午後の最後の芝生 の商品レビュー
村上さんの初期の短編に安西水丸さんがイラストを添える。このお二人は相性が良いですね。ほんわりと漂う喪失感が心地良い。
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村上春樹節全開 なんて素敵な話なんだろう。 初夏の芝生の香りに包まれながら極上の時間を過ごした気分だ。 素敵だ。
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村上春樹の初期短編集『中国行きのスローボート』の中の素敵な小品『午後の最後の芝生』を抜き出して安西水丸の味のある定番のイラストとともに出版したもの。改めて読むと、文章に最近の短編ではないごろっとした硬さのようなものが感じられ、それはそれでよいなと思いながら読んだ。 主人公の僕(初...
村上春樹の初期短編集『中国行きのスローボート』の中の素敵な小品『午後の最後の芝生』を抜き出して安西水丸の味のある定番のイラストとともに出版したもの。改めて読むと、文章に最近の短編ではないごろっとした硬さのようなものが感じられ、それはそれでよいなと思いながら読んだ。 主人公の僕(初期の村上春樹の小説の語りは常に一人称単数だった)は、バイトの芝生刈の仕事を誰よりも丁寧にするのだが、そのことは記憶に残っている。もちろん、どんなに丁寧に仕事をしたとしてももらえるお金は変わらない。よい仕事をして評判がよくなったからといってバイトの僕には直接メリットをもたらすことはないだろう。第一に僕がそのようなことを欲しているから丁寧に芝生を刈るわけではない。もちろん丁寧に芝生を刈ったことで時間がかかったからといって、そのころの僕に何か不都合を生じさせることはなかっただろう。しかし、多くの人は手間と労力のかからないやり方を選ぶ。僕はそうでない選択をする。その人生に対するそういった姿勢、というものがきっとこの短編小説のテーマなのだろう。そうであるべきだとは言わないが、そうでなくてもやっていけるし、多くの人がそうであってもいいはずではないのか。最後の芝生刈の仕事になった丘の上にある家の女主人がそうだよな、と言っているような気がした。 「記憶というのは小説に似ている、あるいは小説というのは記憶に似ている」 - 村上春樹がこの小説の中で今では小説家になった僕に書かせた言葉だ。あるいは、人生というのは小説に似ていてもよいのではないか。記憶というものが、ほとんどきっと人生そのものなのだから。
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10分ほどで読める短編 初期の村上春樹の文体で心地よい 芝生に寝転んでジャズを聴きながらお酒が飲みたい ジャズピクニックを思い出した
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主人公が村上春樹さんのことのような…エッセイのような…絵がいい味を出している。癒される本。 「その一週間が経ったあとで、つまり、金の使いみちがないのなら、使いみちのない金を稼ぐのも無意味なのだ」という言葉が印象に残った。欲しいものとか好きなことにお金を使わないと今私が働いている意...
主人公が村上春樹さんのことのような…エッセイのような…絵がいい味を出している。癒される本。 「その一週間が経ったあとで、つまり、金の使いみちがないのなら、使いみちのない金を稼ぐのも無意味なのだ」という言葉が印象に残った。欲しいものとか好きなことにお金を使わないと今私が働いている意味とか意欲ないよな、と共感したから。
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主人公と村上春樹氏は違う人物とわかっていながら、主人公の中に春樹氏を重ねてしまう。だって、村上さん、絶対芝刈りを丁寧にやりそうだもん…
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村上春樹さんの初期短編に、安西水丸さんのイラストを添えたもの。半年ほど前に、これらが載った雑誌を読んだ覚えがある。評判が良かったのだろう、単行本化されていたのに昨日気づいてすぐに買ってきた。持ち主のいない時にその部屋に入る、というのは奇妙なものだろう。それが会ったこともない人なの...
村上春樹さんの初期短編に、安西水丸さんのイラストを添えたもの。半年ほど前に、これらが載った雑誌を読んだ覚えがある。評判が良かったのだろう、単行本化されていたのに昨日気づいてすぐに買ってきた。持ち主のいない時にその部屋に入る、というのは奇妙なものだろう。それが会ったこともない人なのなら。若いころ読んだ時には気がつかなかった、彼女の不在についてのある仮説に気づいたのはここ数年のことだが、まるで「藪の中」みたいだな、と今は思う。自分が見える世界は日々刻々と更新され続けているのであって、「本当の」世界などどこにもないのだ。
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全集でよんで短編のなかでも上位に好きな作品です! 何が好きか聞かれた時答えてました。 再販、びっくりです。やった〜
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どれだけ時間が経っても、思い出してしまう記憶があって、それを描いたお話なのだと思いました。夏の日差しに照らされた庭の芝生の上に、ひんやりとした喪失が横たわるような記憶。 何ヶ所か笑ってしまう部分もあり、ユーモアも感じられるところが一筋縄ではいかないです。 安西水丸さんの描く芝...
どれだけ時間が経っても、思い出してしまう記憶があって、それを描いたお話なのだと思いました。夏の日差しに照らされた庭の芝生の上に、ひんやりとした喪失が横たわるような記憶。 何ヶ所か笑ってしまう部分もあり、ユーモアも感じられるところが一筋縄ではいかないです。 安西水丸さんの描く芝生の景色は、草原みたいで寝転びたくなります。本当に気持ちよさそう。
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村上春樹と安西水丸の相性の良さを再確認。 午後の最後の芝生は短編の中でも好きなお話だったので、予約して届くのを楽しみにしていました。
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