毛糸のズボン 直野祥子トラウマ少女漫画全集(文庫版) の商品レビュー
収録作は、 マリはだれの子(『別冊なかよし』1971年5月号) 毛糸のズボン(『なかよし』1971年5月号) おつたさま(『少女フレンド』1971年8月24日号) 宿題(『少女フレンド』1971年9月21日号) ひも(『少女フレンド』1971年9月28日号) かくれんぼ(『少女...
収録作は、 マリはだれの子(『別冊なかよし』1971年5月号) 毛糸のズボン(『なかよし』1971年5月号) おつたさま(『少女フレンド』1971年8月24日号) 宿題(『少女フレンド』1971年9月21日号) ひも(『少女フレンド』1971年9月28日号) かくれんぼ(『少女フレンド』1971年10月5日号) 復讐(『少女フレンド』1971年10月12日号) こじきの死(『少女フレンド』1971年10月19日号) はじめての家族旅行(『なかよし』1971年10月号) 首かざり(『なかよし』1971年11月号) 雨(『別冊なかよし』1971年11月15日号) シャイアンの大わし(『少女フレンド』1972年2月22日号) 血ぞめの日記が空に舞う(『少女フレンド』1972年10月3日号) へび神さま(『少女フレンド』1973年2月20日号) 大人の何気ない言葉が子供の感情や行動を歪めてしまう話、 もしかしたらと不安に駆られ、杞憂に終わればいいのだが、 実はやっぱり……という結末など。 結局人間が一番怖い系ホラー群。 ですけども。 個人的に最もゾワゾワしたのはラストの「へび神さま」。 奇怪な因習に支配された山間の村で行われる儀式。 そこには〈白へびさま〉に仕える巫女を選抜して 捧げる習わしがあるのだが……ただただ気持ち悪いのよ。 ※後で細かいことをブログに書くかもしれません。 https://fukagawa-natsumi.hatenablog.com/
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直野祥子『毛糸のズボン 直野祥子トラウマ少女漫画全集』ちくま文庫。 なるほど、直野祥子は『月刊漫画ガロ』出身の漫画家であったか。確かに画風やちょっとブッ飛んだ感覚は『ガロ』っぽい。学生時代、ジャズ喫茶で『月刊漫画ガロ』を読みながら、珈琲を啜っていたのを思い出す。 『月刊漫画ガ...
直野祥子『毛糸のズボン 直野祥子トラウマ少女漫画全集』ちくま文庫。 なるほど、直野祥子は『月刊漫画ガロ』出身の漫画家であったか。確かに画風やちょっとブッ飛んだ感覚は『ガロ』っぽい。学生時代、ジャズ喫茶で『月刊漫画ガロ』を読みながら、珈琲を啜っていたのを思い出す。 『月刊漫画ガロ』でデビューした直野祥子は、その後、『少女フレンド』や『なかよし』で連載をしていたようだ。 1970年代に少女漫画雑誌に掲載されたトラウマになるような少女漫画の数々。当時はコンプライアンス的に問題無かったかも知れないが、現在ならアウトという表現も多く、時代の流れを感じる。 本作では著者による全収録作への自作解説付きとなっている。随分と印刷が酷いなと思ったら、元原稿が阪神淡路大震災で焼失してしまったため、掲載誌から起こしたためであるらしい。 『マリはだれの子』。子供の頃に誰もが経験するようなことをトラウマレベルにまで仕上げた作品。大人が話したほんの些細なことでも子供は異常に気にするのだ。トラウマ度★★★★★ 『毛糸のズボン』。昔の子供はジジ、ババに異常に可愛がられたものだ。可愛さ故の行き過ぎが、イヤになることもある。『マリはだれの子』と同様、救いの無い結末はトラウマだ。トラウマ度★★★★ 『おつたさま』。正統派の怪談ホラー。現代のSNSやネットの世界で囁かれるウワサよりも、昔のように口伝てで伝わるウワサの方が破壊力があるような気がする。トラウマ度★★★ 『宿題』。そこまでトラウマにはならないような話。むしろ、あるある話ではないか。夏休みの宿題で思い出すのは、自分の7歳下の弟が小学1年生の頃、夏休みの終わる3日前の段階で全く宿題をやっておらず、家族全員で徹夜で片付けたことだ。読書感想文にドリルに絵日記を何とか終わらせ、工作は自分の作った木彫りのドラえもんで誤魔化した。それが小学1年から6年くらいまで続いたのだから呆れてしまう。トラウマ度★★ 『ひも』。テレビのサスペンスドラマになりそうな話。『毛糸のズボン』と同様『ひも』が重要な鍵を握る。勘違いから自らの犯した罪に一生苦しむことになる少女。トラウマ度★★ 『かくれんぼ』。昭和の子供の遊びの定番、かくれんぼ。かくれんぼの最中に居なくなった3歳の子供が12年後に九州で見付かる。昭和の頃は子供の誘拐事件が多かった。 『復讐』。勘違いの復讐。この話も救いが無い。交通事故で亡くなった父親の復讐を果たそうとする娘は加害者の男を車で轢き殺すというトンデモなストーリー。トラウマ度★★ 『こじきの死』。何でそうなるのという奇妙なストーリー。今の若者は『こじき』なんて知らないかも知れない。浮浪者とも違う乞食は見ず知らずの人たちから金を恵んでもらって生きていた。トラウマ度★★ 『はじめての家族旅行』。この話は『トラウマ文学館』というアンソロジーで読んだことがある。火の元の始末、戸締りは出掛ける時の基本なのだが、この話を読むと出掛ける時には何時も不安になる。そこがトラウマなのだ。トラウマ度★★★★★ 『首かざり』。トラウマはどこに。盗まれた母親のエメラルドの首かざりを巡る物語。トラウマ度★ 『雨』。これもトラウマの薄い話。母親を亡くした幼女を雨の日に迎えに来る若い少女。トラウマ度★ 『シャイアンの大わし』。西部劇風のインディアンの呪い物。著者自身もこの作品を黒歴史と言ってい。トラウマ度★ 『血ぞめの日記が空を舞う』。どうしてそうなるのという、トンデモなストーリー。タイトルも凄い。トラウマ度★ 『へび神さま』。怪奇物。トラウマは感じない。トラウマ度★ 本体価格1,000円 ★★★★
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