できるので、たちまち感情移入し 胸が痛んだ 自分の家族に不幸をもたらした人がいたら その人を恨んだり憎んだり罵ったりして 人は心の均衡を保つのかもしれない それができなかった時 胸の内で膨らんだ負の感情がちょっとした隙間から 漏れ出して周りに毒を撒き散らす そんな様子がよく表れている 文中の  よく、人は変われますよと言うけれど  変われる部分もあるだけ  ものの感じかたは変えられない  でも感じた後の行動は変えることができる というところが良かった 胸に刻もうと思う そして、ハンドルを握った時 特に、右折する時には充分な注意を払おうと思った

Posted byブクログ

2025/04/25

『ひと』『まち』と読んで、 こちらもまた、するすると読み終えてしまいました。コミュニケーションは、改めて大事だなって感じました。モヤモヤしてる事も相手と話す事で自分の気が晴れる。避けたいところをあえて向き合う。そして、前進する。良い話でした。

Posted byブクログ

2025/04/23

小野寺作品はさらさらと読みやすいのに、なぜか自分のなかに印象が強く残るからか、新作が出ると手に取ってしまう。 主人公が出会う人や交わすコミュニケーションのすべてに意味がある訳ではないため、この手の作品が苦手な人もいるかもしれない。私は一つ一つの出来事が主人公のなかにひらひらと降り...

小野寺作品はさらさらと読みやすいのに、なぜか自分のなかに印象が強く残るからか、新作が出ると手に取ってしまう。 主人公が出会う人や交わすコミュニケーションのすべてに意味がある訳ではないため、この手の作品が苦手な人もいるかもしれない。私は一つ一つの出来事が主人公のなかにひらひらと降り積もっていくイメージを持った。近所の青年との何気ない会話、空を見上げたときに見えた月、散歩しながら考えたこと。ほんとに小さな、日記に書くほどでも、友人に話すほどでもないことたち。そんな無数の小さな出来事を積み重ねて私たちは生きているんだなぁ、と当たり前のことを感じた。 その降り積もったものたちがいつの間にか山のようになり、ある閾値を越えたとき「もうだめだ」と思ったり「これじゃだめだ」と思ったりする。主人公がスーパーでの偶然の出来事に背中を押されて、ドミノ倒しのように周りの人たちとそれまでと少し違う向き合い方をしていく様は痛快だった。 なんだか分かるような気もする。現実を一気に大きく変えることは難しいけれど、一つできてしまえば他のあれこれも少しずつ変えていくことができる。一度腰を上げてしまえばついでに、と他のことにも向き合いやすくなるように。 傑や若葉が言うように、結局は気の持ちようなのだろう。川上に向かうほうが前向きなのか、川下に向かうほうが前向きなのか、決まっていないように。だけど実際は、納得できないことがあったり努力が空回りしたりで、物事を前向きに捉えられるようになるまでに時間を要することは多い。少なくとも私は。 私が大河なら、きっと事故を起こした責任を感じて若葉とは別れられない。別れることでお互いが前向きになれるとしても、責任から逃れて若葉を見捨てているようで。若葉の親や傑に別れたことをどう捉えられるかも気になるし、何より自分が自分を見る目が変わってしまう気がする。自分は所詮こんな奴なんだ、と。 だけど若葉は強かった。傑の彼女が言うように、まさに気合いが入ってる人だ。人の目を気にして付き合い続けても楽しくないし、そんな付き合いを望んでないと別れを切り出した。大学生とは思えないほど成熟している。いや、事故が彼女をより一層成熟させたのかもしれない。 やはり今作も、私のなかに強い印象を残してくれる作品だった。

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2025/04/11

『ひと』『まち』に続く第3作。前作と同じく江戸川区平井を舞台にして、前作の主人公も登場する。 前2作が、特殊な境遇を一人で生きていく若者の物語であったのと違い、本作は平凡な家庭の、どこにでもいそうな平凡な若者が主役。 妹の身に起こった不幸な出来事という特殊な背景を除けば、誰もが...

『ひと』『まち』に続く第3作。前作と同じく江戸川区平井を舞台にして、前作の主人公も登場する。 前2作が、特殊な境遇を一人で生きていく若者の物語であったのと違い、本作は平凡な家庭の、どこにでもいそうな平凡な若者が主役。 妹の身に起こった不幸な出来事という特殊な背景を除けば、誰もが悩むことに悩む姿を等身大に描く。 母に電話することで、彼の中で何かが吹っ切れでは以降、前向きな行動が連鎖することで停滞した状況に光明が差していく様は爽快。 そう、ちょっとした勇気をもって一歩踏み出すことで人生は大きく変わっていくのだ。 主人公の妹とカノジョの人間性が出来すぎなくらい素晴らしい。彼女たちの弱さもどこかで描いてくれれば、もっと深みのある話になったようには思う。

Posted byブクログ