夏のピルグリム の商品レビュー
「人生は不公平だ」っていう帯に共感して久しぶりに帯買いした。夏に購入したのに秋に読了するという戦犯を犯しつつも、物語は心温まる旅や推しのライブ、家族との関係など深いものが盛りだくさんですぐに読み終えた。やっぱり人は人によって救われるし、人は一人では決して生きていけないなと自覚され...
「人生は不公平だ」っていう帯に共感して久しぶりに帯買いした。夏に購入したのに秋に読了するという戦犯を犯しつつも、物語は心温まる旅や推しのライブ、家族との関係など深いものが盛りだくさんですぐに読み終えた。やっぱり人は人によって救われるし、人は一人では決して生きていけないなと自覚されられた。 自分が生きていくことに必死になりすぎて他人に優しさを与えられないのは悲しいなと思うから、人に少しだけでも何かを与えてあげられる人だありたい。 旅する本を読むと色んなところで色んな人に会いたいと思えるからすごい好きだなと改めて思った。
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2人の友情、主人公の家族や将来への向き合い方の変化といった部分の描写は良かった。 以上から読了感は悪くないと言えるものの、個人的に描写があまりにも非現実的だと感じたために★4とまではいかなかった。
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夏にアニメ映画化されている情景が目に浮かびます。 夢って何か壮大なものでないと口に出してはいけないように感じていたけれど、夢って色々な形があって、それら全てが尊いものであると思わせてくれました。大人も子どもも完璧な存在ではないけれど、互いを思い合って、思い過ぎてすれ違う。人間は不...
夏にアニメ映画化されている情景が目に浮かびます。 夢って何か壮大なものでないと口に出してはいけないように感じていたけれど、夢って色々な形があって、それら全てが尊いものであると思わせてくれました。大人も子どもも完璧な存在ではないけれど、互いを思い合って、思い過ぎてすれ違う。人間は不器用で愛おしい。
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中学一年生の少女2人による旅物語。 人それぞれ抱えているものがあってそれが旅の中で徐々に明かされて行き最後は全てが解き放たれるという展開はロードムービーのテンプレート的でありこれは読み進めていくと予測出来るのかなと思います。 ただ主人公が中学生ですので途中の展開は少し都合良すぎ...
中学一年生の少女2人による旅物語。 人それぞれ抱えているものがあってそれが旅の中で徐々に明かされて行き最後は全てが解き放たれるという展開はロードムービーのテンプレート的でありこれは読み進めていくと予測出来るのかなと思います。 ただ主人公が中学生ですので途中の展開は少し都合良すぎるのが気になりました。実社会において私が家出してきた中学生を一晩泊めようものなら確実に逮捕でしょう。 また途中で差し込まれる物語も個人的には不要かなと感じました。タイトル回収している訳でもなく、これがないと主人公の心理が描写出来ない訳でもなさそうですし。 悪くはないけど普通かなというのが個人的な感想です。
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Amazonの紹介より 「わたしには夢を持つ資格はない」 必死で受験して入学した中学校には馴染めず、厳しい母親に叱られ家庭でも居場所がない。中学一年生の夏子は日々を無気力に過ごしていた。心の支えは、妹のチイちゃんと共にお話を創ること、そしてチイちゃんの推しているアイドル・羽猫くん...
Amazonの紹介より 「わたしには夢を持つ資格はない」 必死で受験して入学した中学校には馴染めず、厳しい母親に叱られ家庭でも居場所がない。中学一年生の夏子は日々を無気力に過ごしていた。心の支えは、妹のチイちゃんと共にお話を創ること、そしてチイちゃんの推しているアイドル・羽猫くんの動画を一緒に視聴すること。 しかしそんな夏子の様子を見かねた母親は、夏子が目を背けてきた「現実」を突き付けてくる。さらに同時期に羽猫くんが活動を休止し、宮崎の田舎へ戻ったという情報が。 すべてを失った夏子は巡礼の旅に出る。東京から、宮崎へ。道中様々な大人と出逢い、時に助けられながら、夏子は少しずつ夢を取り戻していく。 第12回ポプラ社小説新人賞奨励賞受賞作 楽しい日々から一転、推しの活動休止や喪ったことなど受け入れたくない事実をどう受け止めていくのか。そのために大胆な行動の連続でしたが、自分の意志で見つけようとする描写に清々しい気持ちになりました。 題名の「ピルクリム」という言葉ですが、「巡礼」という意味で、本来は「ピルグリム」と発音します。 あえて、濁らない発音にすることで、ひと夏の経験・青春といった柔らかな意味合いが込められているのでは?と勝手に解釈してしまいました。 友達とともに「アイドル」を楽しむ。その光景は、楽しげである一方、その裏側では主人公の秘密も隠されています。 個人的に、その秘密は既視感がありました。というのも、最近そういった傾向を複数読んだことがあったので、あまり衝撃を受けませんでしたが、なんとも切なくなってしまいました。 さらに推しの活動休止や自分自身の心の疲弊も相まって、どう前に進んでいくのか、気になったのですが、結果として、推しに会いにいくという展開でした。 第1印象として、少し視点をずらすと、ストーカー行為とか思ってしまうギリギリのラインの印象でした。 休止後のSNSで投稿した写真を深掘りすることで、それが主人公の祖母が暮らす場所だったり、もしかして子供のころお世話になった人⁉だったりと冷静に判断すると、常軌を逸している感覚もありました。また、ちょっとしたファンタジー感はあったのですが、会えるのか?といった期待感もあって、頑張ってほしいなとも心の隅で思う自分もいました。 ただその後も、大胆な行動は続き、「巡礼」ということもあって、行く先々で様々な人に出会います。 その人達は、人生において苦労されている人達ばかりで、その人達を通じて、主人公にも大きく影響を与えます。 ちなみに主人公は中学生なのですが、少しでも話の展開が外れると、事件になるのでは⁉と思うくらい、ヒヤヒヤしながら読んでいました。運が良かったからということで、ちょっと都合が良い反面もありましたが、良い人たちに出会って良かったねと本当に思いました。 後々振り返ってみると、そこには周りの支えがあってこそなので、本当に人の温かさに感謝だなと思ってしまいました。一生の宝物ですし、出会った人たちが放つ言葉はジーンときました。 特に祖母の優しさは良かったです。行動や言葉は、長く生きたからこそ滲むものがあり、印象的でした。 そもそもの目的の推しの行方が気になるところでしたが、一応描かれているものの、ちょっと雑感がある印象でした。もう少し丁寧に描いてもよかったのかなと思いましたが、推しがいたからこそ、前に進めたので、その行動力は凄いなと思ってしまいました。 なかなか現実だとハードルの高い要素ばかりでしたが、周りの人達の人生を聞くことで垣間見る言葉や行動に感慨深く感じました。
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夢を持つ資格はないと心を閉ざしてしまっている少女が主人公。心を閉ざすには理由があって… かけがえのない友人、それぞれが喪失を消化しきれずもがく家族、手を差し伸べてくれる周囲の人達… 人間ひとりでは生きていけないということをしみじみ感じた。 傷ついた経験がある人や苦労している人は弱っている人に優しくできる、そんな気がする。 喪失を経験した少女が、周囲の人達に手を差し伸べられながら再生し、成長していく物語。
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